◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「売上もご用意される方が」って?

2016-11-06 11:38:23 | 言葉についてあれこれ
                                どうだろ?

 「白熱ライブ ビビット」で見た「売上もご用意される方が増えているので(ここで改行して)増えています」というテロップ、お遍路について話をしているのですが、これ、どういう意味だと思いますか? 考えてみてください・・・って、ノーヒントでは難しいですね、後ろの「増えています」は、何が増えているかというと「売上」です。
 分かりましたか? 最初の「売上も」は後ろの「増えています」に続くわけで、「ご用意される」は、何を用意するかというと、巡礼用品です。話し手は「売上もね、(巡礼用品を)ご用意される方が増えているので、増えています」と言っていて、要は、巡礼用品の売上が増えているというわけです。
 「売上も (巡礼用品を)用意される方が増えているので 増えています」と書いてくれれば分かりやすいのですが、最初からずっと画面を見ていれば「(巡礼用品を)」はなくても分かります。「売上も 用意される方が増えているので 増えています」ですが、ポイントは「売上も」と「用意される方が」の間に空白を入れることです。簡単ですよね、なぜこんな簡単なことができないのでしょうか( ̄д ̄)!
 私は、話の流れは理解していましたが、画面はちらちらと見る程度で、たまたま「売上もご用意される方が増えているので」というテロップをまともに見てしまい、ちょっと混乱しました。「モーガン・フリーマン 時空を超えて」の「この世界は『現実』なのか 感覚は欺かれる」でラーズ・ローゼンブラム(大学教授)が「視覚による情報の方が強くて聴覚の情報を打ち消してしまう」と言っていましたが、まさにそうです。だからテロップをいいかげんに書かれると困るのですよ。
 どういう番組で見たかは忘れましたが、「なかなか情報がつかめましたね」というテロップも見たことがあります。「なかなか」には「情報がつかめませんね」と続くもので、「つかめましたね」では日本語として成立しません。こういうのを見ると、脳がちょっと混乱していらいらします( ̄д ̄)!
 話し手は「なかなか・・・・・情報がつかめましたね」と言って、話の流れから、いい情報がつかめたというのは何となく分かりますが、テロップは「いい」を補って「なかなかいい情報がつかめましたね」と書くか、「いい」を補わないのなら「なかなか」と「情報がつかめましたね」の間に空白を入れるか、改行するか、いっそのこと「なかなか」を省いて「情報がつかめましたね」だけにするか、でしょ!
 「○○が新譜! しかも配信、通販なし」は一般の人が書いた文章のようなのですが、どういう意味に受け取りますか? これも考えてみてください・・・っと、ヒントね、ヒント。○○(ミュージシャン)が久しぶりに新譜(CD)を出したという話です。「配信」は、いわゆる音楽配信というものですね。CDを出した? 配信?
 私は、最初にこれを見たとき、新譜は配信のみで、CDを店頭で売るとか、通販で売るとか、そういうのはない、ネットの時代だねぇ~という意味に受け取りました。でも、全く逆でした。○○が新譜(CD)を出したけれど、店頭販売に限定していて、インターネットによる配信も通販もない、という話です。
 それを簡潔に表すなら、「○○が新譜! しかも配信・通販なし」とか、「○○が新譜! しかも、配信も通販もなし」とか、「○○が新譜! しかも店頭販売のみ」とか、「○○が新譜! 店頭販売のみ、配信・通販なし」とか、「○○が新譜! 店頭販売のみだ、急げ!」とか、「○○が新譜! CDを買いに走れ!」とか、いろいろあるよ(⌒・⌒)。

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