ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ごめんなさい、する時は…

2011-05-11 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義隆「ん?」と首を傾げて、クルッと振り返り「能子ねぇちゃん?」を見たから、
継「お子ちゃまには分かんねぇ話だ」と義隆の頭に手を乗せ、クイッとこちらに向き直した。
与一「そういうお二人は、どうなんですか?」と、耳に手を当て、甲高い声に耳を澄ました。
忠「るせッ」夫婦ゲンカ停戦中…。
料亭で沸かした菖蒲湯で泥と油を洗い流した弁慶「おっ、美味そうだな」と鞍馬「いただきっ!」とボロボロのます寿司を取って、頬張った。
義隆「あ…!」と、ご飯粒が、ボロッと落ちて、
鞍馬「おっと、もったいねぇ」とパクリとご飯粒を口の中に入れた。
弁慶「口に入れちまえば同じだ、美味ぇ。ま、初めてにしちゃ上出来だ」と義隆を見た。
義隆「わぁい♪」と喜んで、
継「ところで、ツネは?」
弁慶「飲みに行っちまった」
義隆「え…?」笑みを消し、顔を強張らせた。
弁慶「…。そうだ、忠。例のやつは?」
忠「あぁ、買出しの袋…」から、ブツを取り出し、弁慶に渡した。
弁慶「あいつからだ。悪ぃ…って」と義隆に紙の包みを渡した。
義隆「ごめんなさい、する時は…」包みを開き、
継「あん?」その中身を見た。
義隆「目を見て、ごめんなさい、しないとダメだって…」縦に5つ並んだ柏餅を、睨んだ。
与一「そうだな」と義隆の肩に手を置き「でも、男には目を合わせられない時も、あるんだ」
義隆「え?」と首を傾げて、
与一「もう少し大きくなったら、分かる」
継「…」与一の言っている事が、義隆の父 義仲への事だと分かった。
義隆が現実に直面した時、どうなるのかなと、ツネの荒れてたガキの頃を思い出しちまった。
与一「ただ…目も当てられない事態を避けるため、謝っておいた方がいい場合もありますね」と余計な事を付け加えたから、
継「ふんッ」と鼻息で一蹴し「一言多いぞッ」とボロボロのます寿司をつまんで食った。
忠「大きなお世話だ」与一を睨んで、柏餅を見て「今日、誕生日だったんだな」と納得した。
義隆「うん。母上が、誕生日には柏餅と鯉のぼりに、かぶと、って言ってた!」
そこへ、ビックな折り紙の兜を手にした葛葉がやって来て、ポンとそれを義隆の頭に乗せた。


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