C.S.ルイス/作 瀬田貞二/訳 岩波少年文庫
シリーズ6作目であるが、これがナルニア国の初めの物語。
個人的には、このおはなしが、一番面白かったし、好きである。
時代は、1880年代から1890年代にかけての頃。 活躍するのは、ポリーとディゴリー。
自称魔術師のディゴリーの叔父に、魔法の指輪で異世界へ飛ばされた二人は、「世界と世界の間の林」から「ほろびの国チャーン」へ行き、邪悪な魔女ジェイディスを人間界につれてきてしまう。
そして、ポリー、ディゴリー、叔父、魔女、辻馬車の御者に馬までもが一緒に、ナルニア国創生の場に立ち会うのである。
この場面は圧巻で、ライオン(アスラン)の歌により、地面が盛り上がって、木や草や、動物たちが生まれてくる。
『ライオンと魔女』でペペンシー家の4兄妹が訪れる街灯あと野の街灯は、魔女がロンドンの街灯からむしりとってきた鉄棒から生えたもの。
そして、この魔女こそが、数世紀のちに、ナルニアを冬にした白い魔女なのである。
ポリーとディゴリーは、魔女を連れてきてしまったつぐないのため、魔法のりんごをとりに行き、それをナルニア国の守りとして、植える。
そのりんごをひとつもらって、人間界に帰って、病気のお母さんに食べさせ、その芯を植えて、成長したりんごの木から作ったのが、あの衣装ダンス、ナルニア国へと通じるタンスなのだ。
ナルニア国の最初の王は、御者とその奥さん、というのがおもしろい。
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