ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

幼馴染み

2011-02-10 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
そのバカと称されたのは、俺と同じ歳31の佐藤 継信「なんだ!いきなり、クソ親父ぃ!」と、その弟で一緒にバカやってた佐藤忠信30歳「ビックリさせんな!」の幼馴染みである。
基治さん「五月蠅い!カステェーラと糸電話に集中出来ん!奥座敷行って、接待して来い」
佐藤兄弟「チッ」と舌打ち「やってらんねぇよ」と御銚子を引っ手繰って、奥座敷に向った。
義経「…」と二人の後姿を眺めていたら、
基治さん「おい、経ッ!ボサッとすんなッ」と紙コップを引っ張り、義経の耳に押し当てた。どうやら、カステラを焼きに掛かりたいようで、場を離れたいらしい。
アウトドアで使うダッチオーブンみたいな大鍋を持って来て、攪拌の卵液を流しいれた。
ざぁ~とザラメ糖と入れ、トロ~ンと蜂蜜を加えて、小麦粉を入れて滑らかになるまで混ぜた。満遍なく火が通るように、鍋蓋の上に焼石を乗せて、下から釜戸の火を焼(く)べた。
義経「分量は…?っと、それは後だな」と、下につまを敷き、刺身を三角形に盛り付けた。
松尾さんたちの部屋と繋がってる糸電話の紙コップを耳に当て聞いたが、音声がくぐもって、聞き取り難い。ここがセンター試験会場だったら、ヒアリング機の不具合で「すみません、交換して下さい」と手を挙げるだろう。が!?今使ってるのは、何せ100均で買い揃えられる紙コップと糸で作られた電話である。そんなクオリティの高さを紙コップに求めて「困る…」と試験官は言うだろう。それに、糸電話…コップの底に向って話しかけてもらわないと、声(音波)の振動が糸に伝わらん。盗聴器を付けて下さいと贅沢も言っていられないので、所々聞こえてくる声を頼りに、話を繋ぎ合わせようと耳を澄ませて聞いていた。
…糸電話・内線中…
松尾「まさか、直々…に…って、…なかった」
牛さん「悪…空…広がって…。そうそう…き…文書を手に入れたくて…」
松尾「れ…のま…りあ?」
(義経「文書?マ リア?」)
牛さん「ど…かも…れん…」
すると、ガラッと音がした。どうやら佐藤兄弟が奥の部屋に入ったらしい。
基治さん「コソ(耳から紙コップ、遠のけろ…)」と小声で、しかも兜で声が聞き取り辛く、
義経「え!?なんて?」と紙コップを耳から外したら、
「ッネぇ!お作り、早く持って来いッ!」と、バカでかい声が響いた。
義経「あンヤロォ!とっちめてやる」と腕まくりしたら、ガッと肩を掴まれ、
基治さん「後にしろ…」と一睨みされた。