◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「獰猛な動物など、天敵だらけ」って?

2016-11-20 12:11:10 | 言葉についてあれこれ
                                ぎょえっ

 NHK「キラーストレス」第1回、「シリーズ、キラーストレス、第1回の今日は・・・」というナレーション、珍しく「第1回目」ではなく「第1回」でした。いいですね、それはいいのですが、「当時、周りには、獰猛な動物など、天敵だらけ」はもやもやします。「天敵」とは、その動物にとって一番恐ろしい特定の動物ですからね、「~など、天敵だらけ」は変ですね、一体、何が天敵? ( ̄д ̄)ダラケ!?
 画面に映ったストレスイベントチェック表に「会社を変わる」と書いてあったのも気になります。これはどこが作成したものなのか分かりませんが、A社を辞めてB社に移るという意味の「かわる」なら「替わる」です。「替わる」なのに「変わる」と書く人は多いのですが、そもそも公的な文書に「会社をかわる」だなんていけませんね。
 「キラーストレス」第2回、「間もなく、うつ病の診断を受けました」というナレーション、「うつ病の診断」というテロップ、うむぅ、何ですかねぇ、原稿を書いているのは日本人? 「間もなく、うつ病と診断されました」「うつ病との診断」でなければいけない場面でちゃんとそう書ける人、いないのですか?
 そして、「ところが、天敵がいなくなった現代・・・」というナレーションのときに出た「ところが現代-」というテロップ、まぁ随分慌てた感じですが、その後、「仕事上の様々なことや人間関係などが天敵に代わって私たちに精神的な負担をかけるようになりました」という説明がありました。だからぁ、「天敵」って何?
 「キラーストレス」なんて怖いですよ、日々、職場でストレスにさらされる者としてはとても気になりますからね、真剣に番組を見ましたよ、突然襲ってくる猛獣など、生命の危機に直面することを「天敵」と言っているのですよね。「天敵に代わって」と言うけれど、猛獣が事故や事件や災害に替わっただけで、それはいつ我が身に降りかかってくるか分からないのですよ。その人にとって一番恐ろしい特定の人だって天敵だし( ̄_ ̄)。
 NHK金沢放送局の「ニュースいしかわ845」で「女性たちが口々にするのは夏の冷え」と聞こえたときは別の“冷え”を感じました。「女性たちが口々に言うのは夏の冷え」もしくは「女性たちが口にするのは夏の冷え」でしょ。「口にする」が、「女性たち」だから「口々にする」ですか、複数形ですか? ( ̄д ̄)!
 「上陸許可が出ないで、祖父たちは・・・」は、NHKスペシャル「ドラマ 戦艦武蔵」(作・演出 岡崎栄)で女優の石原さとみが言ったセリフです。説明が要らないくらい変な日本語ですが、どういう状況かというと、船がある島にたどり着いた、でも、上陸許可が出なかったので別の島に向かった、ということです。
 「~ずに」は「~ないで」、「~ず」は「~なくて」ですよ。この違いを分かっていない人が多い、いや、多いなんてものじゃない、小倉智昭のせいで、ちゃんと使い分けられる人がほとんどいなくなってしまったのではないでしょうか、少なくとも放送業界には。正しい言い方は「上陸許可が出ず」もしくは「上陸許可が出なくて」で、セリフですから、この場合は「上陸許可が出なくて、祖父たちは・・・」ですね。「出ないで」ではありませんよ( ̄д ̄)!

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