畑こうじ情熱ブログ

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韓国ソウルで議員外交を行いました

2014年09月06日 16時27分24秒 | Weblog
 9月3日から5日までソウルに行ってきました。党の研修の一環です。韓国の国会を訪問して、最大野党の新政治民主連合、与党のセヌリ党とのそれぞれの議員間のディスカッション、セヌリ党の政策シンクタンクであるヨイド研究院主催の昼食会、日本研究で定評のある国民大学を訪問してのディスカッションを行いました。韓国の国会議員との面談では、やはり、従軍慰安婦問題、河野談話の見直しに係る問題等の歴史認識に関する問題について予想通りというか、予想以上に率直で厳しい意見が出ました。また、北朝鮮の拉致問題調査を契機として日本が突出して制裁緩和を行ったことに対して危惧が示されました。北朝鮮との問題は、核、人権問題等もあるのだから、韓国、米国の連携をとりつつ日本だけが突出しない形で進めてほしいというものです。今回は、率直な韓国側の空気に触れることも大きなねらいではありましたので、当方から踏み込んだ見解は述べませんでしたが、さすがに穏当な形で一言述べておくべきだと思い、私からは、「歴史認識については国によって見方が異なることが通常である。ただ、日本が韓国の植民地支配を行ったことは事実であり、ここを押さえつつ、歴史認識の共有化に向けてその場をつくるなどの方法で一歩一歩努力していくべきだ。」と冷静な形で述べておきました。また、TPP問題に絡めて米韓FTAの評価を質問しておきました。来年は日韓国交正常化50年です。政府間で関係がこじれている今こそ、この節目に向けて議員間で今の状況を解決すべく役割を果たすことの重要性について認識が一致しました。

 ヨイド研究院は50人以上の規模のシンクタンクであり、最大野党も同様の政策シンクタンクを有しており、運営予算の30%は国の補助金が充てられるとのことでした。政治主導、政党主導の政策形成には大変参考になる有意義なやり方だと思います。この昼食会で右隣になったのが、韓国の外務省の次官経験者の国会議員、左隣になったのが韓国の財務省の局長経験者の国会議員でした。日本語と英語のチャンポンで十分意思疎通ができました。韓国では、課長以上の官僚が国会議員に転身する場合が多く、若い内から政治家になるのは検事出身者が多いとのことです。ただ、官僚出身の政治家は日本ほどは多くないとのことであり、日本ほど官僚主導でもないようです。むしろ、政党間、あるいは地域基盤を踏まえた政治家同士の激しい関係があり、冷静な妥協の議論がしにくいという弊害もあるようです。

 国民大学では、李日本研究所長(国際学部教授)がさすがに専門家らしく客観的で冷静な日本及び日韓関係の分析と認識をしていました。日本と韓国の歴史和解のための新しい共同機構をつくるべきだという意見です。中身についてすぐには議論に入れないとしても、場をつくり河野談話の確認作業を行うことの確認、慰安婦問題をめぐるいざこざを解決しなければならない必要性の認識の確認から始めてはどうかというのです。この問題について私と認識が一致しました。今、問題なのは、日本、韓国お互いが極端で過激な方向に主張が進み、冷静な議論ができないところにあります。また、李所長は、「日本は今エネルギー問題、少子高齢化問題、地域の衰退の問題等様々な今日的課題に翻弄されているが、これは今後韓国を初めとした諸外国が直面する課題であり、そういう意味では、日本は課題先進国である。日本の対応に注目しているし、日本の解決の成果を我々は参考にしたい。」と言っていました。
 大邸大学の金経済学部助教授は、「TPPは、発展段階の異なるアジア諸国にとっては非常のレベルの高い自由貿易協定であり、アメリカンスタンダードを急激に押しつけるものであり、自由貿易の進め方としては、現実ではないし、適切ではない。もっと柔軟な中間段階のハーモニゼーションが適切だ。」と言っていました。また、米韓FTAについては、「95%自由化するもので、与党は副作用はないと言っているが、制度のアメリカ化を進めようというものだ。5年、10年経たない現段階で問題ないという評価をするのは時期尚早だ。」と言っていました。この点、与党議員の議論では官僚的なあいまいな答えで失望したのですが、研究者らしく率直に語ってくれたと思います。私の発言した意見と一致しました。

 外国とは直接議論することで、問題の所在も冷静にわかり、誤解も解けることも多いものです。マスコミを通すと、マスコミ受けする極端な見方に誘導されがちですが、それが当該国の大勢とも限りません。率直かつ冷静に議論することが必要です。

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