狭いベランダに、最初は花を次に野菜をそして日よけのすだれを作ることになった。
水分補給は、風呂の残り水をいったん桶に受けたものである。生き物は日々刻々変化する。家人は見逃すまいと毎日観察を怠らない。私には、サルカニ合戦の蟹が柿の種を世話する(脅かす)姿に見えるのである。
花が咲き始めると、実を結んだか心配な様子である。このトマトはいったい誰の子なのか、はなはだ不思議なやりとりと私には映るのである。
田舎では、道路に飛び出た果物は誰が食べても文句は出ない。都会では、なぜか恥ずかしい行為となる。ベランダのトマトの所有者は決まり切っているのである。最初に食べる人(さる)のためにトマトはあるのである。
日々好日(口実)山荘かな