◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「そんな警戒されずに、どうぞ」って?

2010-02-17 20:25:03 | 気になる言葉、具体例
                                   大丈夫だよぉ
 たしか・・・これからゲストにインタビューというところだったと記憶しているのですが、インタビュアーは部屋の中にいて、そこへゲストがドアを開けて入ってくるという場面、ゲストは、ドアを開けたのですが、なぜか部屋に入ってこない。そして、中の様子をうかがうゲストに対して発した言葉が「そんな警戒されずに、どうぞ」です。
 記者会見の場で、ある政治家に向かって質問する記者が言ったのは、「当初、断られてきましたが」です。何を断ったかというと、会見です。その政治家は、会見を申し入れてもこれまで断ってきた、それが今回は応じた、なぜなんだという疑問があって「当初、断られてきましたが」と言ったというわけです。
 タレントがバレンタインデーの思い出について質問され、パティシエにわざと下手に作ってもらったチョコを手作りだと偽って好きな男性に渡したという話を披露したときに言ったのが「そんなことはできないとパティシエが断られたんですけど」です。「パティシエに断られた」ではなく「パティシエが断られた」でした。
 さて、「警戒されずに」と「断られた」ですが、受身表現か、尊敬表現か、聞いた瞬間にぱっと思うのはどちらでしょうか。私はまず受身表現に聞こえ、それだとおかしなことになるなぁ、ということは尊敬表現か・・・( ̄д ̄)! という具合です。「警戒されずに」「断られた」が尊敬表現だなんてちょっと無理がありますよ。
 なぜ「警戒なさらずに、どうぞ」と言えないの? テレビに出てしゃべるのが仕事でしょ? なぜ「当初は断ってらっしゃいましたが」と言えないの? 偉い(本当に偉いかどうかは別にして、少なくともずーっと年上の)政治家に向かって質問する機会のある記者なら敬語ぐらいもうちょっと何とかしてもいいのでは?
 タレントはタレントでも本職は別にある、そこそこ教養のある人なのに、なぜ「そんなことはできないとパティシエに断られたんですけど」と言えないの? 無理に敬語にするより、「パティシエに断られた」のほうがずっと自然な言い方ですよ。どうしてもというなら「お断りになった」ですが、「そんなことはできないとパティシエはお断りになったんですけど」です。「パティシエが」ではなく「パティシエは」です。とにかく「パティシエが断られた」は非常に気持ち悪いですよ~~~。( ̄ ̄)ウゲッ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする