◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

マニュアル敬語とは何ぞや。

2007-03-04 11:02:06 | めちゃくちゃな敬語
                安心、安心
 3月1日放送の「クローズアップ現代」で出てきた「マニュアル敬語」ですが、その発生について言及したところが面白かったのでご紹介します。
 そもそもなぜマニュアル敬語が出てきたかというと、企業側がそういうマニュアルを作って従業員を指導し使わせたというのではなく、アルバイト店員が勝手に使い始め、それが広まってしまった、企業の担当者としては、自社の店舗でそういう言葉が使われているとは思っていなかった、ということなのです。これには、やっぱりなぁと思うと同時に、あきれました。これまで担当者がいかに言葉遣いに注意を払ってこなかったかということが証明されたわけです。
 でも、そうなると、疑問も感じますね。自然発生して広まった言葉遣いであって、決してマニュアルではないのに、なぜ「マニュアル敬語」なのか。確かに、まるでそれがマニュアルに書いてあるかのようにみんなが同じ口調で接客し、こちらはそれに慣らされてきましたが、マニュアルはマニュアルでも、企業が用意したものではなく、店員が‘店員の顔’になるために自ら用意したマニュアルなのでしょう。マニュアルがあれば安心、よかろうが悪かろうがみんな同じなら安心、つまり、自己防衛本能が作り出したマニュアルと言えるのではないでしょうか。
 「よろしかったでしょうか」については、以前、ことばおじさんが方言から来ているかもしれないとおっしゃっていたように記憶していますが、今回とても面白い説が出てきました。まず外資系企業のマニュアルがあって、Could you~、Would you~という丁寧な言い方 → 過去形は丁寧 → よろしかったでしょうか、つまり、翻訳の過程でこうなったということなのです。ほぉ~、そうかい、座布団2枚持っといで。もしこれが本当だとすると、そのとき翻訳にかかわったのはだれなんだ? 責任者出てこい! ということになりますが・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする