ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

チャオ

2011-02-15 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
タタタタッーと殴られてない方だと思うが、奥座敷から佐藤 忠信がこっちに走って来て、
佐藤 忠「お!らっしゃ…」と首を左に傾げて「い!?」と池田くんを見た。
義経「燗、まだ出来てねぇぞ」と出来上がった白湯を池田くんに渡した。
池田くん「あ…はい」と柚子の粉を入れて、にっこり笑って瑠璃に白湯を渡した。
佐藤 忠「…俺は、おつまみを、取りに来たんだけど…」と池田くんの顔をじっと見つめて、
池田くん「?」
佐藤 忠「…」池田くんをまじまじとガン見しながら、おつまみを小皿にわんさか取り「じゃ、ごゆっくり」と盆にたんまり乗せてと奥座敷に走って戻った。その直後、ダダダダダダーと、
佐藤 継信「らっしゃい!」と元気よく、こっちに猛ダッシュして来た。
義経「おい、燗」と盆に4本、御銚子を乗せて「覆水盆に返らず※!こぼすなよ」と渡した。
※離縁したら、元には戻らない。転じて、取り返しがつかない。
佐藤 継「少尉…」と義経に向って、左手で盆を受け取り、右人差し指と中指をピタッと合わせ「俺なら元の鞘に納めるぜ」と米神に指を当て、シュビッと手を離し「チャオ(またな)!」と池田くんにはウィンクして奥座敷に戻ったが…びちゃっ、びちゃっと所々酒が飛び散り、
義経「あぁあ。言わんこっちゃね、なぁ」と同意を求めるように池田くんを見たら、
池田くん「少尉…」眉一文字になっていた。
義経「あ、あぁ」
池田くん「…。いえ、あ、あの方たちは?」と表情を元に戻し、にっこり笑って訊ねた。
義経「ほれっ」とカウンターに置きっぱなしになっていた伊達の絵巻のお菓子を顎で指し「くの一姉妹の旦那兄弟だ」
池田くん「!?…確か、佐藤…」
義経「あいつら俺の幼馴染みで、藤原家佐衛門(律令制の将校階級の『佐』という官位)…」と紹介しようとしたら「ダンダンダダンダンダダーン」と効果音を口ずさみながら、奥座敷から登場した基治さん「や。また会ったね」と瑠璃に声を掛けた。
瑠璃姫「え?」ときょっとんとして、義経に救いを求めるように見たから、
義経「その格好じゃ誰だか分かんねぇってな。男鹿で信田巻を御馳走してくれた料理長だ」
瑠璃姫「あぁ、男鹿温泉旅館の!こんばんは。御馳走になっています」と頭を下げた。
基治さんも軽く会釈して、次に池田くんの顔を覗き込み、
基治さん「私とは…二度目かな?二代目くん」グッと親指を突き出し、クイッと後ろを指して「殿様と初代が、君が来るのを首長くして待ってるけど…?」