人は死して名を残す・・「豹死留皮、人死留名」という古事の言葉が頭をよぎりました。誰かが死んだわけではありません。昨日の事、バレエ公演を観てからのことです。
バレエの趣味は全くなかったのです。というより生まれて初めて生でバレエのステージを観たのでした。【松本ナツ子モダンバレエ研究所】創立50周年記念リサイタル のチケットが2枚、人づてに我が家にやってきて(定価は結構するものですがタダでいただいたのです)奥さんと観に行ったのでした。
松本ナツ子さんの背景もなにも知りません。場所が”郵便貯金ホール”というのが私の目に止まったのがそこに行くことになった最初の要因です。じつは私は大学生時代マンドリンクラブで音楽をやっていたのです。今から30年近く前私は何度か”郵便貯金ホール”で演奏会のステージに立ったことがあったのでした。そして今”郵便貯金ホール”が廃止取り壊しという危機に瀕していることを聞き及んでいてその”郵便貯金ホール”に行ってみたいと思ったのでした。
私のことはまた別途お話することとして、会場に開場時間前に現地に到着したのに長蛇の列でした。そこでまずビックリ『えっ!?いったいこれは何??』(あくまで私はなにも知らない素人です)時間になって会場に入って超満席で立ち見客まででているのにまたビックリ!『こっ、、これは・・大変な公演会に来たのに違いない・・』
リサイタルの内容はクラッシクバレエあり、幼いお弟子さんたちのお遊戯会あり、創作バレエの発表ありと様々なものでした。そのなかで脈々と一貫して流れているもの・・・
それは創始者ナッチャン先生の意思とお弟子さん達のナッチャン先生に対する愛でした。50年前に自分のバレエ研究所を立ち上げてこれだけたくさんの人達に愛されてそれが脈々として続いている、またそれを引き継ぐ人達がさらに発展させようと続いている・・・そのことに感動を覚えました。
ステージでとりわけ目立ったのは息子さんの舞踊でした。また70歳代になるナッチャン先生自身のおちゃめな演技もほほえましいものでした。この方は多くの人を楽しい世界に誘える人なのでしょう。目頭が何度もウルウルとなる公演でした。
そこで最初の古事に戻ります。
私は自分のやっていることは自分一代限りのものだと思っていました。
”名を残す”ということは全く考えていません。
ただその人に触れて癒された人が
”それ”を伝えたいと思うならそれを拒むことはないのではないか・・・
これからの研究課題です。