胸を切り裂いて8針縫って、
脇の下のリンパ節を切り取って、
傷口にテープを貼ってカミさんが退院した。
「乳がん」です。
家に一人増えるだけで、部屋の暖かさがよみがえる。
「お風呂に入ってもよろしい、
二日後には、傷口のテープを取り換えて下さい。」
そう言われて来たそうだ。
退院初日の夕食は、ボクがお釜の飯を炊いて、
おかずは、入院前のカミさんが買い置きした、
レンジで4分チンすれば出来上がる総菜で済ませた。
何のことは無い、
ご飯を除けばカミさんが入院前に用意したものだけだ。
翌日、朝昼の食事はボクが準備したが、
二人でいつもの朝食が戻ってきた。
当然、後片づけはボクの役目。
ついで洗濯、洗濯機の中に衣類を入れ、
洗剤と柔軟剤を入れて、洗濯機にお任せで、
水道の蛇口をひねって、スタートを押せば、
洗濯機は賢くて最後の脱水まで終わってくれる。
脇の下のリンパ節を採取しているから、
手が上がらないので、
洗濯ものを物干し竿に掛けるのはもボクの仕事であるが、
物干し竿が外側内側、上段と下段、都合4本あって、
衣類を干す順番が有り、合理的にすべてが一度に渇く様に並べる、
こんな事今までに考えたことが無いが、
洗濯物が乾きやすいように並べるのは当たり前のこと。
これが毎日で、今までボクは、この時間、
さっさと散歩に出かけていたので、
干す順番が有るとは知らなかった。
カミさんの指示で、干すものを順番に外側から、
内側へと高い所に干していく。
上段が終わった所で、用済みとなり、
下段は、カミさんが干すことになった。
当然洗濯物の取り込みも、ボクが全て終わらせる。
これで、朝と昼間に自分の時間がとられる。
料理はなんとか、カミさんが作って終わらせるが、
鍋から器へ乗せ換えるのに、
器が食器棚の上の方にあると、食器を取りだしたり、
食後の食器収納にボクの手が必要になる。
そのため夜のテレビ番組、「べらぼう」など
8時台の番組の冒頭がほとんど見られなく、
話がチンプンカンプンになってしまう。
お風呂にも影響が出て、
一人具合が悪くなると、
色んな所に影響が有るものです。
健康のありがたさを痛切に感じます。