ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

サン・ピエトロ大聖堂

2013-09-21 | Italy-聖地巡礼の旅-
カトリック総本山、サン・ピエトロ大聖堂。

カトリックとは、ローマ教皇(法王)を中心として、世界に12億人以上の信徒を持つキリスト教派です。
サン・ピエトロ大聖堂は世界最大級聖堂建築で、キリスト第一使徒ペトロの御魂を守るため、326年コンスタンティヌス帝が教会建立を命じました。それからずっと後16世紀に入り、再建工事が進められました。この再建工事に呼ばれたのが著名建築家芸術家です。
「古代建築を蘇らせた男」ブラマンテ、先に紹介したラファエロやミケランジェロといった方々が計画を遂行しています。
しかし…、
芸術っていうのは終わりなき創造、突如として発想の女神が舞い降りる…なんてことが多々あり。突飛な発想と思いつきで計画が変更されることなんて日常茶飯事です。平坦な日常で淡々と変更を告げられる事は当たり前。そんな変更にマイモコするのは弟子たちだけです。ここで、その平坦を打ち破る、ある事件が起こりました。
ブラマンテの逝去です。
これには困った。

誰が困ったか?
建築主任を引き継いだラファエロです。
彼の意思を引き継ぎ、計画スケールは肥大、彼自身迷走します。
遂には、ミケがそのスケールにストップ(決定権)を待った、という芸術家らしい葛藤と交錯が見られるサン・ピエトロ大聖堂ですが、始まりは御墓です。
ペトロさんのお墓の上に建てられました。
ペトロさんって…誰?と首を傾げる方に、お教え致します。
彼、メシアに従う12使徒のリーダー的存在で、
(『最後の晩餐』で、メシアの右手から二番目、白髭の方です)
初代ローマ教皇です。つまり、初代の墓です。
さ、御墓ですので、静かに祈りましょう。
あぁ…向こうから光がッ、

「こ、これは…」
金です。細工が美しいですね。
選ばれし教皇のみが座れます。

『聖ペトロの司教座』で、ベルニーニさんの作品です。
さて、ベルニーニさんとは、
「ローマは彼のためにあり、彼はローマのために生まれた」と称された建築家です。
これも、ベルニーニさんの作品です。
大天蓋(だいてんがい)…つまり、教皇の祭壇です。

さ、祈りましょう。
ペトロさんの思いに触れ、足に触れ、
祈りを捧げると願いが叶うそうです。

しかし、
多くの願いを聞くうちに、
足の大理石がすり減り、剥げていました。
見ているこちらが痛々しい…ので、
「お大事に…」
と優しい言葉だけ掛けておきました。

さ、次の作品は…、

影…

2013-09-20 | Italy-聖地巡礼の旅-
聖地巡礼の旅も終盤、
最終地はローマです。

天主による最後の裁きが下される時、
その瞬間を、見に行こうと思います。

ここは世界遺産、ヴァチカン市国。

世界各国から名画鑑賞や遺跡廻り、また、
巡礼、洗礼のため、多くの人が訪れます。

「ちょっと失礼、道を開けて開けて」
韓国人旅行客が日本観光客の列を横断します。
「え?」
と、横の列を見たら、インドの方でしょうか。
民族衣装のサリーを身に着けて並んでいます。
はて?この方々は、スペインの方でしょうか?
言葉から、彼らの出身地を推測します。
しっかし…、
皆さん、朝早いにも関わらず、ご苦労様です。
開門前ですが、もう数珠繋ぎ…おっと、
ここはカトリック総本山ロザリオ繋ぎ、
と、表現した方が適切かも知れません。
今からヴァチカン美術館、その奥のサン・ピエトロ大聖堂に入って、お祈りいたします。ここがカトリック教会の頂点に位置する大聖堂で、今年2013年三月コンクラーベ(教皇選挙)でフランシスコ大司教が選ばれました。ここで選挙がその選挙開催地です。
「コンクラーベ」とは、ローマ教皇の選挙の事です。
誰が相応しいか、白黒はっきりさせようじゃないか、
と、審議致します。
教皇が正式に選ばれた時、ピエトロ大聖堂の鐘が、
ごんごんとなります。それと同時に白い煙が立ち上ります。
決定の合図です。しかし、決定されなかった場合、もやもや…と黒い煙を上げます。選挙が混迷しているという証拠ですね。
今回初の、南米出身のローマ教皇という事で湧きました。
フェンシング太田雄貴選手もガッツポーズで泣いていた。
これには私…感動しました。

OLYMPIC GAMES In TOKYOU 2020
御持て成しの精神と、大和魂で勝ち取った開催地決定。
今回選ばれた教皇様の出身も、ここ、
南米のパリ、ブエノスアイレスです。
さて、私たちは入館予約をしておりますので、すす…と、
館内に入れます。しかし、未予約の方、また、個人でお申し込みの方は、後三、四時間…半日は覚悟しなくてはなりません。
私にはそんな覚悟ございません。
「御先に失礼…」と、
先ほど横切った方々を全員追い越して、入館です。
団体ツアーの強みでしょうか、
オーディオガイドの効力でしょうか、
(↑団体客か否かの判断材料に使われます)
ボディチェック、チケットチェックも早く、
悠々と美術鑑賞に入れます。
世界有数の名画、イタリア三大巨匠の作品が並ぶという事で偽造チケットも出回っているそうです。よって、厳戒態勢ですが、
良心背く事、悪い事は一切合切、身に覚えがありませんので、
警備員の前を、堂々と通ります。

さて、
いっちいち細かく名画の説明をしていては、
午後からの観光に支障を来してしまうので、
三大巨匠の一人、ラファエロの間に行きましょう。
チケットのデザインにもなっていますが、

ラファエロとその弟子によって描かれた、
ラファエロの最高傑作『アテネの学堂』、
古代ギリシアの賢人が議論している場面です。

向かって右にアリストテレス。そのお隣はプラトン(ダ・ヴィンチさんをモデル)、階段下で書きものをしているのはヘラクレイスト(ミケランジェロがモデル)。最初の設定ではヘラクレイスト(ミケランジェロ)は、いなかったそうです。
しかし、同時期に生きたミケランジェロの卓説した技術、おそらく、『最後の審判』でしょう…それを目の当たりにして、敬意を込めて彼を中心に描いた、とされます。
こうした宗教絵画激戦区で、引けを取らない実力を見せたのが、
ちらり…とこちらを見ていますね。彼…ラファエロさんです。

不思議な事に、どこへ行っても、
この視線、追って来るんですよ。
絵画を見ているはずの私たちが、
彼に、見られているんですよ。
彼…私たちを見て、
何を思っているのでしょうね?
こちらから見て、その表情…、

ニヒル(影のある)ようにも、
何だか寂しそうにも見える、不思議なラファエロさんでした。

恋の、ボイジャー(冒険者)

2013-09-14 | Italy-聖地巡礼の旅-
「青の洞窟は…」
今ツアーには、
入っておりません。

Optionにも、
ありません。

北イタリアの旅ですから、
アマルフィ海岸や、
ポンペイ遺跡には、
行っていません。

もちろん、カプリ島クルーズに無く、
青の洞窟にも、立ち入っていません。
よって、
そこらを彷彿させるレストランで、
手を打ちましょう。

Pizzaが美味しいと評判のレストランで、
ソーダ水(→整腸作用があり、消化不良に良い)で、
Salute(乾杯)です。

レストランの入口は狭いですが、
洞窟レスト内は、案外広いです。
その中で、
イタリア人による、
ボイジャーのための、
イタリア民謡が披露されておりました。

では、お聴き下さい。
恋する男の愛の歌…。

---
美しい海が感傷を誘う
君の優しき囁き
夢へと誘う

軽やかな風はオレンジの香りを運び
その芳しさは恋に沁みる

「私、行くわ…さようなら」

君は言った
俺を捨てて
俺の気持ちを置き去りに

行かないでくれ
これ以上、苦しめないでくれ
ソレントへ、帰って来てくれ
---帰れソレントへ

ありがとうございました。
繊細な男の悲恋でしたね。
そんな恋歌を聞かされたら、
キッつい妻も、ほろり…と、

情に絆され…、
懐からそそ…、
チップの応酬。
歌手の手に握られる札の束…。

感情込めると、
Moneyが動く。

そんな妻をみて…、
夫「弱点を見つけた…」
と、ほくそ笑みます。
妻「はぁ?」

情に訴えれば、
妻の許しが与えられると?

私が許しても、
神は、許さぬ。

マリアのために…

2013-09-13 | Italy-聖地巡礼の旅-
いつもは静かな、古都シェーナに、
2013年8月16日、
どやどや、人が集まってきた。
駐車場は地元民でいっぱいだ。
今日ここで大変有名な伝統行事が開催されるらしく、
添乗員さん「私も初めてなんですよ」
ベテランの添乗員さんでも滅多にお目に掛かれないという、
その伝統的な御祭りは、
『Palio(パリオ)』

と、紹介してもさっぱりだ。
つまり、競馬という神事だ。
歴史は古く、今から360年ほど前、
日本ではちょうど江戸時代である。
競馬は年二回行われる。
私たちはその二回目に、
かっちんぼっこ(訳・ぶつかった。夫だけの方言??)した。

なぜ二回なのか?
二回とも“マリア”が関与している。
シェーナに聖母マリアが訪れた日と、
マリア被昇天祭に合わせてだという。
つまり、マリアのための競馬なのだ?

町の中心にある扇型のカンポ広場(Piazza del Campo)に、

ドーン、と土を入れ、
選ばれし御馬たちが、
走る、走るの激走だ。

余談だか、
Piazza(ピアッツァ)というのは広場という意味であり、
aが抜けると、チーズが絶妙Pizza(ピッツァ)となる。

逸れた話を馬に話を戻すが、人馬一体のこの競技…
騎手と馬を繋ぐ手綱という絆は一応あるのだが、
見よ、鞍が無い。
よって、ずるり、
絆なんて形だけ。
騎手が落馬しても馬さえ走れば、それで良し。
通常競馬のように騎手落馬で、はい失格、とはならないのだ。
とにかく、
馬だけでも目指せGOALで、
万事結果が全てを物語る。
結果良ければ、All OKの御祭りを見るため、
4時以降、
店主「やってられっかよ」と、
店のシャッターを閉めるらしい。
人々は15世紀の衣装をまとい、
17地区それぞれの旗を掲げる。
17種類の旗、それぞれの象徴は、
鷲、イモ虫、カタツムリ、フクロウ、竜、キリン、ヤマアラシ、一角獣、雌オオカミ、貝殻、ガチョウ、波、ヒョウ、森、亀、塔、山羊…である。
それぞれの生き物獣の旗を掲げ、
己の名誉と誇りと、馬を賭ける。

添乗員さん「滅多に見れるものじゃないので…」
丁度、ガチョウ地区の出陣式に差し掛かった。
中に忍び込み、
撮影を試みた。
「パシャ」
撮影を邪魔する夫を蹴散らし、
「ん?」
遠くから、ドンドンドン…太鼓の音が聞こえる。

鼓笛隊が入り、ファンファーレと、観衆の歓声。
そして突如、歓声は止んだ。
しー…ん、
人々はガチョウの神に祈る。
チリーン、鐘の音が響いた。
司祭様が神に祈り捧げているのである。
武運、地区優勝と、人馬の安全祈願だ。
この御祭りは、
シェーナのアニマそのものだという。
アニマ(Anima)とはラテン語で[精神]。

「ガチョウの神よ、
いつまでも祀りの精神が続きますように」
祀りの精神も知らぬ私だが、ものの次いでだ。
私も祈った。
「落馬して怪我しませんように…」

で、結果は、
イモ虫が勝利を収めたそうだ。
ちなみに、ガチョウかは分からないが、やはり落馬があって、
救急車に運ばれたそうだ。…神事も、命がけである。

「ローム、ローム、ローム」 ローマ起源史 2

2013-09-11 | Italy-聖地巡礼の旅-

兄弟の意見は分かれた。
兄ロームルスはパラティーノの丘に神殿(パンテノン)の建築を進言、弟レムスは戦争に備えて城壁を築くことを進言した。
話がまとまらず、二人は神の啓示で決める事になった。
それぞれに祭壇を用意し、丘に住まう神に祈り捧げた。
まず、弟レムスの祭壇には神の使者 鷲が6羽舞い降りた。
その少し後、兄ロームレスの祭壇に12羽の鷲が舞い降りた。

人々は、
「「ローム、ローム、ローム」
兄ロームルスを称賛した。

そして、神の啓示により、
パラティーノ丘に神殿と、
神殿周辺に街を築き始めた。

「ローム、ローム、ローム」

人々がロームレスを慕う一方、
弟思いの兄は、苦しんだ。
ロームルス「確かに、鷲の数は勝っていたが…」
鷲が先に舞い降りたのは弟の方である。
そこで、弟の進言である、町を守る城壁をも築いた。
しかし、この兄の優しさが裏目に出る。
レムス「先に、神の啓示を受けたのは俺だ」
これを境に兄弟の仲は一層悪くなり、
とうとう弟レムスは「こんな城壁…」
軽く城壁を飛び越えてみせた。
城壁…つまりは、聖域を守る結界であり、
それを跨ぐ、飛び越える事は聖域を汚す行為と等しい。
その弟の行為に、兄は激怒し、
遂に、兄弟は決闘することに成った。
武勇誉れ高い双子兄弟…その決着は、

「ローム、ローム、ローム」

ロームレスの勝利で終わった。
この決闘で弟は命を落とした。
弟の亡骸は、丁重に埋葬され、
彼の墓石周辺には、ある果物が植えられた。
黄色い実のレモーネ…国土を黄色染める頃、
兄「この国に、平和が訪れる」

「ローム、ローム、ローム」

この新しい国の名は、兄の名にちなみ、
『Roma』となり、
兄ロームルスは新国王となった。

兄ロームレスはパンテノンの丘で、
リモンチェッロ(イタリア特産レモンで作ったお酒)に舌鼓。
永遠のライバル、亡き弟を偲び、
兄「ローマに平和を、Alla salute!(アラ・サルーテ)」

献杯(弔い酒)した。

‐ 完 –
ここシェーナで、ローマの神は夫にイタズラ。
夫「NONO…」
夫はレモーネのジェラートを食べる事になり、
夫「お、これも美味いぞ」
まぁ、いいか。
ペロッと一口、頂いたレモンの味は、
妻「ん、爽やかで美味しい」
イタリア気風の、穏やかな甘さが口中広がって、
ローマの平和が広がっている、そう感じました。
私はピスタチオのジェラートに舌鼓…、すると、
「Ciao!」
イタリアン男性に挨拶されました。私もご挨拶。
妻「チャオ」
すると、
夫「誰?」
妻「知らないけど…さっき、愛コンタクトされた」
その素敵なイタリア青年に手を振って、
夫「…」
そんな妻に辟易の様子でした。

ちゃんちゃん。

双子の悲劇 ローマ起源史1

2013-09-10 | Italy-聖地巡礼の旅-
ローマの歴史を語るに外せない、
トスカーナ州シェーナの町です。

この町の感想は、
まるで…
ドラゴンクエストの世界観そのもの。
この門を潜れば、あなたも伝説の中。
さぁ、ローマの起源を辿ってみよう。

『双子の悲劇』
ここはかつて、アルバと呼ばれていた。
古代ギリシア人との戦いで滅んだトロイアの末裔とラテン人の女王ラウィーニアとの間に生まれたシルヴィウス王の末裔によって代々統治されていた。シルヴィウス王から11代目、
事件は起こった。
「王が、双子を授かる」
王位は長子に引き継がれ、次男は王妃の、トロイア家の財宝を受け継いだ。
父王が亡くなり、納得行かないのが次男である。
次男「同じ時に生まれ、兄が王で、自分は…」
次男はトロイアの財宝を駆使し、金にモノを言わせ、
貴族を買収、軍を味方に付けた。
そして、弟の陰謀により兄は追放。
王位は、弟のアムリアスに移った。
アムリアス「さて、困った…」
兄には美しい娘がいた。
その名は、シルヴィア。
「殺すに忍びない…」
アムリアスは彼女に神殿に入り、
巫女となるよう命じた。
神に、その身を捧げる巫女、聖職者であれば、
婚姻、ましてや、子を宿す事など許されない。
「これで兄の血は、根絶した」

しかし、
アムリアスの目論見は神によって崩される。
軟禁されたシルヴィアを一目見て、
軍神マルス「その身を、我に捧げよ」
シルヴィアの前に神が訪れ、
神と契りを交わす。
その時、巫女はマルスの子、双子を宿す。
それが、兄ロームルスと弟レムスである。
王アムリアスはシルヴィアが双子を産んだと聞くと、
「双子を殺せ」と命じた。
しかし、
シルヴィア「神より授けられた子を手に掛けるなど畏れ多い」
王の命令とはいえ、神の子に手を下すなど、
出来るはずもなく…、
「双子に、神の御加護を…」
籠に入れ、密かに川へと流した。

流れ着いた先で、双子は雌の狼に拾われた。
腹を空かせて泣きじゃくる人間に子どもに、
雌の狼は乳を吸わせ、エサを育てたという。

(雌狼の乳を吸う、双子の鐘)
双子はすくすくと成長し、
羊飼いとなっていた。
「兄弟仲良く手を取り合って…」
と、そんな平穏な暮らしは長く続かなかった。
ある日、弟レムスがアムリアス王の手の者に捕らえられ、
宮殿に連れ去られるという事件が起こった。
そこで初めて、自分たちの出生の事実を知らされる。
シルヴィア「あなたたち双子は、私の子よ」
自分たちがアムリアス王の甥であるという事実、
そして、もう一つの事実は、
アムリアス王もまた双子であり、
兄から王位を奪った弟である、という事。
この事実を知った兄ロームルスは弟を助ける為、
剣を取り、羊飼いを率い、王宮へと攻め入った。

激しい戦いの末、
双子は祖父の仇を討つことに成功した。
アムリアス亡き後、アルバ国の王位を継ぐように双子に勧めたが、それでは二の舞を踏むと、その申し入れを断り、母シルヴィアに別れを告げ、兄弟は羊飼いに戻った。
兄「これから、俺たち…」
新しい国を作ろうと、立ち上る。
兄弟はどんな国が相応しいか話し合った。

しかし…、

道は開かれん

2013-09-09 | Italy-聖地巡礼の旅-
さて、こちらは、
サンタ・クローチェ教会、
この黄金の扉は幸福の門と呼ばれています。

「この中に入れは、幸せがあるのか?」
迷える小羊はそっと、扉に手を置いた。
すると、
天から声が…
「求めよ、さらば与えられん
尋ねよ、さらば見出さん
門を叩け、さらば開かれん』
新訳聖書「マタイによる福音書」より
その声をかき消すように係員は、
「あぁ、下がって、下がって…」
どうやら、
幸せの開門時間まで、ちと時間があるようだ。
係員が幸福の道を開けるのを、しばし待とう。

時が来れば、必ず、
君も幸せになれる。

そう信じてないと、
今世、
生きてけないよね。

信じる者は、救われる。
何を信ずるか、それは、
己の心と力と、天運だ。

時は満ち、運は開かん。
ぎぎー…、
幸せを切望する人口が多過ぎて、
収拾がつかなくなる前に開門だ。

現地ガイドさん「このグループ、持ってますねぇ」
カトリック系現地のガイドさんまで、
私たちグループの“運”を称賛した。
この幸せの門、そんなに早く開かないらしい。
そうか。じゃ…
お天道様と時の運が機嫌を損なわいよう、
手を組んで、さっさと主に祈りましょう。


ここは、1294年、建築家アルノルフォ・ディ・カンビオにとって設計、
90年の歳月をかけて建てられた教会で、
ミケランジェロやガリレオなどの偉人が眠っています。

偉人を起こして、
この世の変革ITルネサンスにびっくり。
カルチャーショックでキュン、バタン。
頭を打っては危険です。

時代の流れには徐々に徐々に、
ゆっくり早く慣れましょうね。

それでも、私は…

2013-09-08 | Italy-聖地巡礼の旅-
シニョリーア広場

シニョリーアとは、統治という意味だそうです。
共和国時代、政治の中心として栄えていた地で、
ここを基点に南側には、
ルネサンスの宝庫『ウフィッツィ美術館』があります。
さて、
芸術の街フィレンツェで、
名画鑑賞と行きますか…、
といっても、写真は厳禁なので、
私の解説だけでお楽しみ下さい。
ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』はご存知でしょうか?
ぴゅーぴゅー風の神ゼフィロスが帆立貝に風を送っています。
ゆらゆら波に乗って帆立貝は地上に吹き寄せられ、岸辺に到着。
「ここは、どこ?」
ぱっか、と開いた帆立貝、
その中にあれまびっくり。
愛と美の女神ヴィーナスが入っていたとさ。
すくっと、帆立貝の上に立ち、
右手で胸を隠し、左手で長い髪を持ち、
髪で陰部を隠し、頬を赤らめ恥じらう。
「恥じらいのヴィーナス」ともいわれ、
一糸まとわりない姿は、偽りなき愛を、
その裸体は、女性の美の基準であった。
裸の彼女を迎え入れる季節の女神の手には、ガウン。
ガウンを着せて、豊穣の、地母神にするのだという。
解説書を読んで…、
「ん?」
イヤホンガイドからヴィーナス誕生秘話が流れてきた。
なになに…?
浮気を繰り返す夫に愛想尽き、夫の男根を、
妻が息子に命じて、海に投げ捨てさせた?
ぽっちゃん…
海の底に沈む男性の“なんたるか”は、
すくすく健やか、さらに美しく成長し、
なんて事だ、愛と美の女神になったと?

神様の誕生って、摩訶不思議だ。
男根を培養したら子供が出来る。
そんな事が在り得るのか?
いや、もしが起こり得るのが地上の奇跡。
不妊大国日本の希望になるかもしれない。
晩婚や生活環境により卵巣年齢高齢化で、
悩める女性が増える一方である。
男根?から一筋の光があってもいいのでは?
男性読者諸君よ、日本の未来を救うために、
ひと肌…いや、肌だけじゃモノが足りない。
それ丸ごと、差し出してみてどうだろうか?

君のそれ、培養に成功したら、
君そっくりJr.が誕生する、かも?

さ、冗談はさておき、次の名画は、
レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』だ。
ひらりひらり舞い降りた大天使ガブリエルが、
百合の花を手に、
「おめでとう、あなたの体に、神の子が宿っています」
マリアを祝福…って、そりゃないよ。
夫ヨゼフ「俺、身に覚えないッて」
どこの馬の骨だか分からん天使が入ってきて、
やや宿したってんだから尋常ではいられない。
しかし、大天使の言う事をよぉく聞いてご覧。
「神の子の、父になるだよ」
いいじゃないか、自分の子じゃなくたって。
末は地上の救世主様。キリストの父になる、
名誉じゃないかと周囲の勧めで養父になる。
ほら、救世主の父として、聖書に箔が付く?
さぁ、そんな下心があったかは知らないが、
この時代、すでに、神は体外受精の力を持っていた。
素晴らしい、と手放しで喜んでばかりはいられない。
ガブリエル…君には、
救世主の未来が見えていたはず…。
人間たちの未来を見ていたはず…。

この地上に神を下すなど、
神の嘆きを下すに等しい。

それを…なぜかと、
私は、天に問うた。
すると、
ガブリエル「それでも、私は、愛が見たい」
そんな神の使者の、
微かなメッセージが聞こえたように思います。

ECOなる、ワインな日々、

2013-09-07 | Italy-聖地巡礼の旅-
旅は続きます。
北イタリアから南下し、
舞台は古都トスカーナ。

イタリア共和国中部に位置する州で、州都はフィレンツェ。
ルネサンス最大の三巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロは、ここトスカーナ出身です。
ルネサンスを彩る巨匠たちの街フェレンツェをはじめ、ピサ、
シェーナには多くの古都があり、文化遺産や自然景観に恵まれ、

多くの観光客が訪れます。私たちも多い観光客の中にいるので、
「相席、宜しいですか?」
同じ団体ですので、食事をご一緒させて頂く事も多く、
ご家族での会話が、地獄耳でなくても聞こえてきます。
その話の内容から、
妻「失礼ですが、作家の先生でいらっしゃいますか?」
と尋ねました。もちろん、大先生ならサインでも貰おうかな、
なんて下心がありましたが、残念。先生違いでお医者様でした。
サインの代わりに、御名刺頂きました。
ワインがお好きで、昼食夕食はワインを注文、大盤振る舞い。豪邸であろう自宅には専用セラー(貯蔵庫)を構え、
ポッと、コルクを抜いて、香りを楽しむ。
そんなワインな日々を送っておられます。
そんな先生には堪らない。トスカーナワイン。
イタリアワインはフランスとほぼ互角で、生産量・海外輸出量共に一位二位を競っています。

「二位じゃダメなんですか?」
悔しいじゃないですか…あと一歩って。
そのためにも、イタリアは国を挙げて、
品質維持、管理と向上に努めています。

DOC(統制原産地呼称)と言って、
栽培から出荷までの全生産過程が規定に基づき行われ、
瓶詰前には規定審査、検査が行われ、合格したワインだけが出荷される、システムです。
徹底した管理下の許にあるワインですが、
一位を保つための努力はワインだけじゃないんです。
イタリアの世界遺産数は、ヨーロッパ一。
遺産保護のため、イタリア人皆ECOです。
車もECO、エアコンもあまり使いません。

遺産に優しい国ですね。

今年2013年6月22日、
山岳信仰の象徴と芸術文化の源泉である、
富士山も世界文化遺産に登録されました。
登録されたから…ではなく、
守りたいですね。
日本という国と、その信仰、
深く根強い、和の精神を…。