楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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夫は妻を慕わない(散歩に出て思うこと 21)

2004年03月02日 09時21分00秒 | つれづれなるままに考えること
(夫は妻を慕わない)
「妻は夫を労わりつ、夫は妻に慕いつつ...」
これは浪曲「壷坂霊験記」の出だしの部分であるが、
少なくも戦前に生まれた男性は、多分、このくだりを聞いて、
「?」という反応をするはずだ。
「妻が夫を労わり、夫が妻を慕う」なんてことは、
日本男児としては、沽券に関わるからだ。

今の時代には分からないだろうが戦前は、妻がどんなに
正しいことを言っても、男性である夫が「黒」といえば
「白いものも黒です」と納得しなければならない
そんな時代であった。

女性は夫より前を歩くなどということは無く、
いつも後ろから夫に従うという時代。

浪曲の「妻は夫を労わりつ、夫は妻に慕いつつ...」は
あり得ない事であるから、記憶に残るし、
注目を浴びる結果となる。
そこを狙っての、出だしであろうと思われる。

実際の話の筋書きは、盲目の夫が、
妻に手を引かれていく場面であるから、
特段目立つことでもないのだ。

戦前、男尊女卑の時代に育った私の母は、
終戦後の男女平等について、すごく喜んでいた記憶がある。
女性の意見が男性と同等に、取り上げられるのである。

近所のおかみさん連中を集めて、我が家で会合を開き、
男女平等の啓蒙に当たったが、受け取り側の近所の女性が
白けていた記憶が残っている。

その後何十年も経つが、終戦以前生まれの女性には、
男性優位の考え方が、いまだに残っている。
我が家は80世帯のマンション住まいであるが、
戦前生まれと思われる女性とエレベーターに乗りあわせ、
降りる段になると、男である私よりも、
先に降りる女性はいない。
こうした女性たちにレディーズ・ファーストは通用しない。

ところが、戦後生まれと明らかにわかる女性と
エレベーターに乗り合わせると、降りる段には
レディーズ・ファーストを良く心得ていらっしゃるから、
「どうぞ」というだけで、さっさと先に降りていってしまう。

ほんの少しの生まれた期間の相違で、平等と男性優位が、
はっきりしているのは面白い。

海外旅行をすると、カミさんがエレベーターを降りないので、
乗っている男性が全員立ち尽くすなどということがあって、
恥ずかしい思いをする。

今までカミさんを立てて、レディーズ・ファーストの
習慣を付けて置かなかった自分が悔やまれる。

そんな時、日本語は世界で判る人が少ないから、
「あなたが降りないと、みんな降りられないから、
先に降りて頂戴」と頼む。
カミさんは気がついて、先に降りるが、
その後を、みんなが我先に降りていく様は、
見ていて噴出しそうになることがある。





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