これまではアクセルばかりでしたが、ブレーキも大切です。
永遠のテーマ(衛生委員会の活性策)を解決するために、たくさんの方策
(当たり前のことだけですが)を紹介してきました。
しかし、アクセルペダルを踏み続けるのは問題です。ここでブレーキを掛けます。
〇まず、安衛法第18条は、
「事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに次の事項を審議調査させ、
事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。」となっています。
衛生委員会は、事業者に対して意見・提案をする機関であるわけです。
即ち、衛生委員会の決定事項を事業者に強制できるわけではないのです。
衛生委員会の委員がどんなにいい提案と自負しても、事業者が意見具申を採用しないと判断を下せば、
それまでのことなのです。
ただし、実務的には、事業者は衛生委員会の意見・提案を尊重することになるのですが。
〇安衛法第18条の2には、
「衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を
統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者」となっています。
つまり、衛生委員会の委員は、事業者が任命することになっています。
第19条の安全衛生委員会も同様です。
ただし、事業者は、一の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で
組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合が
ないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければなりません。
(第17条の4,第18条の4,第19条の4)
〇そして、議長は、事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに
準ずる者のうちから事業者が指名した者が務めることになります。(安衛法第17条の3)
なお、「当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者」とは、
事業所長、工場長等またはそれに準ずる者をいいます。
実務的には、社内に総括安全衛生管理者がいる場合は、総括安全衛生管理者が議長として指名されます。
なお、総括安全衛生管理者は衛生管理者の資格を持っている必要はありません。
会社の規模によって総括安全衛生管理者がいない場合は、人事部長、総務部長、工場長、
支店長などが指名されます。
〇結論としては、バランスを保つことが大切のようです。