ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

影…

2013-09-20 | Italy-聖地巡礼の旅-
聖地巡礼の旅も終盤、
最終地はローマです。

天主による最後の裁きが下される時、
その瞬間を、見に行こうと思います。

ここは世界遺産、ヴァチカン市国。

世界各国から名画鑑賞や遺跡廻り、また、
巡礼、洗礼のため、多くの人が訪れます。

「ちょっと失礼、道を開けて開けて」
韓国人旅行客が日本観光客の列を横断します。
「え?」
と、横の列を見たら、インドの方でしょうか。
民族衣装のサリーを身に着けて並んでいます。
はて?この方々は、スペインの方でしょうか?
言葉から、彼らの出身地を推測します。
しっかし…、
皆さん、朝早いにも関わらず、ご苦労様です。
開門前ですが、もう数珠繋ぎ…おっと、
ここはカトリック総本山ロザリオ繋ぎ、
と、表現した方が適切かも知れません。
今からヴァチカン美術館、その奥のサン・ピエトロ大聖堂に入って、お祈りいたします。ここがカトリック教会の頂点に位置する大聖堂で、今年2013年三月コンクラーベ(教皇選挙)でフランシスコ大司教が選ばれました。ここで選挙がその選挙開催地です。
「コンクラーベ」とは、ローマ教皇の選挙の事です。
誰が相応しいか、白黒はっきりさせようじゃないか、
と、審議致します。
教皇が正式に選ばれた時、ピエトロ大聖堂の鐘が、
ごんごんとなります。それと同時に白い煙が立ち上ります。
決定の合図です。しかし、決定されなかった場合、もやもや…と黒い煙を上げます。選挙が混迷しているという証拠ですね。
今回初の、南米出身のローマ教皇という事で湧きました。
フェンシング太田雄貴選手もガッツポーズで泣いていた。
これには私…感動しました。

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御持て成しの精神と、大和魂で勝ち取った開催地決定。
今回選ばれた教皇様の出身も、ここ、
南米のパリ、ブエノスアイレスです。
さて、私たちは入館予約をしておりますので、すす…と、
館内に入れます。しかし、未予約の方、また、個人でお申し込みの方は、後三、四時間…半日は覚悟しなくてはなりません。
私にはそんな覚悟ございません。
「御先に失礼…」と、
先ほど横切った方々を全員追い越して、入館です。
団体ツアーの強みでしょうか、
オーディオガイドの効力でしょうか、
(↑団体客か否かの判断材料に使われます)
ボディチェック、チケットチェックも早く、
悠々と美術鑑賞に入れます。
世界有数の名画、イタリア三大巨匠の作品が並ぶという事で偽造チケットも出回っているそうです。よって、厳戒態勢ですが、
良心背く事、悪い事は一切合切、身に覚えがありませんので、
警備員の前を、堂々と通ります。

さて、
いっちいち細かく名画の説明をしていては、
午後からの観光に支障を来してしまうので、
三大巨匠の一人、ラファエロの間に行きましょう。
チケットのデザインにもなっていますが、

ラファエロとその弟子によって描かれた、
ラファエロの最高傑作『アテネの学堂』、
古代ギリシアの賢人が議論している場面です。

向かって右にアリストテレス。そのお隣はプラトン(ダ・ヴィンチさんをモデル)、階段下で書きものをしているのはヘラクレイスト(ミケランジェロがモデル)。最初の設定ではヘラクレイスト(ミケランジェロ)は、いなかったそうです。
しかし、同時期に生きたミケランジェロの卓説した技術、おそらく、『最後の審判』でしょう…それを目の当たりにして、敬意を込めて彼を中心に描いた、とされます。
こうした宗教絵画激戦区で、引けを取らない実力を見せたのが、
ちらり…とこちらを見ていますね。彼…ラファエロさんです。

不思議な事に、どこへ行っても、
この視線、追って来るんですよ。
絵画を見ているはずの私たちが、
彼に、見られているんですよ。
彼…私たちを見て、
何を思っているのでしょうね?
こちらから見て、その表情…、

ニヒル(影のある)ようにも、
何だか寂しそうにも見える、不思議なラファエロさんでした。


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