連日の一昼夜完読。まだ、本に夢中になれるんだわ。
ロリコン疑惑の青年文と、幼い少女更紗の出会いと15年後の再会の物語。
読み初めは西加奈子みたいな(って「サラバ!」しか読んでないけど)
浮世離れした(=マイペースすぎてやばい人)母と優しい父との幸せな子ども時代を過ごした更紗は、両親を失って伯母の家に引き取られる。
そこで苦しい目に遭い、文に救われたものの、少女誘拐事件に発展。
「事実と真実」は違うのね。
今どきの小説である。一度事件になってしまうと加害被害者ともにネットに晒し続けられるという「デジタルタトゥー」
そこいらどこにでもあるようなDV。
良かれと思う善意も何気ない正義も「そうじゃない」と説明できないもどかしさ。
「結婚って相手の点数が下がっていくシステム」言えてる(笑)
「ひとりのほうがずっと楽に生きられる。それでもやっぱりひとりは怖い。中途半端な理解と優しさでわたしをがんじがらめにする、あなたたちから自由になりたいのだ」
ヒリヒリするような内容だけど、ぐいぐい読めた。
ほぼハッピーエンドなので読後感は良い。