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Opened Zipper

感染

2006-01-01 00:00:01 | 映画
久々に自宅で独り(と犬一匹)の時間が半日程あったので、ホラー映画を観る事にしました。
嫁さんがホラーは苦手なので、独りのときにしか観られないのです。

レコーダーに録り溜まっている映画のうち、ホラーは「稀人」と「感染」だけ。
「稀人」を見始めたのですが、あまりのヒドい内容に呆れて飛ばしまくり、それでも時間を失った感が強かったので口直しにと「感染」を観始めました。
どうか今度はハズさないでくれと願いつつ。


題名:感染 (2004年 日本)
時間:98分
監督:落合正幸
出演:
 佐藤浩市 (医師・秋葉)
 高嶋政伸 (医師・魚住)
 佐野史郎 (医師・赤井)
 南果歩 (婦長)
 星野真里 (看護婦)
 草村礼子 (老婆)
 羽田美智子 (精神科医)


■ストーリー

外科医・秋葉が勤務する病院は、経営に失敗し危機的な状況に陥っていた。
給与は支払われないため看護婦が次々に辞めて人手不足の状態。
その上薬や消耗品が底をつき始め、治療に支障をきたしていた。
救急車からの患者の収容要請にも対応できない有様。
入院患者の治療に手が回らなくなりそうだったため、ついには外来の診察を中止することを決定。

そんな状況の中、全身火傷で入院していた3号室の患者の容態が急変する。
秋葉と内科医の魚住が治療にあたり安定させたはずだったが、看護婦が塩化カルシウムと塩化カリウムを間違えて注入し、患者を死亡させてしまう。
秋葉と魚住、婦長らが謀議した結果、医療ミスを隠すことにして遺体を無人の1号室へ移動させ、部屋を加熱して死亡時刻を誤魔化すための隠蔽工作を始める。

その直後、救急車で搬入された患者を診ていた医師・赤井が、この病状を研究しようと提案する。
緑色の粘液を出しつつ全身が溶けていく状態であり、この病院とても治療できない、衛生局へ通報すべきだと主張する秋葉。
しかし赤井は「今、衛生局へ通報すれば秋葉が困るのではないか」と言い出す。
そして先程まで赤井は4号室で仮眠していたことを明かし、秋葉と魚住、婦長に対して病状研究への協力を強要する。

赤井の指示で患者の病状を観察していたが、婦長が同じ病状を発症してしまう。

■感想

最初ホラーというよりも「リアルに嫌な病院の話」に見えたので、どんな話なんだっけ? と思ってWOWOWの番組案内冊子を確認してしまいました。
しかし録画したのが1ヶ月以上前だったようで、12月号には「感染」の説明がありません。
11月号はもう捨てちゃってるしなぁ、残念。
コレ、本当にホラーなんだっけ? 医療ミスの話になってきてるし、ただのサスペンス? いやだったら録画するはずない}
4掘弔覆匹筏震笋亡兇犬弔調僂討い泙靴拭

序盤は本当にリアルに嫌な話のまま進んでいったんですが、全身が溶けていく患者が収容されてから本領発揮という感じで、どんどん違う意味の嫌な話になっていきます。
この場合の「嫌な話」とは「ホラーとして良い内容」という意味、つまりどんどん面白くなっていったということ。
隠蔽工作のために外に出られない閉塞状況、緑色の粘液と化して解けていく患者、そして老朽化した暗い病院内を移動する粘液塊。
加熱され爛れていく死体、注射器を自分に刺し続ける女、傷口を縫い続ける男、鏡に話しかけ笑い続ける老婆、そして次々に感染していく看護婦、医師。

限界ギリギリの嫌な状況に追い込むための序盤、そして医療ミスで更に手枷足枷状態で身動きできなくなり、その状況に追い込まれてから発生する感染騒動、常軌を逸していく院内。
良いなぁ、良いですよ、コレはちゃんとホラーですよ。

そしてホラーと言えばB級ってのが相場なのに、何気に妙にちゃんとした俳優陣。
大好きな佐藤浩市だし、佐野史郎もナイスだし、新人の看護婦や外科医もイカれてて良かったです。

狐面の子供がイマイチ活躍していないとか、認知症の老婆がもっと気持ち悪い雰囲気出してた方が良かったのにとか、看護婦が入った後で5号室で何が起きてたのか結局よく分からんなど不満な点もいくつかありましたが、とても楽しめるホラー映画でした。
こういうホラーって邦画じゃダメダメなんだろうなと漠然と思ってたんですが、全然そんなことは無かったですね。
序盤の嫌な状況への追い込み方かな、この部分がとても良くできているので、後の方に効いてくるって感じでした。

「稀人」の口直しがしっかりできて良かったです。
という訳で「感染」はオススメです。