矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

週末アカデミア

2012-11-11 09:28:38 | 医学教育
昨日は、早朝から自宅を出発し、助成金をいただいたリサーチについて発表する機会がありました。

同じグループで発表した8名あまりの先生のご発表も拝見し、質的研究でいろいろな取り組みがなされていることを知りました。

もっとも興味深かったのは、自身が取り組もうとしているmixed methodsにより、sociologyの観点から
高齢者の孤立に関する5カ国比較研究をされているものでした。質的研究の基本と経過を復習できる機会にもなり、参考になりました。どの枠組み conceptual frameworkで研究をするか、などについて解釈についても以前と比べて理解できるようになったので、2年前と比べかなり進歩したと自分で思いました。

Medicineでは、biomedical researchがわかりやすいし、数字によるアピール性が強いため、偏重される傾向にはありますが、同等かそれ以上に重要なリサーチクエスチョンに対する回答は、質的研究でなければ回答できない場合もあります。

その後、来日しているティア二ー先生のレクチャに参加しました。40名ぐらいが参加していたように思いますが、学術的に勉強になる症例を2例、ディスカッションし、総合内科力の大切さを改めて感じました。

クリニカルパールが満載の症例でしたが、骨髄の中で溶血がおこるという現象を初めて学びました。
国内でのこうした会にはなるべく参加し、総合内科力を維持したいと思っています。

さらに夕方から、母校医学部の毎年恒例の関東支部同総会がありました。今年で4回目ですが、平成5年卒が3名集まり、なつかしい気持ちでした。

今日は、これから東大で、「メディカル・スクールについて」のシンポジウムで講演予定です。

様々な方がご参加のようで、急遽、主催の先生のご尽力で、黒川清先生もご登壇されます。
非常に楽しみにしています!

私は考えるより、まず行動から、と思っています。

グローバルに通用する医療者育成のためのカリキュラムを構築し、小さくても実行します。

Duke-NUSというシンガポールの医学部が20名からスタートし、50名程度に2-3年で拡大できていることを思えば、Start small, think big!

で、実行あるのみ、と思います。

ティア二ー先生のセッションで偶然にも再会した、私のTEME Teaching and Learning Medicine in Englishという英語で学ぶ医学セミナーに参加してくださった指導医の先生から、ずいぶん励ましのお言葉をいただきました。

”学ぶ機会が本当にないので、ぜひ、またやってほしい”

この言葉に切実な思いを感じ、やる気とパワーをいただきました。