しいかのブックトーク

毎月読んだ本や日常の諸々を記録します。

語られなかった皇族たちの真実

2006-01-10 14:59:10 | こんな本読みました

Katrararenakatta_1   竹田恒泰 著   小学館

 女性天皇を認めるか、女系天皇はどうか、など論議されている中でのタイムリーな本である。

  昭和21年、戦争で負けた日本は、占領政策により、14宮家のうちの11宮家を臣籍降下した。  残り3宮家は、天皇の直宮である。

 竹田氏は、臣籍降下した旧皇族竹田家の生まれ。

 表紙の写真は、皇籍離脱する宮家のために開かれたお別れ会。

 さすがに、皇族の末裔だけあって、皇室の歴史に詳しい。  戦争時の皇族方の考えや行動など、とても興味深い。

 すごく面白いのは、伏見宮第19代当主邦家親王の話。  32人の子沢山で、その中で11人が成人し、それぞれ宮家を創設。皇族を一気に増やした。

 11宮家が全て邦家親王の子孫というのは、もちろんのこと、昭和天皇の皇后が、伏見宮の傍系である久邇宮の出身であることから、今上陛下以下の天皇ご一家すべてが邦家親王の子孫となる事である。

 そして、この本で、竹田氏が訴えている事は ただひとつ。 

「天皇とは男系によって継承されるものであり、男系によって継承されてきた天皇こそが『万世一系の天皇』である」という事。

 要するに、女系はだめよ、ということで、三笠宮寬仁親王も、文芸春秋2月号に女系反対論を述べているようです。

 この論議については、何もいう事はないのだけれど、感想としては私のような一般庶民からすれば、血筋にこだわる必要がそんなにあるの?と思ってしまう。

血筋にこだわっているのは、当事者の家系だけであって、その他には、何の関係もない。 生まれが純血とか貴いとか、そんな身分差別はない方がいいよ。

 天皇は、血筋正しいから尊敬するわけではなく、人間性の問題だから。

 竹田氏たちは天皇の血を引く人たちだから、「宮家は、天皇家の血のスペア」と言って、女系でなく、自分達が皇位を継ぎたいんじゃないの、とつい穿った見方をしてしまう。

 女系だとお婿さんの家系の血が混ざるというけど、男系だってお嫁さんの家系の血が混ざるんだから、フィフティフィフティだと思うけどね。