リニアのウラン対策についての要望書

2014-03-16 00:48:13 | 桜ヶ丘9条の会
2014年3月10日付けで、「多治見を放射能から守る会」「東濃リニアを考える会」「東濃の自然を守る・菜の花の会」の3団体が、岐阜県環境影響評価審議会に対して、ウラン対策についての要望書を提出しました。


 平成26年3月10日
岐阜県環境影響評価審査会 様   
 
                           

        「多治見を放射能から守る会」 井上敏夫
        「東濃リニアを考える会」    原 重雄
        「東濃の自然を守る・菜の花会」和田悦子

     リニア中央新幹線のウラン対策についての要望書

JR東海のリニア新幹線工事に対して、専門家からの鋭いご意見や住民の意見をくみ取って発言いただき、たいへん心強く思っています。ありがとうございます。しかし、岐阜県環境影響評価審査会の意見に対して、JR東海はウラン残土の取り扱いについて明確(具体的)な対応策を明らかにしていません。東濃鉱山では超深地層研究所がボーリングした結果、いまだにラドンガスが発生し、月吉地区で計測している現実があります。本来であれば、ウラン鉱床群を通るCルートは全面回避すべき重大な問題であると考えます。地表の土壌よりも高い濃度のウラン、トリウムを含む掘削土に対して、審査会は事業者に対して次のことをアセス図書に明記するよう勧告してください。

              記

�JR東海はまず、工事にとりかかる前にルート上の放射線量とラドン濃度、水のウラン濃度を計測してアセス図書に明記しておくこと。工事前の計測値は重要です。

�JR東海が言う「放射線量が比較的高い掘削土」とは、ウラン、トリウムが何Bq/kg以上、何Bq/kg以下の掘削土を言うのか不明です。具体的な数値をアセス図書に明記するよう求めてください。

�「掘削土を覆土することにより敷地境界における放射線量を管理値以下に低減させるとともに、遮水シートなどを用いて雨水等の侵入を防止」するとしているが、その後、その掘削土はどうするのか具体的にアセス図書に明記するよう求めてください。

�また、同掘削土の放射線量及びラドン濃度とその拡散予測・評価と浸出水及び周辺の水質のウラン、トリウム濃度の予測・評価がアセス上必要であると考えます。また、掘削土の放射線量やラドン濃度、ウラン・トリウム濃度の監視と公表、浸出水及び周辺のウラン・トリウム濃度の監視と公表を必ず実施することをアセス図書に明記するよう求めてください。

�ウランは水に溶けやすく、環境省が2004年には水質の「要監視項目」に設定しており、その指針値は公共用水域、地下水ともに0.002 mg/l以下とされている。水道法でも、2003年には「水質管理目標設定項目」にウラン及びその化合物が設定されていて、こちらも0.002mg/Lである。水道水源の集水域や上流での工事、発生土の集積、処分の可能性もあり、水質監視が必要であります。現況調査の実施、水質監視を必ず実施することをアセス図書に明記するよう求めてください。

�地表の土壌よりウラン、トリウムを多く含む発生土を見逃さないため、土質、水質のウラン、トリウム濃度の検査を定期的(少なくとも年2回)行い、公表することをアセス図書に明記するよう求めてください。

�ウラン、トリウムを地表の土壌より多く含む発生土による環境への影響についての予測・評価の結果によっては、計画の変更を含めた対応をとることをアセス図書に明記するよう求めてください。

�以上のように重要な問題について準備書段階では明らかにされていなかったので、評価書について、事業者は住民に説明を尽くし、その意見を聞き、アセスに反映すること。
予測・評価の結果によっては、計画の変更を含めた対応をとることをアセス図書に明記するようもとめてください。
                                      以 上