散歩途中、外壁塗装工事のビルの前。歩道に三十センチほどはみ出して、足場が組んであった。
そこを盲人が白い杖をついて歩いてくるのが前方に見えた。
白い杖が工事用の足場に引っかかった。
「危ない!」と思ったが通行人は何人も見ているのに知らぬ顔。
(雨上がりに何も盲人が出てこなくとも良いのに)とそんな顔をして追い越し、通り過ぎていく。ボクはずいぶん先の方から、その盲人を見かけた。
近づいて、「工事用の足場が出来て、危ないから案内します」
盲人の左腕を抱えて、工事現場の先までボクは戻ることになった。
「この先はいつもと変わりありません」そう言って別れた。
「有難うございました」のこたえが、女性の声であった。
(杖と危ない)を気にしていたので、男女の区別を気にしていなかった。
思えば抱えた腕がずいぶん温かく柔らかであった。
二の腕なんか抱えてまずかったかな?
あとでそう思った。
そこを盲人が白い杖をついて歩いてくるのが前方に見えた。
白い杖が工事用の足場に引っかかった。
「危ない!」と思ったが通行人は何人も見ているのに知らぬ顔。
(雨上がりに何も盲人が出てこなくとも良いのに)とそんな顔をして追い越し、通り過ぎていく。ボクはずいぶん先の方から、その盲人を見かけた。
近づいて、「工事用の足場が出来て、危ないから案内します」
盲人の左腕を抱えて、工事現場の先までボクは戻ることになった。
「この先はいつもと変わりありません」そう言って別れた。
「有難うございました」のこたえが、女性の声であった。
(杖と危ない)を気にしていたので、男女の区別を気にしていなかった。
思えば抱えた腕がずいぶん温かく柔らかであった。
二の腕なんか抱えてまずかったかな?
あとでそう思った。