かたら(サルトリイバラ)の葉を見つけた。
草刈りをしていて、偶然見つけたのである。
故郷広島では、この葉ではさんだ餅が、春の楽しみでした。
記憶の限り、母が作った唯一のお菓子でした。
食べたいときは、山にこの葉をとりに行きました。
どこに生えているか子どもでもよく知っていました。
柏の葉の代わりが、かたらの葉だったのです。
かしわ餅と違うのは、小麦粉で作った生地であんこをはさみ
裏表にかたらの葉を巻き、最後に蒸すのでした。
横浜で、子供に作ってやろうとこの葉を探しました。
やっと鎌倉の山で見つけました。
子供達は、私が作った不格好なかたら餅を
美味しいとたくさん食べてくれました。
東京に引っ越した後に、かたら餅が食べたくなりました。
妻と一緒に奥多摩の山に探しに行きました。
やっと見つけたかたらの葉でした。
妻の作ったかたら餅は、小ぶりで上品な感じの出来でした。
これも美味しかった。
そういえば、母の作るかたら餅は、雑でした。
あんこがはみ出したのもありました。
おそらく、たくさんあんこを入れてくれたのでしょう。
草刈りの途中、誤って切ってしまった、
かたらの葉を持って帰ることにしました。
妻にかたら餅を作ってとお願いしました。
母の代わりを妻にお願いしたようで、少し恥ずかしいのです。
いやいや妻も私も同郷です。
二人にとってもお袋の味だから良いのです。
フキも一緒に持ち帰りましょう。
草刈りも楽しいのです。
草刈りをしたので、屋外の足場がつけやすくなりました。
駐車場が広くなりました。近所の人が喜んでくれました。
良いことづくめです。
かたらの葉は、ちょっとしたご褒美と思うことにしました。
かたら餅 冷たき軒に 蒸しあがる
2015年6月17日