ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

将棋の里 天童

2011-04-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
池田「青いな」ニッと笑って「先に行きます」と船番所に向かった。その後姿に、
斯波「俺らが、青二才だっての?」と、青いみかんをじーっと見た。
与一「俺が、青いんです」
ボーン、ボーン、ボーンと近くの山寺の鐘が三時を告げた。
紅花の里、染め工房[くれないの館]で作業の手を止めて、すみかのドタバタに巻き込まれ、昼飯を食い損なった義経「くぅ(腹減った…)」と腹を鳴らした。そこへ、茶を運ぶオイボレと煎餅を持つすみか、ガタイのいいじぃさんが風呂敷包みを持って、こっちにやって来た。
ガタイのいいじぃさん「はじめまして…」と深く礼をしたから、
義経「ペコッ?」と頭を下げた。誰だろ?と思っていたら、
佐伯さん「ここの館長さん。で、近くの寺の住職の円仁(えんにん)さん、じゃ」と紹介した。
義経「…(佐伯さんの、知り合い?)」と円仁さんを見たら、
円仁「これを…」と、風呂敷でくるまれた箱をくれた。そぉっと開けてみると、
義経「!?」大量の紅餅と赤く染まった絹糸が入っていた。(えっ?えっ?どういう事?)
円仁「源氏のケジメだってな。斯波から、聞いたぞ」
義経「ペコッペコッ」と深く二礼して、有り難く、有り難く、それを受け取った。
佐伯さん「しかし、困ったもんだな…」
円仁「ふぅ…む、天童に和田軍勢が待機している」ここ[河北村山]紅花の里の目と鼻の先に天童がある。その天童に和田軍勢が駒を揃えている。
義経「ん…」厄介だなと思った。紅餅を風呂敷で包み直し、それをコトッと床に置いた。
さらに、将棋の里で有名な[天童]の目と鼻の先に、第一の目的地[山寺 立石寺]がある。
俺たちは和田義盛に嫁いだ巴御前に面が割れているので、迂闊に勧めない。今進めば、今度は俺たちがいかだに流された和田スパイのようになる。ドッカーンと?
それより、俺は…葵との隠し子が心配だった。なんとしても、山寺に行かねばならない…が、
義経「ふぅ…」と顔を曇らせた。
ツラを拝んだ事のない実子に、どんな顔で会えばいいのか…天童を突破する前に、つい余計な考えちまったんだ。そんな俺に、
佐伯さん「駒を進めるには、それ相応の戦略を練らねば、なっ」と紅花茶を差し出した。
義経「…」茶を受け取って、グビッと飲んだら「ん!チィーーー」かった。
小角「引っかかったぁ♪」と手を叩いて、ガッチャン「ククッ」と笑った。
義経「ンッ!」と佐伯さんの胸倉をグッと掴んだら、