◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「お会いしたことはあるんですか」って?

2012-05-16 19:01:01 | めちゃくちゃな敬語
                                  王様のおやつ

 「お求めやすい価格です」「お申し込みできます」「ご利用できます」などは、放送、特にCMではすっかり定着しているように感じます。もう何を言っても無駄なのでしょうけれど、CM制作会社の人たちに聞いてみたい。それが誤った言い方であることを知っているのか知らないのか。どっちにしろ、何度も繰り返すCMですから、誤りを広め続けていることに気づかないこと自体が罪ですが。
 違法薬物や恐喝などの犯罪で複数回逮捕され、アルコールともすっぱり縁を切ったらいいのではないかと思うのに、ウイスキーのCMに出る俳優、息子が酒に酔って暴力事件を起こしているのにビールのCMに出ていた俳優、車のCMに出ているのに交通違反を繰り返して免停になったタレント、そして、それを問題ないと言う制作会社や企業の人たち。芸能界、放送業界というのは何ともいいかげんな世界です。
 羽鳥慎一をはじめとして多くのアナウンサーが、いや、もう一般の人もそうですが、「ご用意していただいて」という言い方を誤りだと認識せずに平気でしています。NHKだって同じですよ。「今日、お話ししてくださいますのは」と言ったのは「日曜美術館」の司会者である森田アナ(部長級のアナウンサー)ですからね。
 「本日はこのかたにお越しいただきました」のように、「お越し」だけ取り出すと何か足りない感じがするときは「お越しいただく」でひとまとまりになり、「お越し」と「いただく」の間に余計な「して」は入らないのですが、これが「ご用意~」「ご紹介~」「ご案内~」のときは「いただく」の前に「して」が入ってしまうわけです。もちろん「ご用意いただく」であって、「して」は入らないものなのですが、アナウンサーなのに敬語の基本を知らないってどういうこと?
 しかも、この「お越しいただく」すら、羽鳥慎一は「○さん、△さん、お二人がお越しいただきました」だし、「やじうまテレビ!」のアナウンサーは「すてきなゲストがお越しいただいております」だし、「王様のブランチ」の谷原さんも「スタジオにすてきなゲストがお越しいただきました」だし、「今日にふさわしいゲストをお越しいただきました」なんて言った( ̄д ̄)ダラケ!までいます。
 本来は「お求めになりやすい価格です」「お申し込みになれます」「ご利用になれます」「ご用意いただいて」「お話しくださいますのは」「○さんにお越しいただきました」ですが、最近はめったに聞きません。先日、石川テレビの情報番組「リフレッシュ」で司会の女性が「ご応募いただいて」「○さんにお越しいただいております」と言うのを聞いて驚きました。合ってる! 合っていることにびっくりするくらい、ちゃんと「ご(お)~いただく」と言える人が少ないということです。ちなみに、この人は、アナウンサーではなく、ローカルタレントです。
 ところで、欽ちゃんにはがっかりしました。それで今日のこの記事を書こうと思ったのですが、あの人気番組で、受賞者に向かって「頂いてください」と何度も言いましたね。幾らあのキャラクターでも、「頂いてください」はないでしょ、せめて「受け取ってください」と言ってほしい。
 それから、「ケータイ大喜利」に出てきた、NHK福岡放送局、入局5年目の女子アナさん、敬語をちゃんと勉強してください。「◇さんに、○さんと△さんはお会いしたことないと思うんですけど」だなんて、そんなことでは後輩の指導なんかできませんよ。◇さんは新人芸人、○さんと△さんはすでに芸人として成功している人ですからね。
 羽鳥慎一は敬語の基本を知らないようで、やはりゲストの○さんに向かって「◇さんにお会いしたことはあるんですか」と聞いたりなんかするのですから本当に( ̄д ̄)ダラケ!ですが、この人、人気だけはありますからね、影響を受けている人は大勢いると思います。そんな( ̄д ̄)ダラケ!の影響なんか受けないで、ゲストへの質問なら「お会いになったこと」ですよ。
コメント (4)
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