中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

「自分の能力、個性が活かせるから」

2012年07月02日 | 情報
日本生産性本部は、平成24年度新入社員を対象に実施した「働くことの意識」調査結果をとりまとめました。

日本生産性本部が発表した、主な調査結果は以下のとおりです。
●会社の選択基準は「自分の能力、個性が活かせるから」が最も多く(37.0%)、
約40年前の調査(昭和46年度)で1位だった「会社の将来性」は三年連続10%以下となった。(5頁参照)
●「この会社でずっと働きたいか」への回答は、「定年まで働きたい」が34.3%で過去最高の数値となった。
2000年(平成12年)前後は「状況次第でかわる」が大きく上回っていたが、
その後「定年まで」が増加する一方で、「状況次第でかわる」が減少という傾向にある。(4頁参照)
●就職状況で敏感に変化する項目では、「仕事中心」が「(私)生活中心」を上回る、
「人並み以上に働きたい」が「人並みで十分」を上回るなど、会社の都合を優先する、
あるいは会社に大きく貢献したいとする意識や意欲が高まっている。(2頁参照)
●「デートか残業か」では「残業」(85.6%)、「デート」(14.2%)と、
プライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が伺える。男女別に見ると、「仕事」という回答は男性82.4%に対して、
女性89.8%と女性のほうが上回っている。(7頁参照)
●キャリア教育を受けた経験は全体の50.7%にあり、男性42.2%、女性61.8%と女性優位。
学歴別で見ると、「短大卒」の75.0%を筆頭に、「四年制大学卒」59.2%、「職業高校卒」49.5%、
「普通高校卒」41.8%となった。(9頁参照)
●「キャリア教育は役立ったか」はキャリア教育経験者の79.2%が「はい」と回答している。
性別では男性75.7%、女性82.2%、学歴別でもおおむね75%から90%弱という高い数値となっている。(9頁参照)

筆者は、『会社の選択基準は「自分の能力、個性が活かせるから」が最も多く(37.0%)』に注目しました。
これが、そもそもの「ボタンの掛け違い」でしょう。企業は、新入社員に個性を求めていません。
最初は、その「企業色」に染めることを追求しますし、染まることを期待するものです。
新入社員は、「なんだよ、これ」という印象を受け、若年性うつの発症や、早期退職につながるものと推測します。

参考までに、マスコミはどう報道しているか、を紹介します。

新入社員は安定志向?「定年まで勤務」過去最多 2012.6.28 17:18 産経
日本生産性本部などが今春の新入社員を対象にしたアンケートで「就職した会社で定年まで働きたい」との回答が、
同様の質問を始めた昭和46年以降最多だった昨年(33・5%)を上回り、34・3%に上ったことが28日、分かった。
また「人並み以上に働きたいか」との質問に対しても、全体の47・7%が「働きたい」と回答しており、
過去最高の水準だった。
同本部は「若い世代の広い範囲で職に対する不安感は根強く、新入社員の安定志向が進んでいる」と分析した。
「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」との質問には、85・6%が「仕事」を選択し、
「デート」を選んだのは14・2%だった。男女別では、仕事派が男性82・4%、女性89・8%だった。
アンケートは3~4月、生産性本部などの研修に参加した企業の新入社員約2千人を対象に実施した。
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