畑こうじ情熱ブログ

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国後島に行ってきました

2014年09月02日 18時51分37秒 | Weblog
 8月29日から9月1日まで北方領土の国後島に行ってきました。政府のビザなし渡航による交流事業の一環です。メンバーは、元島民、その子や孫、マスコミ関係者、政府や独立行政法人関係者、国会議員、北海道議会議員で40数名です。行ってみた感想は、子供が多いということ、生活水準はかなり良くなっていることでした。
 町には、小さいスーパーが数件あり、品数や種類は多かったです。日本のカップヌードル、焼き海苔、洗剤などもありました。子供が広場で結構遊んでおり、島民の平均年齢は34歳と若い層が多いようです。このことは、子供がいる若い世帯への家賃補助、2人目、3人目の子供がいる世帯に手当が支給されること(2人目で25万ルーブル、3人目で50万ルーブルとのことでした。ちなみに、1ルーブル=3円で、現地の所得水準を考えると結構な額です。)、3人の子供のいる世帯には土地が無償で支給されること、といった手厚い支援策があることが背景にあるようです。
 インフラは、町内は2年前に道路舗装されたとのこと(舗装延長は4㎞くらいか)です。ロシア経済の好調を反映して、新しい幼稚園や体育館も建設される予定とのことでした。2017年までに住宅も半数は新しいものに置き換えるとのことでした。ただし、町内を出ると、道路は未舗装で、砂埃が舞っています。港湾は、大型船が接岸できず、私たちの船に湾内ではしけを横付けして乗り換えて、はしけで上陸しました。
 ただ、経済が好調でインフラ整備が進んできて島民の生活に対する満足度が高まってくるのは、私たち日本人としてはジレンマがあります。日本人の島民が高齢化する中で返還運動が風化する中で、ロシアの実効支配が進み、既成事実が積み上がってくるのはまずいことです。この打開のためには、個人的には、歯舞、色丹の2島は即座の返還、あとの国後、択捉の2島は日本の主権をロシアが認めることを前提に柔軟な対応(返還時期、特区などによる柔軟な開発方式、ロシア人の居住方式)を行うということもあってもいいのではないかと思いました。いずれにしても原則を守りながら戦略的な対応が必要です。時間の経過は日本側に不利に働くことに留意しなければなりません。

 ロシア人はフレンドリーな人たちでした。ロシア人の一般家庭にホームビジットしました。お酒が入ると、うち解けてきて、歌や踊りが出てくるのは、日本人と似ています。アジアの中国と日本のメンタリティの関係が、西洋におけるドイツとロシアメンタリティの関係に似ていると彼らは言っていました。中国人やドイツ人は論理的で理屈に強いが、日本人やロシア人は情緒的で情に厚いということだそうです。カラオケが好きだと言ったら、カラオケが出てきて、歌い合いました。ロシアの歌で知っているもの(「モスクワ川の夕べ」、「百万本のバラ」)を歌ったら、受けて、他に歌えと言われたので、英語の歌でビートルズの「レット・イット・ビー」、「イエスタデー」を歌いました。カラオケは国際的な友好を結ぶいいツールです。カラオケで北方領土を制覇した気分です。「ユー・アー・ナンバーワン・カラオケ・シンガー」とほめてくれました。会話は、英語と日本語とロシア語のチャンポンですが、結構コミュニケートできました。島の雇用を維持している産業、生活環境、日本に対する思い等についても語り合いました。
 経済が好調なこともあり、プーチン大統領を評価する声が強いようです。経済が順調に行っている政権は強いという現象は、対外政策の問題を覆い隠しますね。この点は万国共通の現象かもしれません。領土問題については、かつてと変わり、強行ではありません。問題があることは認めています。「あなた方日本人の考え方は理解できる。そのような考え方はあるだろう。一方、我々ロシア人にはロシア人の考え方がある。それに、ロシア人島民も2世代、3世代を経てきた。いずれにしても交流を深めていくことが大切だ。」と言っていました。ビザなし交流が続いてきたおかげで島民の日本人に対する感情は良好でした。

 なかなか行けないところに行き、交流を深めることができました。明日からは、生活の党の研修の一環で韓国のソウルに行って、韓国の与野党の国会議員と交流、議論してきます。国会閉幕中は、議員外交も行っています。

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