高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

新幹線トンネル残土問題の請願陳述

2020-12-08 10:12:52 | 日記

2020.12.07

黒松内議会にて新幹線トンネル工事残土問題に対する請願の主旨陳述を「朱太川の清流を守る会」としてさせていただいた。 北海道新幹線は函館から札幌への伸長工事が始まっているが、その多くはトンネルとなる。トンネルを掘れば掘削土の置き場が問題になるわけで、基本的にはトンネルのある行政区内で処理することになっている。(一部例外はあるらしいが)黒松内町にある工区でも工事がこの夏から始まったが、本鉱掘削前の斜鉱掘削の段階、それも100mほど掘った段階で、有害物質ヒ素が基準値の4倍で検出された。 黒松内では、その残土は、傾斜がある沢地形にそのまま埋めてゆくという、もっとも手間、お金がかからない方法が取られている。

請願は、この管理方法、土砂の置き場、JR建設機構の管理期間の延長など町との協定の見直しを求めたものだ。 黒松内町を南北に流れる清流、朱太川にも近く、安定した地層から空気に触れるヒ素は、猛毒で水溶性の亜ヒ酸に化学変化し、人間に害がない量であっても、微生物やプランクトンにとっては猛毒となると知ったからだ。

町、議会としても長い期間をかけて検討をしてきて、やもう得ずの苦渋の選択の結果の残土処理なのだが、傾斜地への積み重ねるような廃土処理場は、机上計算では安全性が確認されているとは言え、実際に見れば長年の中での豪雨や地震に耐えられるのか、有害物質は川へ流失しないか、その安全性には安心できない・・・。

まして、工事は始まったばかりである。 これからより、有害物質があっても可笑しくない元、鉱山があった地帯の掘削が始まるのだ。これから基準値の何十倍、何百倍の有害物質が出てくることも十分に予想される。今、いったん立ち止まって再検討するべきである。 「想定外」という国のいい訳が次々に自然災害でなされてきた我が国である。 他町の工区ではすでにより濃厚な有害物質がすでに出ている箇所もあり、捨て置き工法を変更したりし安全性を高めている。

請願は議会で受け入れられ、審議継続をすることになった。 が、土木的、科学的知見を持って、国(JR建設機構)にいち市民団体が対抗していくことは並大抵なことではない・・。 幸いに土木知識の高い方が我が方にいるので、その方に頼って、技術的疑義質問も精度をあげてゆかねばならない。

とりあえずは、議会入口で門前払いをせずに、いったん、立ち止まっていただいた黒松内議会に敬意を表したい。

 
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