2017年の夏の長期村がいよいよ開始されます。 今日はボランティアスタッフと、黒松内消防署の指導を受けて消防訓練と救急法・心肺蘇生のトレーニングです。 長期(自然)体験村は、たしか1998年が初回であるので第20回目の開催となります。 この開催のきっかけを整理しておくと・・・。
前の前の教育審議会の答申に遡るかなあ。 学校教育だけで子どもは成長できるかの議論があり、地域教育、社会教育のあり方がクローズアップされました。この時に初めて、「社会教育事業者」という文言が答申に載りました。 社会教育事業者って誰だ? アタシたちか・・・?? それまで、勝手に教育活動をしている存在として明確な立ち位置がなかったので、やっと日の目をみたというか、そんな時代がわずか20年ちょっと前でした。 また、子どもたちを育てるためにどのような力が必要かという論議もされて、今も通じる、やや古びたかもしれませんが、「生きる力を育む」という目標が立てられ、その「生きる力」とは何かという言葉整理の議論もいろいろとされて定義づけられました。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/pamphlet/ また、その生きる力を育むには、長期の自然体験活動は有効であるという研究もされ、ついに文部科学省が、「2週間以上の長期自然体験活動」を財政的に支援するという斬新的な施策が実行され、全国で自然体験活動指導者を養成している団体のネットワーキングにも文科省が支援しました。その経過で生まれたのが「自然体験活動推進協議会 通称CONE」です。
長期(たしか2週間以上の宿泊体験活動が条件で30箇所で実施が目標だった)に果たして応募できる民間団体があるのだろうかという疑心暗鬼もあり、受け入れ可能性のある団体に国から照会がありました。当時、NPOねおすの拠点のひとつであった黒松内ぶなの森自然学校も候補に上げられました。選定は間違いないと思われたのですが、国の支援は補助金であったせいもあり、にわか作りの地方自治体系の実施運営協議会がずいぶんと立ち上がり、たしか総計で50を越える応募があり、選定を受けるには「議員や著名人の推薦をもらった方がいい」なんてアドバイスを受けました。 当時の北海道の衆議院議員でこの地区選出は鳩山由紀夫さんであったが、氏につながるようなルートもなく、学識者にお願いした。それは北大の故辻井達一先生だったなあ。と、これも今思い出した。 なんとも辻井先生にはいろいろとお世話になっておりました。 今更ながら、ありがとうございます。合掌・・・。
まあ、政治家が絡んだら「口利き」ね。 今般、世間を賑わしている学校認可問題と根幹はいっしょみたいな話ですなあ、と今きづいた・・・。 万が一、いまになって問題になっても、文書はないので「そんな記憶はないので、言ってません」となるだろうなあ。
で、当時の文科省は予算増額し、その全てを採択したと記憶している。初年度、たしか1998年だと思うのだが、私たちは黒松内の旧作開小学校を拠点に得たばかりであり、施設は元教室のまま、宿泊利用できるように消防法だけはクリアーした施設であった。
全国各地で開催された「子ども長期自然体験村」は成功裡に終わり、翌年は予算規模も大幅拡大され、実施箇所は250にもあがり長期自然体験活動は全国的な盛り上げをみせ、それらに関わる指導者養成にも国は多大な支援策を講じて、全国から講師陣が集められ、アクティビティデザイン、プログラムディザイン、経営マネージメント、ファシリテーション、リスクマネージメントなど様々な養成講習会が開催された。この間において、全国の自然体験活動民間社会教育事業者の連携、ネットワークが相当に進み、その結果が今ある。
考えてみれば、「官民協働」のさきがけのような構図だった。 財政支援も文科省の財務局から直接、地域の長期村運営団体に支払われるというしくみであった。 実際の初年度は、事前に補助があるはずだったのに、7月末に長期村が開催され、いつまでたっても補助金が支払われず、「ほんとに支払われるのか」と心配だった。 しかし、8月の中旬だったか、「運営協議会 委員長 高木晴光」の口座に、500万だったか350万だったか、本当に直接振込みがあった。 参加費もとっていたので、当初はけっこう資金が潤沢(とまでゆかんが・・)で、許される範囲で備品装備も手にいれることができし、スタッフへの休養も民宿を使えるなど、「ふるきよき時代」であった。
初代チーフディレクター 高木晴光、 二代目 伊藤輝之、 三代目 小林峻、四代目 鈴木剛充、五代目 間村奈美子、 六代目 佐藤ふたみ 七代目 中野文華、八代目現 巽創 (複数年あり)と続いております。
しかし、補助金も徐々に(というよりも急激に)減り、文科省所轄のファンドへ補助運用が委託されてからは、申請にも補助金利用の対象・内容・報告にも、こと細々な規制・規則が加えらるようになり、現場には使いにくい補助金制度になったこともあり、私たちはもう10年ほど前からは、補助金がいっさい入らない、受益者(参加者)負担の運営を続けている。 そういった経緯もあり、全国で200箇所以上開催されていた長期(自然)体験村の開催地も減ってゆきました。 この制度を利用させて頂き、現在まで毎年継続開催しているのは、もしかすると、黒松内ぶなの森自然学校だけかもしれないなあと思っています。そういった意味からは、国の補助事業を使ってスタートして、自主運営に移した優等生かもな。(と、自画自賛)
しかし、これはなかなか収支的には厳しいものがありますが、多くのボランティアが関わるしくみを作り、食材入手には地域の農業者や漁業者の協力もあり、現在に至っています。
さあ、今日から参加者の子ども達も到着し、3週間のキャンプをスタートします。 今回はどんなドラマが起こるのか、楽しみです。
今年2018年を19回目としたのだがなあ・・。ちょっとしっかりとチェックせんといかんなあ・・。