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Untersee-Boot

あるいは感想記として

金丸座あれこれ

2016年03月17日 | 現代狂言Ⅹ
           

金丸座では、冒頭の南原さんの挨拶が復活。
午前の回では、「皆さんご存知かもしれませんが、香川県出身の南原清隆でございます」とご挨拶(笑)。
そして、「寒いですか?我々も寒いです。笑って温まりましょう」。
金丸座は日本最古の劇場ということもあり、エアコンがないそうで。
ホント寒かったな~~。
いや、初めは、いつもホールは暖房が利きすぎてるくらいだからこれくらいがちょうどいいか、と思っていたのですが、そんな悠長なことを言ってられたのは最初だけ(笑)。
特に手足の指先が冷たくて、これには参りました(現代狂言を観て心は温まったんですけどね・・なんていう恥ずかしい話は今回は割愛・笑)。
続いては、狂言を初めて観た人は?といういつものアンケート。
9割くらいの人が手を挙げていましたが、歌舞伎を観たことあるという人は7割くらいいましたので、お芝居好きな方が多く観に来られていたようです。
それから、お馴染みの「(南原さんを)生で初めて見た人は?」という質問も(笑)。
こちらも9割くらいの人が挙手。
で、「テレビよりも・・」と続けると、お客さんから「かわいい(聞き取りずらかったので違っていたら悪しからず)」という声が(笑)。
南原さんは「自然発生的に・・」「今日のお客さんは正直な・・」と言って笑いをとってました(笑)。
それから、狂言の18の演目を歌舞伎に渡して十八番というようになった、という話。
あとはお馴染みの話・・狂言は600年前から、みどもなどの言葉のクイズ、等々をして、南原さんの挨拶は6分くらいで終了。
続いて、今回四国ツアーにセインさんに代わり出演する、野村万禄さんが南原さんに呼ばれて登場。
南原さんがはけたあと、万禄さんは狂言について色々とレクチャー。
場面転換のときは舞台の上を回って・・という話から、実際にハワイへ行くところを実演。
万禄さんは学校などを回って狂言の普及に努める活動もしているようで、この手の説明はお手の物、という感じで笑いをとってました(笑)。
あと、古典の「千切木」の説明もしていましたが、ストーリーだけではなく、南原さん演じる太郎のキャラ説明までとても丁寧にしていて、初めて観る人にも(あと、私のように何度めかの人にも・笑)とてもわかりやすくなってました。
あとは、狂言ふうの笑いをお客さんとともに実演し、万禄さんの挨拶は7分くらいで終了。

古典の「千切木」は、爆笑&爆笑。
古典でこんなに笑いが多のは初めてなんじゃないかな?というくらいの盛り上がりで、私も笑いながらもビックリでした(笑)。
客席と舞台が近く、表情も良くわかり生の声が響きまくり。
臨場感、ライブ感がッパなく、こんな雰囲気を体験できただけでも四国まで来た甲斐があったな~と、この時点でかなり大満足してしまいました(笑)。
演出は歌舞伎小屋仕様で、登場や退場の仕方も舞台の袖だったり花道を使ったりと、いろいろと工夫されてました。
全体的に盛り上がったのですが、鬼門のあの場面(笑)のちょっと前、石本君が台詞をすっ飛ばしてました(笑)。
あと、ジョニ男さんの例の場面は例外的にイマイチ笑いが少なかったです(笑)。
あ、それから、後見の人はいませんでした(弘道お兄さんが兼ねていたのかも)
終わり方も歌舞伎小屋仕様になっていてわかりやすく、大きな拍手での終演でした。
(終わり方があっけないので、公演によってはお客さんが戸惑うこともあったのですが、今回は拍手するタイミングを見誤ることはありませんでした・笑)


新作の「不思議なフシギな鳥獣茶会」も、演者の声や歌声が響き、笑いや拍手が多く大盛り上がり。
地元ネタや、森君と南原さん、万蔵さんと南原さんが客席に降りてくるという、これまた歌舞伎小屋仕様な場面もあり、またまたひと盛り上がり。
それから、南原さんの台詞や演出も少し変わっている場面もありましたし、ブラッシュアップに余念なしという感じでした。
そして、ラストはやはり涙目で観てしまいました(笑)。


カーテンコールは2回。
カテコも歌舞伎小屋仕様になっていて、初めに南原さんと万蔵さん以外のメンバーが客席に礼をして、その後南原さんと万蔵さんが花道から登場する、というふうになてました。
まずはいつも通り南原さんが挨拶をしようとしますが、客席から花束が。
二つの花束を渡された南原さんは「(一つの花束は)私が万蔵さんに渡せと」と言って、南原さんが万蔵さんに花束を一つ渡してました(笑)。
その後、初めての金丸座でどうなるかと思ったが、みなさんのご声援で・・と感謝の言葉。
それから、「セットも照明も・・」「600年前から・・」という話のあと、金丸座公演のために尽力してくださった皆さんに対しても、感謝の言葉を述べてました。
万蔵さんは、金丸座(での公演)は審査もあって難しい。金丸座は重要文化財なので・・という話のあと、私も無形文化財ですけど、と言って笑いをとってました(笑)。
そして、重要文化財だからといって飾っておくだけではなく、使ってこそのもの。歌舞伎だけではなく他の芸能も許されることになればいい。
その一発目として我々がやったが、今回のこういう笑いの多い公演実績を審査員の方も観ていらっしゃると・・・という話も。
う~む、今まで金丸座は歌舞伎以外の公演はやったことがなかったのか!?
で、歌舞伎以外で初めてやったのが現代狂言だったとは!?
気楽に笑って観てたけど、今回の公演はなんかとても重要な公演だった・・みたいですよ(笑)。
現代狂言の前に道はない、現代狂言の後ろに道が出来る・・・・。
新しいジャンルの舞台を作るということだけではなく、こうやって新たな道を切り開いていくところも、前のめりな現代狂言の面目躍如という感じで、一ファンとして嬉しいと同時に誇らしくもなりました。

恒例のサプライズでプチカオスになったりしましたが無問題(笑)。
皆が退場したあと、和田さんのもう一回の合図で演奏が始まり、南原さんがムーンウォークで登場。
南原さんは「今日はほんまありがとな」「また会いましょ」と讃岐弁で感謝の言葉。
そして、両手で手を振りながら退場。
13時30分、大きな拍手と手拍子のなか、幕を閉じた午前の部でした。


終演後小屋の外では、前の記事に書いた通り、NHKとKSBがインタビューをしてました。
ちなみにこれは、新作の中で地元ネタとして出てきたお酒「金陵」。

              

「金陵」の隣に見切れているのは、ちゃんと香川まで来ていた南原さんと万蔵さんの等身大パネルです(笑)。




午後の回は、定刻15時にスタート(午前は3分遅れの開始でした)。
南原さんの挨拶は、午後も「皆さん寒いですか?私も寒さをこらえてます」「舞台に集中すれば寒さも・・」という寒さ話から(笑)。
ちなみに、午前の回の帰り道、おばさまが「寒かったわ、あない寒いとは思わなんだ」と話していたのが聞こえてきましたので、あの寒さには皆が参ったということだと思います(笑)
それはそれとして。
恒例の「狂言を初めて見た人は?」というアンケートには、ほとんどのお客さんが手を挙げ「9割9分ですね」
南原さんを生で初めて、という質問には9割8分くらいの人が挙手。
そして、「生で見た私(南原さん)は・・」という質問をすると、客席から「美男子!」という声が(笑)。
南原さんは笑っていましたが、「よく見たら私の親戚でした」とビックリ顔の南原さんでした(笑)。
あとは、いつもの言葉クイズや、「・・・・笑ってください」という鉄板ネタ(笑)などをやって、南原さん挨拶は4分くらいで終了。

入れ替わりに万禄さんが登場し、狂言についてレクチャー。
金丸座は歌舞伎をやるための劇場で、回り舞台などの装置がついているが、今回は普段の舞台の上に所作台を作っているという話をしてました。
そういえば、舞台上だけ木の色が新しいのはなぜなんだろう?と思っていたのですが、そういうことだったのかと納得。
ちなみに、午後の部のあと小屋の外にジャージ姿の高校生らしき集団がいたのですが、この子たちはたぶん所作台をバラすのを手伝いに来ていたのだと思います(違ってたら悪しからず)。
あとは、ハワイに行く所作の実演。舞台が回らないから役者が回る。狂言で使う数少ない小道具の一つの扇は、刀になったり杯や徳利にもなる。という話や実演。
それから、「千切木」について午前の回より詳しく説明をしてました。
当屋は裕福な人で・・とか、太郎は嫌われ者で・・など、キャラ説明もより丁寧に。
そして、最後の謡の詞がどんな意味なのかも解説。
へ~そうだったんだ!?と、とっても勉強になってしまいました(笑)。
万禄さんの挨拶は、今回は少し長めで約9分くらいでした。


古典の「千切木」は、この回は大きな問題もなく・・と思っていたのですが、いつもお世話になってますサイト様のレポを拝見してビックリ(笑)。
私は間近で何を観ていたんだろうと、愕然としてしまいました(笑)。
う~む、南無三宝という感じですが(笑)、それはそれとして。
この回も拍手や笑いの多い公演でした。
ジョニ男さんの例の場面は、午前の回とは変わっていて、この回のほうが笑いが多かったように思いました(笑)。

新作の「不思議なフシギな鳥獣茶会」も、やはり笑いや拍手に包まれた公演に。
最初の楽士の方演奏でも、手拍子&拍手がおこり最初からいい雰囲気。
途中の南原さんのアレのとき(どこ?・笑)も手拍子がおこっていましたし、南原さんと平子君のアレ(どれ?・笑)でも客席から拍手。
あ、それから、南原さんの最後の台詞もこの回だけ少し変わっていてちょっとビックリ。
なぜこの回だけ違ったのか、確かに気になります(笑)。
最後はやはり涙目になってしまいました(笑)。

カーテンコールは午後も2回。
南原さんは花束を受けとったあと(この回は花束は一つだけ・笑)、不安だったけど皆さんのおかげで・・と感謝の言葉。
そして、(金丸座)はなかなか貸してもらえないが様々な方のご尽力で実現した、ということで関係者の方々にも感謝を述べてました。
万蔵さんは、金丸座は特別、重要文化財なので・・という話のあと、私と万禄も無形文化財なので、と話していましたが、南原さんは万禄さんに「この格好で?」というツッこみ(笑)。
確かにあの格好で無形文化財といっても、すぐには信じてもらえないかもしれません(笑)。
あとは、厳しい審査があったが、滑った箇所も含めて素晴らしい公演になった、と笑いながら話してました(笑)。
恒例のサプライズのあと、皆で一本締め。
出演者一同退場しますが、稲葉さんと和田さんの「もう一回」という合図で再び演奏が始まり、南原さんがムーンウォークで再登場。
「ほんまありがとう」「またみんなに会いたいわ」「嬉しゅうて嬉ししゅうて」と、讃岐弁で挨拶をし、最後はコケ芸をして退場。
17時24分、大きな拍手と手拍子が鳴り響く中、大団円で幕を閉じた金丸座公演でした。



という感じで、大いに盛り上がった金丸座。
はるばる観に来た甲斐があったな~と、大満足の一日でした。

とても素晴らしい公演でしたが、一つ気になったのは(寒さ以外で・笑)、舞台上が思いのほか暗かったということ。
たぶん、これは建設当時の作りのままで、舞台上の照明も昔ながらの提灯やろうそくだけだったので(さすがに本物の火は使ってませんでしたが)、ほの暗い感じだったのでしょう。
歌舞伎は顔を白塗りにして舞台映えするように工夫しているので、あの暗さでも気にならないのかもしれませんが、今回の狂言のようにそのままの芝居だと、全体的にちょっと暗く感じました。



それから、今回私は琴平へはかなり早く着いたので、785段の階段を登り金毘羅さんへお参りに。

              

お願いしたのは、もちろん現代狂言四国公演の成功(ホントです・笑)。

           
           (手前に擬宝珠、遥か彼方に讃岐富士・笑)

それでもまだ少し時間があったので、9時45分ごろ金丸座へ下見に行ったのですが、リハーサル中の音楽が外へ漏れ伝わってきてました。
開場直前なのにリハをやってるのか!?とちょっとビックリ。
うどんを食べ腹ごしらえをしたあと、開場の10時15分過ぎに再び金丸座へ行くと長い行列が出来ていて、係りの人から「開場は5分遅れで・・中の準備が整わないと・・」という話が。
開場を少し送らせてまでしてリハをしていた今回の金丸座公演。
そのおかげでとてもいい舞台になって何よりでありました。




内子座編へ続く・・・。



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