ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

負けない遺伝子

2011-04-11 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
瑠璃姫「私たち、狙われているの」
冷泉院「繭子は、神薬の開発止めろって、言ってたけど、ね」止める訳にはいかないわ。
継「神薬?」
瑠璃姫「えぇ。反魂丹って中国の伝説をモチーフに作っている丸薬で、解毒薬を作ってるの」
継「へ?反魂丹って、命を蘇らす薬じゃねぇの…?」
瑠璃姫「伝説上は、ね。でも、そんな都合のいい薬…ないわ。ただ…再生 修復なら出来る。人間の元々持っている機能 自己修復能力を高めて、遺伝子を今まで以上に強固なものにすれば、毒になんて負けない。上流階級でバラ撒かれた毒について研究していたところ、毒の成分が遺伝子を損傷させる事が分かったわ。これを調べていって…」
継「え?…上流階級にバラ撒かれた毒…」と親父を思い浮かべ、顔を硬直させた。
忠「あ…」という間に顔色が変わり、ワァと脂汗が出た。
冷泉院「どうしたの…?はい」と布巾を渡し、
忠「あぁ…」と受け取り、汗を拭いたが「これ、雑巾じゃねぇか!」テーブルに投げ付けた。
冷泉院「平気よ。どれで拭いても、変わりないわ。ベース(基本)、これだもん」と顔を見た。
忠「失敬なセレブだな…」
継「…。俺たちの親父は毒を盛られた事があるんだ。毒に勘付いて吐き出したが…それからだ、親父が料理するようになったのは…」
瑠璃「佐藤基治さん…お父様って、確か…藤原家の佐衛門の守(かみ)」
継「あぁ。俺たちにも料理しろって、うるさく言っていたのは、この事だったんだ」
瑠璃「ふぅ~ん。藤原氏族も狙われている…」
冷泉院「となると、同じく藤原氏族 松殿は、やっぱり…マリオネット(操り人形)」
継「あん?…どういう事?」
瑠璃「すぐ逃げて裏に隠れる松殿が、表を牛耳るって?無理な話よ」
忠「はぁ?」と、継と顔を見合わせて、
瑠璃「ねぇ、10年前、京で起きた事件覚えてない?殿下乗合(でんかのりあい)事件…」
松殿は、自分の車の前を横切った車を止めて、その無礼をとがめた。とがめられた平 資盛(すけもり)は父である重盛にそれを報告した。もちろん、父は激怒。元々、親の代…つまり、清盛の代から松殿とは摂政間で確執があり、平家とは仲が悪かった。しかし、政治的にも分が悪いと考えた松殿は直ちに謝罪したが、受け入れられず。松殿はしばらく身を隠していた。
ほとぼり冷めた頃、姿を現したが、重盛の従者に報復されたという事件。