Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

ちりとてちん / NHK

2015-02-14 10:30:57 | Weblog

 

2007年10月から放送されていた連続テレビ小説。朝ドラ史上一番ネガティヴな性格のヒロインが、女流落語家を目指すというストーリーで、放送当時の視聴率は低迷したものの、DVD関係の売上は逆にトップクラスになったという、マニア受けした作品だ。

 

何より、渡瀬恒彦演じる草若師匠の「落語ができなくなった落語家」が、弟子たちの頑張り続ける姿に押されて、復活して高座に立つ場面は嬉し涙が止まらない。決して弟子たちに対して、直接的なアドバイスをするのではなく、ちょっとした言葉がけ、頭をなでるなどのボディランゲージでそれとなく励まし育てていくところに、理想の父親像のひとつを見せていただいたような気がした。落語家としては一流でありながら、妻を失い立ち直れず酒に溺れてしまう人としての弱さを見せながら、それでも弟子たちに慕われている絆みたいなものに、涙が誘われる。

 

貫地谷しほり演じる若狭(和田喜代美)はともかく、4人の兄弟子、草原、早々、小草若、四草のそれぞれの性格や、普段は喧嘩っ早いのに、心の奥深いところでお互いを思いやっている場面など、それこそヒロインの成長ストーリーよりも、この4人のぶつかりあいが面白いのだ。

 

クライマックスでは、常打ち小屋(いつでも落語をやっている寄席)ひぐらし亭設立のきっかけとなる、草若師匠宅での青空落語会の場面がたまらない。それまでライバルだったり、疎遠になっていた他の落語家たちが大挙訪れ、徒然亭一門に加わって、落語会に出演していくくだりや、中庭から門の外まで観客が溢れる様子にその場の楽しさが画面からストレートに伝わってくる。そして、天狗芸能の社長から「常打ち小屋ができたやないか」と青空落語会を喜ぶシーンは、厳しい言葉で草若一門を突き放しながら、自力で這い上がってくるうことを期待していた鞍馬社長(竜 雷太)の優しさが泣けてくる。

 

ドタバタもあり、喜代美の母がファンであるという設定の五木ひろしを本人役で登場させたり、落語の世界を分かりやすく説明するために劇中劇を入れたり、と脚本・演出が本当に素晴らしい。NHKの演出陣のこだわりや思いきりのよさは後日、あまちゃんの大ヒットを呼ぶことになったと思う。

 

昨年、BSで再放送され、今、NHKオンラインサイトでホームページが復活しているので、興味をもたれた方は是非チェックしていただきたい。なかなかちりとてちんのDVDを置いているレンタル店がなく、BSで途切れ途切れに再放送を録画して楽しんでいたのだが、つい最近郊外のレンタル店に全巻そろっているのを発見し、狂喜乱舞して借りまくっているのだ。

 

PS

フォローしている大友良英さん(あまちゃん音楽担当)のツイートで、今BS朝ドラ再放送枠では梅ちゃん先生が放送されているのだが、4月6日からどーやらあまちゃんの再放送が予定されているらしいことがこぼれていた。本放送すべて録画してあるけど、また見ちゃうんだろうなあ。ただの再放送なのに、なぜかワクワクしてしまうのはなぜ??