ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

壇ノ浦沖の誓い

2011-02-02 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「やぁね。何よ、その目…。結婚式って形だけの式よ。心で固い絆、神様に誓っておけばいいの。式なんて、別に…」
葛葉「…。でも、女の子にとっちゃ…」
能子「いいの!私には贅沢な話だわ。それに、照れ臭くってヤよ」とそっぽ向いた。
義隆「…」
弁慶「そっか。…って、与一と幸せに向って突っ走る前にちょい質問。例の奴と破談した?」
能子「フッ。破談って…笑かしてくれるわ。ぶっ壊してくれたのは、兄上たちじゃない」
弁慶「ん!?もしや、常盤二世宮中第一美女(一応、能子)をとっ捕まえたって、義経が散々叩かれた、例の捕虜事件って…お前の陰謀か!?」
能子「ちょっとぉ!陰謀って失礼ね。平家公家衆が入水する中、私は兄上たちに助けられたわ。助けてもらっても私は平家よ、行き場所ないじゃない。で、兄に頼んで捕虜にしてもらったの。お陰で麻呂との話も、壇ノ浦で夕陽と共に沈んだわ。美しい夕陽だったわね…フッ」
弁慶「だが…再浮上するのが、お日さんだ」
能子「そんな事あったら…永遠に沈めてやるわッ!」と親指をにょっと突き出し、180度回転させて、おととい来やがれ(二度と来るな)!のポーズをした。
鞍馬「ボソ(おっとろしい女…常盤の血をしっかり引き継いでら)」
弁慶「おまっ、もしや!年下の与一を誑かすのに(捕虜の)お目付け役に、って手ぇ回したな!」
能子「ちっがーっ」とでっかい地声で否定しようとしたら、カッチャとドアを開いて「う゛」と与一と目が合った。その後ろにはサブもいた。
与一「誤解ですよ。義経さんに、お目付け役を申し出たのは俺です」
サブ「おいおい、声のボリューム下げろよ、能子。外まで筒抜けだ。それと、年下亭主の手を離すなッ」と与一の背中をドン!と押した。
与一「テッ」と今回は反抗せず、
能子「あ…(あの事、与一から聞いたんだ)…あのさ、サブ。ステージ上で…助けてくれて、」
サブ「あん?ステージ上?」
能子「褒めて遣わすっ!!」
サブ「んだ、てめぇ!何様だ!!あいつ、躾とけッ!」と与一の胸倉掴んだ。
与一「…。精一杯の照れ隠し、有難いお褒めの言葉だと思って快く受け流して下さい」
サブ「ったく」と与一から手を離し「それより、ロクと…繭は?あいつ、大丈夫か?」
弁慶「ロクは羽根拾いと後片付け、繭は気分が悪いって…旅館探しに行った」