中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

同僚の前で叱責

2022年01月31日 | 情報

業務上で、精神疾患をり患する原因は、小職流の簡単分類でみると、
①長時間労働、②パワハラ、③移動・転勤、昇進昇格、の3パターンです。
今回の事案では、上述の②パワハラ、③移動・転勤が該当しています。

3つのうち、2つが重なったのですから、労災事案が惹起するのは当然の結果でしょう。
しかし、今回の事案で注目すべきは、記事中の「定年退職後、契約社員として再雇用され、携帯電話の販売」です。
定年退職後、契約社員として再雇用ですから、定年前と定年後との落差に受け入れにくい感情があったはずですし、
同じ「販売職」とはいえ、自動車の販売から携帯電話の販売に変わり、
その結果である業務上のミスが重なっています。
この事案は、企業の労務管理対策に多くの問題提起をしていると考えています。


同僚の前で叱責・ミスおこられ長時間立たされる、60歳男性自殺…「パワハラ」と遺族が提訴
2022/01/27 読売

自動車販売会社「広島トヨペット」(広島市西区)の契約社員だった男性(当時60歳)が自殺したのは、上司からのパワーハラスメントなどによる精神疾患が原因だったとして、遺族が26日、同社と上司に慰謝料などの損害賠償を求めて地裁に提訴した。遺族側は請求額を明らかにしていない。

訴状などによると、男性は1977年に入社。定年退職後、契約社員として再雇用され、携帯電話の販売などの営業を担当していたが、2019年4月に呉市の山中で自殺した。

男性は18年6月頃から、頻繁に同僚のいる前で上司から 叱責しっせき を受け続けた。在庫管理のミスをとがめられて長時間立たされ、膨大な始末書の作成を命じられるなど、長時間労働も強いられた。同僚に「自分は必要とされていない。死にたい」と漏らしたとしている。

広島中央労働基準監督署は昨年10月、「頻繁に厳しい叱責を受け、許容範囲を超える精神的攻撃があった」として労災認定した。

遺族側は「会社は精神的負担を軽減させる措置を取らなかった」と主張。男性の妹(60)はこの日、記者会見し、「忠実に会社勤めをしてきた兄がどうして自殺したのか、真実を知りたい」と訴えた。

同社は「内容を確認させていただいたうえで、 真摯しんし に対応して参ります」としている。

「上司のパワハラが原因で自殺」 遺族が損害賠償求め提訴 広島
1/27(木) テレビ新広島

広島県内の自動車販売会社で働いていた男性が自殺したのは、当時の上司からパワハラを受けていたことなどが原因だとして、26日、遺族が広島地裁に損害賠償を求めて提訴しました。

訴状などによりますと、広島県内の自動車販売会社で携帯電話の販売業務などを担当していた、胡秀義(えびす ひでよし)さん(当時60)は2019年4月、呉市にある灰ヶ峰で自殺しました。

遺族は胡さんが自殺したのは、ミスをしたことで、上司から他の従業員の前で怒鳴られたり、膨大な始末書を書かされるなどの、パワハラや長時間労働が原因だとして、26日、会社と当時の上司を相手取り、広島地裁に損害賠償を求めて提訴しました。

胡さんの自殺する直前1か月の時間外労働時間は40時間近くに上っており、去年10月、労災と認定されています。

提訴後に会見を開いた胡さんの妹・直美さんは、「兄と同じように命を絶つ方が出ないよう、しっかりを真相を明らかにする」と話しました。

自動車販売会社はTSSの取材に対し、「遺族の方にはお悔やみを申し上げます。まだ内容が届いていないので、確認したうえで対応を検討します」とコメントしています。

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