矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Lessons learned 書きとめ日記

2014-03-08 21:02:37 | 日記
昨日の感慨深い卒業式で、いろいろな先生がはなむけにおっしゃっていた言葉があります。

どの言葉も人生の経験からにじみ出る感じで、私にとりましてもとても勉強になりました。

すぐ忘れてしまうため、書き留めます。

医療現場は、とても複雑です。いろいろな英知を集結させて日本独自のシステムを構築すること

”常識”を大切に。(人として、どの世界でも通じる礼儀や尊敬、倫理かな)

相手に対して、常に”リスペクトする”こと

人(目の前の患者さん)を幸せにすること

素直に助言を受け入れること

キャリア人生の後半、プロフェッショナルとしてさらに進化し、磨きをかけます。

まずは目の前のabstract, papers、日本語原稿をすばやくこなします。先週は、1週間でcase report仕上げsubmission.
国際雑誌はdecisionがすばやいので、一瞬でeditorからrejectの返信。さっそく別のjournal向けにreviseして今朝re-submissionしました。

来週も、1つabstract, 1つpaper, 2つ日本語原稿、という感じでサクサク行きます。

CID 2014年3月5日号:感染症科の専門診療は、患者を救っている!

2014-03-08 15:43:13 | 感染症関連
やはり、感染症科の専門診療で、患者のアウトカムはよくなり、医療コストが節約できる、とのletterがFrance第2の規模の病院から報告あり。Clinical Infectious Diseases 2014年3月5日号

日本で、”感染管理加算”ができるようになりましたが、その内容をさらに精緻に評価する段階ですね。いわゆる”いれもの”と”形”だけの評価でなくて、診療の質の評価が必要かと思います。鑑別診断の質、推奨事項の質、これらを評価できる人材の育成も必要。さらに評価した内容を、サイエンスの力(量的、質的ともに)を駆使して解析できるアカデミアの育成も必要。

日本の数年先の課題を提供してくれたpaperに感謝。
”専門診療の質”を評価することが次の課題ですね!

Philippe Brouqui, Elisabeth Jouve, Fanny Romain, Roland Sambuc, and Didier Raoult

Are infectious disease doctors better at caring for infectious diseases than other specialists?
Clin Infect Dis. first published online March 5, 2014
doi:10.1093/cid/ciu130

9回目の卒業式 ぴかぴかの卒業生たちと一緒

2014-03-08 13:37:45 | 医学教育
早いもので、日本の大学の教員として9回目の卒業式に参列しました。毎年それぞれのドラマに感動しますが、結婚式と同様に、とても感慨深い式典です。

教員冥利につきます。

個人的にも多く、印象に残っている方々は、感染症科を回って下さった学生さんたちです。

2-4週間程度の期間、臨床でご一緒しました。また米国での臨床見学をおススメして、無事にたくましくなって帰国された方などもいらっしゃいます。
二人三脚の感じで、成長を見守らせていただけた経験は私にとっても本当に貴重です。

ああ、history, されどhistory, それでもhistoryという感じで、History and physical examinationsの重要性を強調して、理解していただき、臨床推論を実践することの大切さをお伝えしました。

このようなトレーナーとして、”成長を再現する体験”は、自分ごとじゃないので”さらに難しい”こともあります。(自分でコントロールできないため)

おそらく血のつながった自分の子の子育てしている方はいつも実感されていることなのかあ、と想像しています。(血がつながっていると”もっと難しい??のかもしれません。気合いと期待がさらに大きくなって?!)

いずれにしましても、私の成長は、身近にいる若手からチャンスをいただくことが多くなっています。伴走することがいかに難しく、やりがいがあり、楽しくもあり、いわば”泣き笑い”ですね。

手綱をひいたり、ゆるめたり?の加減のトレーニング、それは自分の忍耐力と寛容力、受容力のトレーニングですかね。

関わりがあった方は、全般的に”放っておいても期待以上、いわば”あっぱれ”のパフォーマンスの方だったなあ、と振り返ります。びっくりするほどよく準備や予習ができていました。

大切な記念写真です。