ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

紅白舞踊合戦閉幕…それぞれの思い

2011-08-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
鹿島「ようやく、思いが定まったようですね」
能子「私、ここに居させて」戻りたくない…「お願いッ」池田さんに頼んで、
池田「分かってます」
継「あったり前よ」能ちゃんの手をギュッと「ッテ」握り返した。
能子「ありがとう、ありがとう」うんうんと何度も何度も頷いて、ここに居ていいんだって、思うようにした。その、いつもでも繋がってる源氏と平家を見て、
池田「…?」富樫さんが、厳しい目で口を堅くして見ていた。それが妙に気になった。
その後、いつもの富樫さんに戻って、豪快に継さんと酒を浴びるように飲んで、宴の時間が過ぎて行った。宴も酣、月も眠くなる頃に、
志津「私たち、先に寝るよ」と、能子「おやすみなさい」と部屋に戻っていった。
御方様の後姿が見えなくなるのを待って、池田「何か、気になる事でも?」
富樫「いやな、平家の女たちは、男以上の戦してっからな、目を放すなよ」
池田「はい」
戦…“散々、命張られたよ”…妙な気持ちが、嫌な予感に変わって、
富樫「ほら、もっと飲めよ」と、酒と予感を煽ってきた。だから、
池田「飲み過ぎです」一言、注意しておいた。
布団に入って、能子「おやすみなさい」志津さんの隣で眠った。ずっと、源氏の、傍で緊張していた…だから、今日は、悪夢が来ないうちに眠れ…そ…う、
志津「おやすみ」ふぅと行灯を消して、月夜に照らされる彼女の寝顔を見た「源氏の妹に、平家の娘…か」その寝息を聞いて「なんて小さい息吹なんだろうね、まったく」
夜が更けても眠れぬ夜を過ごすのは、酒田の女二人だった。
月明かりが朝日に代わるまで空を眺める、継の妹 愛「能盛(よしもり)…」と、
繭子「能登に、帰ろ…か」我が子 和菓子を見つめていた。
それぞれの、長い夜が明けて、
キュー…ン、シュッ…ビシュ
義経「…」弓の音で、目が覚めた。畳まれた布団を見て、匠がいない、と気付いた。急いで着替え、弓道場に向かったら、与一がいた。弓を番え…こちらからは左頬が見えない。
キュー…ン、シュッ…ビシュ
…的から大きく逸れた。
与一「おはようございます」スッ、弓を下ろし、こちらを向いた。そうしたら、見えた。


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