ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

反魂丹

2011-02-20 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
佐藤 継「フッ、違うんだな、これが。いじめられていた狐を助けた若者に恩を返す…確かに、いい女に上手く化けて恩を返し、その若者は金持ちになってHappyかどうかしらねぇがThe End!だ。しかし、狐の恩の返し方は他の奴らとちょい違うんだ。想像してみ。鶴みたいに自分の羽を引っこ抜いて、反物織り上げ売れったって、そんな高価な反物を狐の毛で作れると思うか?あのごわごわした毛だぞ。売れるとしたら毛皮の玄関マットか剥製くらいのもんだ。あいつらはな…魂で魂の借りを反すんだ」
佐藤 忠「知ってっか?反魂丹(はんごんたん)って」
義経「反魂丹…中国から越の国もたらされた蘇生薬」
佐藤 継「そ。魂を丹田(胎)に反すって真っ黒の丸薬で、そんなの幻であるわけないと思っていた。しかし、そんな蘇生薬を…」
佐藤 忠「ほれ、俺たちの可愛がってた…」
義経「狐の紅太と紺太?」
佐藤 継「あぁ。あいつら…俺らなんかのため、魂売って薬買っちまって…」ぐずッ
佐藤 忠「バカな奴らだよ。そんな恩の返し方あるかよ、なぁ。生きる時に生き、死ぬ時死ぬ…それが命の定めってもんだろ。俺たちは覚悟の上で戦っていたのに…」ぐしゅッ
義経「お前ら…」とおしぼりを「ん」とそれぞれに渡したら、
佐藤 継「ぶしゅッ」チーンと鼻をかみ、それぞれ鼻水付き汚ねぇおしぼりを返そうとした。
義経「NON(いらねっ)!」って両手の掌で壁を作り「えんがちょ…」を切った。
佐藤 継「ま、それで命が救われたのよ」
義経「それで?(どう考えてもおかしい)」
佐藤 忠「で、俺ら死んだ事にした。政府筋に面が割れてっから死んだ方が動きやすいだろ」
義経「その表現には多少疑問が残るが、その成果があれか?隠し子…胸くそ悪ぃ報告だな」
佐藤 継「NON!その前に耳打ちしたろ。常盤御前様、だ」
義経「あぁ。母上が立石寺に…って。確かに寺は政治介入が無く安全といえば安全。だが…、」
佐藤 忠「だが、なんで、お前たちを、立石寺に、向かわせているか?だろ」ニヤッと笑った。
義経「逃走経路を考えたのは郷だ。それは、卜占で安全と踏んだ道だからじゃ…」
佐藤 継「フッ。導かれし道の先には、御前様と隠し子がいる立石寺(山形・通称 山寺)…」
佐藤 忠「郷が命を張ってでも守りたかったのはお前の隠し子だ。だから、危険な役を買って出て、高館に火を付けた。だろ?」
佐藤 継「これで、正妻スパイ疑惑も…」