◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「稀有」、読めますか?

2007-03-15 11:44:32 | 気になる言葉、具体例
                稀有な場面です
 お昼の報道っぽいバラエティ番組で、例の「マルチ」と「マルチまがい」の区別もしていないアナウンサーが、「レアなケース」と言おうとして「けあなれい」と言いました。私もすぐには分からず、「ケアな例」って何だろうなぁと考えました。言った本人も、今のは何だかおかしかったなぁと思ったようで、何とか言い直そうともがいていましたが、すぐには言い直せなくて、それでもやっと「レアな・・・ね」とだけ、ぼそっと言いました。こういう「あつはなつい」みたいな言い間違いはだれでもやっちゃいますが、言い直すのは案外難しいですね。
 これを見ていて、「けあなれい」から、「稀有(けう)な例」でも正解だったなぁ、惜しいなぁと思ったので、「稀有」について考えてみました。「けう」、読めましたか? 「希有」は常用漢字の音訓外、「稀有」は常用漢字外、したがって「けう」と表記することになるのですが、「けうな例」なんてピンと来ませんよね、やはり「稀有な例」のほうが分かりやすいと思います。めったにない、とても珍しいという意味ですが、「希」「稀」と書いて「まれ」と読みますから、まれにある、「稀有」ですね。何でも平仮名にすればいいというものでもありません。「けう」と「稀有」とでは情報量が全く違うのですから。
 でも、「希に」「稀に」と書いてあるのを迷わず「まれに」と読めますか? 私は、「まれにみる」は「まれに見る」と表記します。「まれに」を使うこと自体が減り、「希に」「稀に」と書いてあるものに出くわすとちょっと考えてしまうからです。「稀有」はすぐ読めますよ、だから「稀有」のままでいいと思うのですが、「稀有な例」と言うより「レアなケース」と言うことのほうが現実に多いですよね。そのうち「稀有」も見かけることがなくなるでしょうから、みんな読めなくなったらそのときは「けう」でしょうか。ちなみに、全くないということを言い表すのは「毛ほどもない」です。まあ、使うことも聞くことも稀有ですが。
 写真は、とても仲のいい3兄弟です。
コメント
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