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Untersee-Boot

あるいは感想記として

あれこれ2019晩秋

2019年11月25日 | あれこれ
寒さが急に身に沁みるようになった、今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、先日、冷たい雨がそぼ降る中、ザ・スズナリで行われた『ザ・きょんスズ30』へ行って、大いに楽しんでまいりました。
いや~、面白かったな~(笑)。

         


ザ・スズナリは150席ほどの客席。
4列目からは急な階段状になっており、舞台が見やすくとても良い雰囲気の劇場でした。
(パイフ椅子でしたが、とても座り心地の良いクッションが置いてあり、お尻が全然痛くならないのもGod・笑)


開口一番は、柳家小太郎さんの『堀之内』。
小太郎さんは今まで何度か聴いてますが、今回も、陽気な人柄が出た噺になっていて、とても面白かったです。


そして。
いつもの出囃子に続き、♪ブルーライトヨコハマ♪の出囃子とともに登場した喬太郎師匠(笑)。
昨日は同期の会で楽しくて下北沢で飲んだので、今日は抜け殻です、ってなことも言ってましたが(笑)、日大商学部の落研時代の話や、噺家になりたての頃の話、あまりお客さんが入らなかった寄席や色々な師匠方の話、文蔵師匠や白鳥師匠が若手時代にやったここだけの話(笑)など、疲れも見せず爆笑のマクラを約25分。
30周年の会らしく思い出話が中心でしたが、普段はなかなか聞けない若手時代の話をたっぷり聞けて、これだけでラッキーという感じでした(笑)。
それから、途中、粋な姐さんの話では、「いいでしょ、こんな人と同じ世界にいるんだ」と自慢したり(笑)、この日ゲストの正楽師匠が来てくれて本当にうれしい、という話などもありつつ。
時代も変わり昔は携帯電話もなく・・という話から、『純情日記横浜篇』に。
懊悩に身もだえる喬太郎師匠に大笑い。
で、最後は・・・。
笑いながらも身につまされてしまった20分でした(笑)。


続いて、正楽師匠の紙切り。
まず最初に、喬太郎師匠がマクラで話していた東富士夫さんという曲芸師について「皆さん知ってます?」と、正楽師匠が客席に質問。
ほとんどの人が知らなかったので、どんな芸をする芸人さんだったのか、紙切りで見せてくれることに。
逆立ちをして頭に一升瓶を乗せ、両手で皿(だったかな?)を回す東富士夫さんの姿が紙切れで再現されると、客席からは「へぇ~!?」という声と大きな拍手。
文字ではその奇抜な姿は表現しづらいですが(笑)、一度生で見てみたかったな~(ちなみに、正楽師匠が切った東富士夫さんを誰がもらうか楽屋で取り合いになった、と喬太郎師匠があとで話してました・笑)。
その後は、「線香花火」や「相合傘」などお馴染みのものを切ったあと、客席からの注文。
「スズナリ」「横浜」「弟子入り」と、かなりザックリとした注文でしたが(笑)、見事に切って大きな拍手。
最後は「下北沢」と、これまた大まかな注文(笑)。
正楽師匠は「下北沢はよく知らない」ということで、注文をした小学4年生くらいの女の子二人を舞台まで呼ぶと、女の子の横顔を切って作品に。
繊細なハサミ使いで切った二人の女の子の横顔はとても似ており、客席からは大きな大きな拍手がおこってました。
鳴りやまない拍手のなか正楽師匠は退場し、ここで仲入り。


         



約15分の休憩があり。
喬太郎師匠が着物を着かえて再び登場。
正楽師匠が東富士夫さんを切ってくれて泣きそうになった、という話を少しだけして、すぐに本題に。

「純情日記港崎(みよざき)篇」がどんな噺かは割愛しますが・・・。
過去と現在を自在に行き交い、爆笑した次の瞬間にはしんみりと聴かせ、と思ったらまた爆笑。
時代も感情も瞬時に入れ替わる、喬太郎師匠の変幻自在っぷりは圧巻。
前のめりで聴き入ってしまいました。
笑いと切なさとやるせなさが交錯する世界を作る上げる喬太郎師匠に、すっかり感情を操られてしまった感じ(笑)。
この「港崎篇」だけで1時間口演をしてましたが、本当にあっという間。
これだけの時間、お客さんを釘付けにする喬太郎師匠は素晴らしいな~、と改めて。
爆笑の中に、人の切なくも哀しい性(さが)を感じつつ、万雷の拍手のなか終演。
外は相変わらず冷たい雨が降っていましたが、そんな寒さも吹き飛ぶ楽しい時間を過ごした夜でした。
(終演時間が21時40分で、時計を見てビックリしましたが・笑)


         



「ザ・きょんスズ30」のチケットをGet出来たのは、この日だけ。
演目の選り好みをしなければ、あと、2,3公演はチケットを取れたのですが、「やはり聴いたことがない噺の会がいいな~」「ゲストもこの人が・・」と思っていたら、結局こんなことに(笑)。
でも、この日に行けて、本当に良かった!!
「純情日記横浜篇」と「純情日記港崎篇」、この二つの噺はそれぞれ単独で聴いても面白いと思いますが、二席続けて聴くとその良さがより際立ちます。
こんな体験が出来るのも独演会ならでは。
改めて、素晴らしい夜でした。



あ、それから、ロピー(って言うのかな?笑)には、喬太郎師匠が一日一枚書いてる色紙が飾られてました。

         



         
          (これは初日の色紙)


喬太郎師匠は絵も達者なんだな~と、こちらも感心でした。








それから。
9月には、日本橋で行われた「COREDO落語会」へも。

           

白酒師匠は「死神」。
これだけ陽気で世話好きで太った"死神"は初めてだな~(笑)。

喬太郎師匠は「牡丹灯籠お札はがし」。
是非、聴きたいと思っていた噺だったので、念願かなって僥倖でした。
まだ暑さも残る頃でしたが、かなりゾクゾクしました(笑)。

         

なんか、ついでに書いてしまった感じですが、こちらの会もとても良かったです(笑)。




あれこれ2019夏

2019年08月26日 | あれこれ
一時の酷暑も少し和らいできた今日この頃。
この夏に行った猫カフェの写真と落語の話などをあれこれと。

        

        



8月11日は、浅草演芸ホールへ。
昼の部では納涼住吉踊りというのをやっていましたが、踊りの最後には撮影タイムが!?

        

浅草演芸ホールでも写真撮影OKというのは、時代だな~令和だな~、と感慨ひとしおでした(笑)。


夜の部では、発芽の会でお馴染みのひろ木さんのが登場。
あの朴訥として喋りのマクラから、本編は発芽の会でも口演していた「クイズの王様」。
最後のオチを客席から言われてしまうというハプニングもありましたが(笑)、何度聴いても面白かったです。


市馬師匠は「かぼちゃ屋」。
師匠の誠実で明るい人柄が出た噺になっていて、笑いながらも大感心でした。


喬太郎師匠は新作。
「同棲したい」という噺だそうで。
約16分くらいの出番でしたが、最初から最後まで爆笑爆笑また爆笑。
この噺を聴けただけで浅草まで来た甲斐があったと、大満足でした。
途中、最前列の小学生の女の子に「おもしろい?」などと話しかけたり、最後も女の子に手を振って退場したりと、(女の子に)大サービスの喬太郎師匠でした(笑)。


主任の正蔵師匠は「幾代餅」。
じっくり聴かせつつも、笑いもあり、流石という感じでした。



続いて、8月16日には鈴本演芸ホールの「夏夜噺 さん喬・権太楼特撰集」へ。

        



喬太郎師匠はマクラもそこそこに普通の出だし。
この会はずっと新作だったみたいだけど、今日は古典なのかな??と思ったのもつかの間。
「ウルトラのつる」が始まり爆笑&爆笑の20分(笑)。
喬太郎師匠は「まだ(さん喬)師匠が(楽屋に)入ってないと思って・・」と言いつつ、高座でのたうち回りながらテンション高く口演(笑)。
開口一番の柳家我太楼さんが「つる」だったので、もしかしたら・・と、ちょっと期待していたのですが、念願の「ウルトラのつる」を初めて聴けて僥倖でした。(ジャックっていう呼び名久しぶりに聞いたかも・笑)


権太楼師匠は「くしゃみ講釈」。
権太楼版は初めてでしたが、面白かったです。


さん喬師匠は「鼠穴」。
前日は、権太楼師匠が同じ噺をやったそうですが、さん喬師匠の人柄がよく出た噺になっていて、聴き入ってしまいました。




8月中席の夜の部は、鈴本演芸場と浅草演芸ホールを掛け持ちの噺家さんがとても多かったようで。
さん喬師匠に権太楼師匠、喬太郎師匠、市馬師匠、一之輔師匠。
さらに、三味線漫談の林家あずみさん、紙切りの正楽さん、曲ごまの三増紋之助さん、マジックのダーク広和さんも掛け持ち。
鈴本と浅草は地下鉄銀座線で3駅なので近いとはいえ、暑いなか皆さま本当にお疲れ様でありました。




・・・というのが、この夏の落語と猫でした(笑)。



向日葵

2019年07月22日 | ウンナンあれこれ

           

今日、7月22日は内村さんの誕生日じゃあ~りませんか。
55回目の誕生日、おめでとうございます。
これからも、健康に気をつけて頑張ってください。



あれこれ

2019年07月20日 | あれこれ
はっきりしない天気が続く今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか。
私はといえば、南原さんのライブのレポを書き上げ、ちょっと燃え尽きた感もありますが(笑)、寄席などへもちょこちょこと。

         

末廣亭の六月下席の夜の部。
お目当ては、前半の5日間だけ主任を務めていた小三治師匠。
私が行った4日目は、進行がちょっと押し気味でしたが、小三治師匠の直前のぺぺ桜井さんが超短い出演(約4分)で時間調整(笑)。
1、2曲歌っただけで8時半ピッタリに退場し、小三治師匠が登場。
ちょっと間をあけて出てきた小三治師匠も「あんなに早く降りるとは・・」と、ちょっと驚いた様子でした(笑)。
師匠いわく「今日は体調が悪いから短い噺をやろうと思ってネタ帳をみたら、短く出来そうなネタを(他の噺家が)全部やってる」。
確かに、この日は小三治師匠が演りそうな『小言念仏』や『あくび指南』をすでにやっていて、仲入り前に登場した権太楼師匠も「普通は後のことを考えて・・」「なんでやるかね」みたいなことを言ってました(笑)。
で、今日の演目は何だろう?と思っていたら、マクラもそこそこに『青菜』をたっぷり50分。
体調悪いと言ってたし大丈夫かな?と、最初のほうはちょっと心配しながら聴いてましたが、そこは人間国宝(笑)
ゆっくりと語る丁寧な描写で、お屋敷の庭の情景、草木までもが目に浮かび、これが今の小三治師匠の『青菜』なんだ~と、笑いながらも感心でした(植木屋さんの表情なども、とっても良かったな~)。
終演は21時25分。
だいぶ時間をオーバーしてましたが、たっぷり小三治師匠の落語を聴けて良かったです。





7月10日には、かめありリリオホールで行われた『特撰東西落語競演会』へ。
この、文珍師匠と喬太郎師匠の二人会は、去年に引き続き2年連続の参戦。
去年はめちゃくちゃ蒸し暑かったな~、それに比べて今年はぜんぜん涼しい。そういえば、去年もこの両さんの写真を撮ったな~、なんてことを思いつつ(笑)。

         

前座さんに続き、18時45分に登場の喬太郎師匠。
かめありリリオホールは「屈指の急斜面のホール・・」という話に始まり、マクラになる話を色々していましたが、この日は平日の夜ということもあって途中から入ってくるお客さんがちらほらと。
それを目ざとく見つけた喬太郎師匠は、舞台上からお客さんを座席まで丁寧にご案内(笑)。
その後はまた話を続ける喬太郎師匠ですが、途中から入場したお客さんが席に着かずドア付近で立っているのを見つけると、またまた席までご案内。
「客いじりする芸風じゃないけど」と言いつつ、マクラの途中で3,4回、遅れてきたお客さんを席まで誘導。
しまいには、「お座りなさいよ!」「座るまでやらないよ~」と言って、高座の上に寝っ転がり手足をバタバタさせてました(笑)。
この日は途中入場のお客さんがちょっと多く、ホールの対応もどうなんだろうという気もしましたが、喬太郎師匠の芸風じゃない客いじりと、手足バタバタで事なきを得てました(笑)。
その後は、九州へ9泊10日の落語ツアーへ行った話などがありつつ。
本編は『品川心中』。
相変わらずのお染の悪女っぷりと、その後のドタバタに大笑いでした。


         


文珍師匠は『天神山』。
初めて聴く噺でしたが、こちらも大笑い。
ちょっと季節外れではありましたが(笑)、普段はなかなか聴く機会がない上方の噺をたっぷり聴けて僥倖でした。





そして先日は、鈴本演芸場の7月中席の夜の部へ。

           


仲入り前に登場の彦いち師匠。
お名前は前々から知ってましたが、噺を聴くのは初めて。
マクラから爆笑爆笑また爆笑。
本編の新作落語も爆笑で、仲入り前にちょっと笑い疲れてしまいました(笑)。
今まで縁がなかったのがつくづく残念。これから機会があればもっと聴いてみたい噺家さんでありました。
ちなみに、この日彦いち師匠が口演したのは『つばさ』という噺のようで。
パラレルワールドは嫌いじゃないので(笑)、このへんも大笑い出来た要因だったかもしれません。



文蔵師匠の『ちはやふる』でも大笑いしたあと、お目当て登場。

         


今回は、『蔵出し喬太郎作品集』~引き出しの奥のネタ帳~という特別企画公演。
この日は『月夜の音』という演目。

         


もちろん初めて聴く噺でしたが、個性豊かな人々が織りなす会話の中に、それぞれの人生が浮かびあがる、喬太郎師匠らしい噺(この噺が誰の作なのかはわかりませんが)
爆笑と哀愁が交錯する、喬太郎ワールドという感じでした。
こんな噺を引き出しの奥にしまっておくなんてもったいない(笑)。
またいつか聴いてみたいな~。
帰り道、空を見上げてみたら曇りで、月が見えなかったのが唯一残念なことでした(笑)。
あ、それから、噺の途中には「ホント休みがない」「過労死するわ」という愚痴、いや、喬太郎師匠の心の叫びも(笑)
この日も昼は鎌倉で落語会をやってたようですし、連日本当にお忙しいみたいなので、くれぐれもお体大事にしていただきたいです。





・・・というのが、ここ最近の、私と落語でありました(笑)。



2019年07月07日 | あれこれ

         

『ナンチャンお気楽ライブ』のレポと感想記、ものすご~く長くなってしまいましたが、やっとこさ書き上げました(笑)。
ただ、完全にネタバレな内容なので、もう一つのブログのほうにパスワードつきで公開することにしました。
ネタバレOKという方だけ、ひっそりとご覧くださいませ(笑)。
パスワードは、南原さんが歌った歌のタイトル『〇〇&ホース』。
〇〇に入る動物を、アルファベット小文字で5文字。


FC2ブログ「レポ&感想記」
『ナンチャンお気楽ライブ ~質問にすべてお答えします~』
http://hinode02.blog.fc2.com/blog-entry-16.html



2019年07月04日 | あれこれ

          

南原さんのライブのレポを書いているのですが、なかなか終わりが見えてこない・・・。
けっこう書いたのに、まだホワイトボードの2行目の途中ということがわかり、ちょっと茫然(笑)。
ということで、こんな猫の写真で現実逃避をしている、今日この頃です(笑)。



2019年06月21日 | あれこれ
猫不足を解消するため猫カフェに行ったけど、寝てばかりのつれない態度に猫不足が全然解消されない今日この頃(笑)。

         



そんな中、浅草演芸ホールの6月中席は喬太郎師匠が主任だったので、ふらりと二度ほど行ってまいりました。

            


まずは、3日目の13日(木)。
喬太郎師匠は「夢の酒」。
う~む、これで4度目(かな)で、「夢の酒」率がやけに高いな~(笑)。
とはいえ、お馴染みの爆笑のマクラからの、色っぽいご新造とやきもち焼きの奥さんのかわいい仕草に爆笑だったのは変わりなし。
何度聴いても大笑いの噺でありました。
あ、それから、この日の夜の部は全員古典落語。
これはちょっと珍しいかも。
中でも、柳家やなぎさんの「転失気」、柳亭左龍さんの「長短」はどちらも大笑いでした(お二人とも二度目ですが、前回も二人はこの噺でした・笑)。


         


そして、昨日の千秋楽。
喬太郎師匠は「千秋楽は気持ちがフリーだわ」と言いつつ、あれやこれやと爆笑のマクラを約15分。
「お?「孫、帰る」なのかな?」
「まさか「夢の酒」アゲイン??」
「もしかして「仏壇叩き」をやるのか?」等々、思わせぶりなマクラのオンパレード(笑)。
何を演るのか決まっていなかったので色々なマクラを話していたのか(喋りながら二階席を含め客席をかなり丹念に見てた感じでしたし)、あるいは「気持ちがフリー」だったからなのかはわかりませんが(笑)、喬太郎師匠のマクラの総集編というような感じで、ちょっと珍しい体験でした。
で、千秋楽の演目は「ハンバーグができるまで」。
時には舞台から落ちんばかりの熱演の喬太郎師匠に爆笑(あ、そういえば、ハンバーグを食べるとき用にちゃんと扇子も用意してたので初めからこの噺に決まってたのかも・笑)
マクラが長かった分、平成最後に末廣亭で聴いた時より駆け足気味だったのはちょっと残念でしたが、笑いと切なさが交錯する世界は変わらず。
余韻にひたりながら、終演後は夜風に吹かれ気持ちよく家路につきました。



ちなみに、13日のスカイツリーのライトは通常の"雅"(と言うようで)でしたが、
         


20日は世界難民の日にあわせ、"国連ブルー"にライトアップされてました。
         



桜 その2

2019年04月09日 | あれこれ

           



2019年04月07日 | あれこれ

           



行ってきました、内子座

2019年03月27日 | ウンナンあれこれ
3月24日に愛媛県の内子座で行われた、『あんまと泥棒』の公演へ行ってきました。

              


この日一日限りの公演、『HUG』で大いに楽しませてもらった近藤さんとのお芝居、しかもそれがあの内子座で行われると聞いたら、参戦しないわけにはいきません(笑)。
出演者の息遣いや表情までも手に取るようにわかる、ライブ感抜群の素敵な小屋で、大いに楽しんで参りました。

           

今回の舞台は、最初に南原さんの落語『犬のブチ』。
続いて、近藤さんと南原さんの二人芝居『あんまと泥棒』という二部構成。

パンフレットによると『犬のブチ』は「お芝居の序章の様な新作落語を」ということで作られたとのこと。
発芽の会などでお芝居のことは知らずに聴いた時には、『死神』に着想を得た噺なのかな??と思っていたのですが(それもあるかもですが)、『あんまと泥棒』の前に聴くと、確かにこれは今回のためにつくられた話なのだと納得。
そして、二部構成の序章としても、とても良く出来た噺だな~と大感心でした。
序章でもあり、スピンオフ的な作品でもある『犬のブチ』(何故このタイトルなのかも今回納得)があることで、『あんまと泥棒』がより重層的な話になっていて、この構成を考えたプロデューサー氏や演出家に脱帽。
そして、プロデューサー氏などの要望に見事に応え『犬のブチ』を創作し口演もした南原さんは素晴らしいな~と改めて思いました(パンフレットには安請け合いして後悔したと書いてありましたが・笑)。


           


定時より1分ほど遅れて開演。
定式幕が開くと舞台上には一段高い高座が用意され、"南原清隆"のめくり。
♪金毘羅船船♪の出囃子にのせ、お馴染みの若草色の縞の着物(羽織あり)を着た南原さんが下手から登場。
「ナンチャン!」というかけ声も飛んでいて(12時の回)、最初からかなりいい雰囲気でした(笑)。
マクラでは、生で南原さんを初めて見た人は?という定番の話がありつつ。
12時の回では、前日の夜に内子に来て地酒の吹毛剣(すいもうけん)を呑んだという話(吹毛剣は現代狂言の時も地元ネタとして出てきてたな~)に続き、宮崎に行ったときに訪れたお寿司屋さんでリアクションに困った・・という話から本編へ。
15時30分の回では、「12時に初日を迎え、15時30分に千秋楽です」という話で笑いをとりつつ(笑)、あだ名の話に。
内村さんは帰省王、南原さんは黒髪王だが、実は・・・という話。
これ、発芽の会でも話してたけど、客席が微妙な感じになるのでマクラとしてはどうなんだろう?という気がしますが(笑)、とまれ、こちらもリアクションに困るという話から本編へ入っていきました。
『犬のブチ』の内容は割愛しますが、これまで聴いた噺と基本的に同じで、『あんまと泥棒』に関わるエピソードが新たに加わってました。
落語はマクラを含めて約25分(15時30分回は3分くらい短め)でした。



南原さんが出囃子とともに退場し定式幕が閉じると、場内が暗くなりピンスポだけに。
照明が消えただけではなく、二階のカーテンもサッと閉められ、小屋の中は一変して月あかりの夜の風景に。
そして、花道から近藤さんが登場して『あんまと泥棒』の始まり始まり・・・。
こちらも、内容は割愛しますが、お芝居と、素の近藤さんと南原さん(に戻ったような芝居)が入り交じった舞台は最初から大笑いの連続。
さらに、前述した通り序章としての『犬のブチ』が物語に深みを与え、笑いながらも大感心でした。
舞台と客席が近い内子座なので、ただでさえライブ感満載なのですが、あんまの南原さんは客席に「おっとっと」という感じで入っていき、お客さんとの交流も(笑)。
もちろん台本や演出通りなのだと思いますが、お客さんが相手なので、12時の回と15時30分の回では台詞や、やり取りも違いました。
でもそこは南原さん、上手いこと笑いに変えていて流石・・というか、このへんはお手の物という感じでした。

それから、今回の配役を最初に聞いた時は、二人の役は逆じゃないのかな?とも思いましたが、ずる賢くて裏表があり過ぎるあんま役の南原さんと、人の好い泥棒役の近藤さんは、それぞれはまり役だったように思います。
今回の舞台では、物語の回し役は基本的に近藤さんが担ってましたが、とても上手くて安心して観ていられました。
南原さんも自由にあんま役を出来たのではないかな?という感じ。
現代狂言や古今狂言会の新作では、南原さんが回し役&ツッこみというのが定着していますので(『ドラゴンキャッスル』では万蔵さんが回し役やってましたが、翌年は『ドラゴンキャッスル1.1』として役柄を入れ替えてますし)、南原さんが自由に振る舞える役を見れるというのは嬉しい限りでした。
もっとも、コンビならば、回し役&ツッこみの内村さんに自由にボケる南原さんという構図を普通に見ることが出来るのですが、それが新鮮に感じてしまうというのがちょっと残念・・・この話をすると長くなりそうなのでこれくらいにして(笑)。

お芝居の中では、南原さんが拍子木を一本落としてしまう場面などもありましたが、そんなのはハプニングに入らず無問題(笑)。
近藤さんと南原さんの掛け合いが続くなか、いつの間にか朝になり・・・。
爆笑と二人の絶妙なやり取りを楽しんでいるうちにあっという間に終演を迎えた、約55分の『あんまと泥棒』でした。


カーテンコールでは、今回も撮影タイムがありました。
挨拶だけではなく、お芝居の中の名場面を再現してポーズをとってくれたので、まるで観劇中のような写真も撮れてビックリ。
南原さんいわく「次回公演実現のために宣伝してください」とのことでしたので、ネタバレな写真もありますが、悪しからずご了承ください。



           

           

           

           
(ツイートでは、二人で深々と礼をして幕が閉じたとつぶやいてしまいましたが、実際には最後は二人とも手を振りながらの退場でした。失礼しました)



12時の回はカーテンコールは一回。
15時30分の回は、カーテンコールは二回でした。
近藤さんは「(内子座で公演が出来て)役者をやってて良かった」。
南原さんは15時30分の回では、公演実現のために尽力してくれた皆さんにお礼の言葉を述べ、その方々にお客さんを含め皆で拍手。
最後も大きな拍手のなか大団円で幕を閉じた『あんまと泥棒』でした。





内子座では今回の公演のチラシを手に入れることが出来ましたが、チラシとは言えないくらいとても良い紙を使っていてビックリ。

           

これはお金がかかってます(笑)。
そして、パンフレットもカラーのとても立派なものでした(見開きで全体が見えるようになってます)。

           


カテコで南原さんも言ってた通り、多くの方々のおかげでこんな立派なチラシやパンフレット、そして素晴らしい公演が実現できて、改めてありがとうございます、であります。
(終演後、内子座の楽屋口の前を通ったのですが、このとても素晴らしいフクロウの版画を制作した、石村嘉成さんが楽屋を訪れて近藤さんとお話をしているところに偶然出くわしました。石村さんは「笑い過ぎて息をするのも・・」。近藤さんは「素晴らしい絵を・・」というような話をしてました)




今回は、南原さんは落語を口演したり、お芝居の中でも台詞が多かったり大変そうではありましたが、南原さんの良さが存分に発揮されており、ファンとしてはとても満足な舞台でした。
それだけに、一日限りというのはもったいないな~。
でも、内子座という魅力的な小屋で行われる、一期一会の舞台だからこそ感じる面白さや素晴らしさもありますので・・・う~む、難しいところです。
とまれ、今回限りではなく、近藤さんと南原さんの次回公演があることを願いつつ(また内子座行くのか!?笑)。
大いに笑った90分弱。余韻に浸りながら家路についた内子座公演でした。









ここからは余談を少し。

今回も、四国へはもちろんサンライズ瀬戸で行って(帰って)きました(笑)。

           

こんな機会じゃなければなかなか乗ることもないので(3度計5回乗ってますがいずれも南原さん関連・笑)、お芝居だけではなく電車旅も十二分に堪能してきました。

           


              


瀬戸大橋からの日の出は何度見ても良いな~。

              


内子駅に着くと、SLがお出迎え。

           



そして、内子座の近くにある郷之谷川の枝垂桜がちょうど見ごろでした。

              

前回、現代狂言を観に来たのは3年前の3月13日。
その時とは10日くらいしか違わないのに、景色が一変しておりビックリでした。


それから、公演の合間には内子町の散策も。

           

町のそこここに『あんまと泥棒』のポスターが貼ってあり、内子座を町全体で盛り上げているのを実感しました(かなり小さくてわかりにくいですが・笑)。
それから、昔ながらの町並みも散策もしたりして

           

何もかもみな素晴らしい旅でした(めちゃくちゃ眠い以外は・笑)。