◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「家族のほうとお話をしまして」って?

2012-05-30 18:44:38 | 言葉についてあれこれ
                             守ってあげる

 芸能人の多くは、自分の話している日本語が正しいかどうかなんて気にしておらず、一般の人に悪影響を及ぼしている、これは間違いないことです。また、その言動が社会に及ぼす影響の大きさからすると、言葉だけではなく、いろいろなことに一般の人より何倍も気をつけないといけないわけで、そこを分かっていない芸能人が多すぎます。
 長年、国民年金保険料を払っていないのに払っているように確定申告していた女優がいましたね。それだけでも問題なのに、年金加入促進の広報をやっていたために大問題になりました。交通違反を繰り返して免停になったタレントも車のCMに出ていましたが、職業運転手でもないのに免停なんてよっぽどですよ、自覚が足りません。芸人Koは推定年収5000万円で母親が生活保護、芸人Kaは、母親にマンションを買ってあげても、母親の生活費は生活保護ですか。資産があってももらえるものなの?
 二人とも、不安定だの保証がないだの言い訳をしていますが、保証がないのはみんな同じ、あるのは役人ぐらいでしょ。なにしろ、役人は、民間の企業なら一発で解雇になりそうな事件を起こしてもクビになりませんから。結局、不正受給だとは認めていませんね。でも、十分な生活費を出せる高収入の息子がいるのに生活保護費をもらい続ける、それを「不正受給」と言うのでは?
 はい、前置きはここまで。NHKのニュース番組で見たのですが、芸人Koが「家族のほうとお話をしまして」と言ったのでゾクッとしました。「家族のほう」ってだれ? 話を聞いていて、芸人Koの言う「家族」に母親は入っていないようだと思いましたけどね。私はこの「~のほう」が大嫌い。なぜかというと、口先だけの人の特徴的な話し方だから。さらに、「お話」って? 考え方も言葉も幼稚です( ̄ ̄)。
 識者がコメントしている場面で出た「支給されるはずの人が」というテロップ、このとき、話し手は「受給されるはずの人が」と言ったのですが、微妙ですね。この「受給される」はお手軽敬語ですが、入力作業者は受身の「される」だと理解し、「受給」を「支給」に変えたようです。さらに、「尻すぼみになる可能性」というテロップ、このとき、話し手は「尻込みする可能性」と言ったのですよ。
 以前から不正受給が問題視されてはいたけれど、まだまだ緩いところがあった。でも、今回発覚したのが売れっ子芸人であったために騒ぎになった。それで、生活保護で救われるべき状況なのにどうせ駄目だろうと思って申請をあきらめる人が増えたらそれはそれで問題だという話です。つまり、「尻込みする可能性」があるということであり、「尻すぼみになる可能性」ではないのですが、なぜこんなテロップが出るの?
 話し手が話した言葉を文章化するという作業には、言葉を聞き取る力、内容を理解する力、言葉を組み立てる力、最低限これらが必要です。言葉を聞き取るには言葉をたくさん知らないといけませんし、内容を理解するには基礎知識がないといけません。さらに、素早く入力する力、正しい表記を選択する力も必要です。決して簡単なことではありませんから、そういう人材を探すか育成するかしないと~。NHKには他局の何倍も気をつけてほしいなぁ~( ̄_ ̄)。
 必要なのか、必要ないのか、適正か、不正か、それを明らかにするために必要な調査を実施する、こんなの当たり前のことだと思ったら、これが当たり前ではない。調査したくてもできないので本人や家族の申告で判断するしかないようです。でも、世の中、正直者ばかりではありませんからね( ̄ ̄)。放送業界は、必要なチェックをしているのか? 誤りをなくそうと努力しているのか? 世の中、誤りを誤りだと認識できる人ばかりではありませんからね( ̄~ ̄)ウンムゥ。
コメント (2)
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