熟年の文化徒然雑記帳

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IMF、20年世界成長見通しをマイナス4.9%に下方修正 

2020年06月25日 | 政治・経済・社会
   IMFが、先に発表した2020~21年の経済予測を、コロナの影響が深刻だとして、4月の予測を下方修正した。
   新型コロナウイルスのパンデミックが経済活動にもたらした打撃が当初の予想以上に幅広く深刻だとの言うことで、2020年の世界経済成長率見通しを、4月時点のマイナス3%からマイナス4.9%と下方修正したのである。
   更に、21年の成長率見通しについても、4月時点のプラス5.8%から、プラス5.4%に引き下げ、同年に新型コロナ感染が再拡大すれば成長率はプラス0.5%にとどまる可能性があるとしている。
   

  IMFは、今回の経済危機は、大恐慌以来最悪の景気低迷だと警告していたが、予測を下方修正したのは、ソーシャルディスタンスなどの安全対策による需要への打撃が続いていることに加え、ロックダウンによる供給ショックが予想以上に大きかったことを反映しているとして、新型コロナの流行を抑制できていない国では、ロックダウンや移動制限など経済活動抑制の長期化が、更に成長を阻害することになると指摘する。
   現実にも、中国を除いたBRICSなど新興国のパンデミックは、更に進行中であり、アフリカなど貧困状態にある発展途上国の悪化状態などこれからと言った状態で、ワクチンや治療薬の出現まで、グローバルベースでは、気を抜けない。

   さて、先進国の経済悪化は、ヨーロッパが最悪で、イタリアとスペインが筆頭で、マイナス12.8%、フランスもマイナス12.5%、ドイツのマイナス7.8%で底上げされてはいるが、E`Uではマイナス10.2%で、アメリカのマイナス8.0%、日本のマイナス5.8%より悪く、益々ヨーロッパの没落を加速する。
   IMFの表を記載すると、次の通り。
   2021年度は、プラスになっているが、2020年からの成長率なので、2019年度の水準に回復するためには、更に、何年もかかり、正常に戻るかどうかさえ怪しい。
   

   2020年と2021年を合算したグローバルGDPのロスは、先の予測9兆ドルから、12兆ドルに達しており、その傷は深く、更に、悪いことには、
   先進国も新興国も途上国も、公的債務Public debtは、歴史上、そのGDP比が最高となって、一気に経済再興のハードルを引き上げる。
   IMFは、無駄な支出の削減、税ベースの拡大、税逃れの最小化、税の更なる累進などによる中期的な健全な財政フレイムワークの構築の必要性を説いているのだが、最も、健全かつ有効なはずの経済成長には触れていない。経済成長など、望み得ないと言うことであろうか。
   
   

   IMFレポートの結びは、
   このコロナ危機が、新しいグリーンおよびデジタル・テクノロジーと更に広範な社会的なセイフティ・ネットへの投資によって、もっと生産的で、持続可能な、公平な成長へのシフトを加速する機会を生む。グローバルな協力が、真にグローバルな危機に対処するためにこれまで以上に重要である。多国間ベースの貿易システムを改善することによって、貿易やテクノロジーの緊張関係を解決するために、あらゆる努力をしなければならない。IMFは、・・・
   と言うのだが、米中対立が、新冷戦時代に突入したと言われており、世界が、Gゼロで分断状態になっており、国際機関が機能不全になりつつある今日、そんな理想は望み薄であり、果たして、明るいグローバル世界を、どうして展望すれば良いのか、予断を許さないと言うところであろう。
   いずれにしろ、IMFの予測も、他の経済予測のように当たるはずがないのであろうが、極単に、経済が悪化していることは事実であり、我々個人も、心して、新ノーマル状態の生活スタイルを築いて生きなければならないと言うことであろう。
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