日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

前後期高齢者の政治家に、若い人達が共感できる政治ができるのかな?

2020-09-15 17:51:23 | 徒然

昨日、自民党の総裁選が行われた。
結果は、ご存じの通り菅さんが圧勝した。
メディアの下馬評で人気が高かったはずの石破さんは、思ったほど票を獲得することができずに終わった。
この獲得票が、今の自民党内における石破さんの評価、ということなのかもしれない。

そして今日から新内閣発足の為の動きが始まった。
党四役の顔ぶれを見て「ウ~~~、この方たちで、若い世代に人たちが必要としている政治ができるのかな?」と、思ってしまったのだ。
中日新聞:自民、党四役人事を正式決定

この人事は、あくまでも自民党の役員ということになるので、内閣の各大臣ではないから直接私たちの生活に関わる政治家ではない、ということになるのかもしれないのだが、自民党という党内での発言力の強さから考えれば、政策決定などには直接かかわらなくても、何等かの影響を与える人達だと考えても良いと思う。
そして先進諸国に比べて、随分高齢者の集団なのでは?という、気がしたのだ。
四役の中で一番若い下村政調会長が66歳。
今回の総裁選で、いち早く菅さん支持を表明した二階さんに至っては、80歳を超える年齢だ。

今大統領選で話題になっている、米国のこれまでの最高年齢の大統領は、現大統領のトランプ氏は74歳だ。
大統領に就任した時の年齢が、70歳だった、ということになる。
その年齢を上回るとして話題になっているのが、民主党のバイデン候補で77歳だ。
バイデン氏は確かに高齢だが、副大統領候補のカマラ・ハリス氏は55歳で、若い世代の意見などを取り入れやすい陣営を組んでいるようだ。
日本のように、高齢男性が党の主要ポストについて、国会運営をするというのは先進諸国の中でも珍しくなりつつあるのでは?という気がするのだ。

高齢者だから悪いというわけではなく、台湾のIT担当をされているオードリー・タン氏のような若い人く、実力がある人材を積極的に登用するのであれば、若い世代の意見なども取り入れられやすいと思うのだが、今日の夜遅く撮影されるであろう写真撮影は、「前期・後期高齢者」と思われる、国会議員さん達の集合写真になってしまうのでは?という、気がしているだけなのだ。
中には、若い女性もいるかもしれないが、これまで登用されてきた女性議員の姿を見る限りでは、「女性議員を登用しました(=ジェンダーギャップ解消に向けた第一歩)」というような態を取っているだけで、大臣としての活躍をどれだけ期待しているのか、疑問な方が多かった気がする。

日本の社会が「高齢者社会」になりつつあるのだから、国会議員も高齢者が増えてくるのは、当然なのかもしれない。
だが、それでは政治という場で、自由闊達な議論は無理なのでは?
まして、日本の将来を託す若者たちに渡していきたい社会を、政治を通してつくっていく、ということは難しいような気がするのだ。

もちろん、若ければ良いとは言わない。
若い人たちにとって、希望が持てる政治をするためには、年齢も性別も多様性に富んだ内閣にする必要があるのでは?ということなのだ。
少なくとも、昭和の頃から政治の世界に入り、今だに自分が当選した頃の政治を続けようとしているのであれば、それは今の日本社会と大きなズレが起き、人の気持ちに響かない、将来的希望が持てない政治となってしまうのではないだろうか?ということなだけなのだ。


日本で女性政治家が育たないのは、何故だろう?

2020-09-13 20:04:16 | 徒然

自民党の総裁選は、ほぼ菅さんで決まりのようだが、菅さんが安倍さんほどの長期政権となるのか?というと、やや疑問を感じている。
というのも麻生さんが「衆院の解散がすぐあるかもしれない」と、意味深長な発言をしているからだ。
47NEWS(共同):麻生氏「すぐに衆院解散かも」次期首相下で 新潟での講演

解散→選挙となると、与野党の議席獲得などと共に女性議員候補もまた、話題になることがある。
女性議員で思い出すのは、市川房枝さんや加藤シヅエさん(テレビのコメンテーターなどで活躍をしている、加藤タキさんの実母)などだが、ここ20年くらいの間で登場した女性議員に対して、どこかタレント議員的な人が増えているような気がしている。
というかタレントさんやアナウンサーなど既に知名度がある女性を、議員に担ぎ出しているという印象がある。
そのためだろうか?彼女たちが当選し、国会議員になった途端、ゴシップまがいの話題以外では、発言力もなく目立たない存在になってしまっているような気がするのだ。

ところが海外に目を転じると、女性が議員として活躍をしている国々が多い。
「新型コロナ」の感染拡大によって注目されたのは、ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのジャシンダ・アンダーソン、北欧のアイスランド、ノルウェー、フィンランド、デンマークは、女性の首相だ。
そのため、一時期「女性のリーダーだからコロナ対策が成功したのか?」とまで、言われた。
おそらく、女性のリーダーだから成功したのではなく、彼女たちだから成功したのだと思っている。
もちろん、男性よりも女性の方が共感力などが高いため、市民に寄り添う気持ちが強い、という点はあるだろうが、その気持ちを政治手腕として発揮できた能力は、全く別だと考えているからだ。

そして今、注目されている女性がいる。
米国の民主党副大統領候補となっている、カマラ・ハリス氏だ。
経歴だけを見ると、カリフォルニア州の司法長官などを歴任した華々しいキャリアの持ち主ではあるが、インド系と黒人の血を引いているという点では、マイノリティーの代表者ともいえるかもしれない。
そして何よりも彼女のスピーチには、驚くことが多々ある。
論理的で、堂々とし熱意が伝わるようなスピーチだからだ。
だからこそ、トランプ氏をはじめとする共和党の男性たちは、執拗に彼女を貶めるような発言を繰り返すのでは?と、感じることさえある。

おそらくハリス氏のような女性が、日本の政治の世界で誕生するということは、10年先もないだろう。
何故なら、日本の男性だけではなく女性たちも毛嫌いするのでは?という気がするほど、パワフルで日本の社会が求めている「女性らしさ」を感じさせないからだ。
ただジェンダーギャップが先進諸国最低、という現状を考えた時「人寄せパンダ」のような女性議員ではなく、ハリス氏ほどではないにしても、「自分の言葉で自分の考えを述べる」ことができる社会を作っていく必要があるだろうし、何より、女性が政治的発言を揶揄する社会を変えていくことが、一番大切なのかもしれない。
そうすれば、北欧諸国の女性首相達やメルケルさん、ジャシンダ・アンダーソンさんのような、「政治手腕を持っている女性」が、活躍できるようになるのではないだろうか?







「ジェンダーフリー」になりつつあるテレビドラマ

2020-09-11 20:30:27 | アラカルト

9月も半ばに差し掛かり、そろそろ「夏ドラマ」と呼ばれるテレビドラマも終わりに近づいている。
「夏ドラマ」といっても、「新型コロナ」の影響で春スタートする予定だったドラマが、夏にスライドし、当初予定していた放送回数を減らして放送された、というケースも多かったようだ。

拙ブログに来てくださる方は、我が家にテレビが無いことを知っていらっしゃると思う。
そこで活躍する?のが「見逃し配信サイト」と呼ばれるネットで視聴できるサイトだ。
一応話題になっているドラマだけでも1回は視聴するようにしている。
その中で、TBS系の「私の家政夫ナギサさん」や日本テレビ系の「おじさんはカワイイものがお好き」、テレビ東京系の「今日の猫村さん」等、中年の男性が家事をしたり、カワイイものが好きだったりするドラマが、いくつもあったことに気づいた。
もっとも「今日の猫村さん」は、主演されている松重豊さんが、猫に扮しているので「中年男性が家事をしている」とは言えないのだが・・・以前であれば、猫村さん役は女性だったのではないだろうか?

一昔前だったらこれらのテレビドラマは、おそらく成り立たなかったのでは?という、気がしている。
「私の家政夫ナギサさん」は、中年のおじさんがスーパー家政夫として家事が全くできない働く女性の家に派遣される、というところからスタートしている。
以前であれば「仕事も家事もできる女性」が登場するのが、当たり前で家事ができない働く女性という設定は、元々無かっただろうし、もし家事代行を依頼するにしても派遣されるのも女性だったはずだ。
「女性の仕事」と思われていた「家事代行」という仕事に、男性が、しかも中年の男性が派遣される、という点では新しい設定のドラマだったと思う。

「おじさんはカワイイものがお好き」になると、また違った様相を呈する。
「職場では仕事ができ、部下からも信頼が厚い男性課長」が、実は「カワイイキャラクター好き」であった、という設定になっている。
しかも主人公を取り巻く男性陣も、「カワイイものが好き」という設定だ。
「カワイイ」と感じるモノはそれぞれ違っているが、これまでの社会通念(?)的なところから考えれば、中年のおじさんが「カワイイものが好き」ということ自体、あり得ない!と思われていたはずだ。
だからこそ、主人公をはじめとする男性陣は、必死になって「自分がカワイイものが好き」ということを、隠そうとしているのだ。

「意外性を狙った」ということなのかもしれないが、しかし考えてみれば、随分前から「家事ができる男子」がもてはやされたりしてきた。
「カワイイもの」という点で考えれば、女性アイドルに熱狂する男性は多い。
アイドルに熱狂する彼らは、こぞって「(カワイイの意味が違うかもしれないが)カワイイ」と言っている。
「カワイイ」と思う対象が、女性アイドルなのかキャラクターや猫などのペットなのかという違いなだけで、「カワイイものが好き」という点では、同じなのかもしれない。
むしろ、そのようなことをテレビドラマというカタチで表に出てくるようになった、と考えるべきかもしれない。

テレビが社会を写す一つの鏡だと考えた時、これらのドラマが話題になった背景には「社会的性別の役割」が無くなりつつある、ということのようにも感じるのだ。
そう考えると「ジェンダーフリー」のドラマが、生活者に受け入れられ始めている=生活者の意識の変化ともいえるような気がする「夏ドラマ」だったように思う。

ちなみにTBS系のドラマ「MIU404」では、機動捜査隊という部隊を率いていたのは女性だった。
これもまた「ジェンダーフリー」ということなのかもしれない。



LVMHによる、ティファニー買収撤回の理由はどこにあるのだろう?

2020-09-10 20:46:15 | ビジネス

昨夜、LVMH社によるティファニー買収が撤回された、というニュースがあった。
日経新聞:LVMH、ティファニー買収断念、米関税背景と説明

LVMH社がティファニーを買収する、というニュースが報じられた時やや懐疑的な印象を持っていた。
LVMH社といえば、これまで以前のような勢いがなくなった高級ラグジュアリー・ファッション・ブランドを次々と買収し、ブランドを立て直しをしてきた。
これまで買収してきたブランドの数々が、フランスをはじめとする欧州のファッションブランドであったことから、米国のジュエリーブランドの買収には、何か思惑があるのでは?という、気がしたからだった。

買収の話があったのが、昨年11月でそれから10カ月経過して突然の撤回、というのもLVMH社側が発表した通りの理由なのかやや疑問を感じる。
記事にある通り、ティファニー側は「早く買収完了をして欲しい」といっているのに、LVMH社側は「関税」を理由にしている。
買収内容が分からないので、米国のフランス企業に対する追加関税とはどのようなモノなのか分からないのだが、年が明ければ米国の追加関税がなくなるとは思えず、どこか腑に落ちない内容となっている。
まして、フランス政府が「買収完了を伸ばすように」と働きかける、というのも、不思議な気がする。
このコトに関しては、Bloombergが興味ある記事を掲載している。
Bloomberg:ティファニー買収撤回、LVMH会長が政府に協力要請か-関係者

LVMH会長のアルノー氏が個人的に仏政府の経済・財務省に通商摩擦の進捗状況を知りたい、と助けを求めたが断られ、外務省に協力を求めた、という内容だ。
「通商摩擦」という点から考えれば、やはり「追加関税」がいつ行われるのか知りたい為に、仏政府に働きかけたということになると読み取れるのだが、買収前であっても買収後であってもティファニーという企業を買収した限りは、どこかのタイミングで「追加関税」という問題が出てくるはずだ。
何より、ティファニー側は「買収完了」を急いでいると言われているにもかかわらず、LVMH社側はティファニーが買収を伸ばして欲しいと言っている、という行き違いまで生じている。

とすれば、LVMH社側にとってティファニー買収のタイミングは今ではない、と判断したのではないだろうか?
上述した通りティファニー側は「買収完了」を早くしたい、といっているのは資金繰りなどの問題があるのでは?と、想像が付く。
逆に「伸ばしたい」といっているLVMH社側も、今回の「新型コロナウイルス」の世界的感染拡大により、傘下ブランドそのものの売り上げが低迷しているのでは?という、気がするのだ。

LVMH社が傘下に収めているブランドの数々は、高級ラグジュアリー・ブランドであるがために、ECサイトなどの展開はできない。
何故なら、店舗で購入する時に提供される高いおもてなしやその店舗空間そのものもまた、ブランドの一部だからだ。
それがECサイトのように、PCやスマホで「ポチ」としてしまっては、ブランド価値そのものが無くなってしまう。

ところが「都市封鎖」や「旅行を含む人の移動」が制限されてしまったことで、LVMH社全体の売上が急激に落ち込んだということは、十分考えられる。
特に中国を中心としたアジアの市場での落ち込みは、ティファニー側にとってもLVMH社側にとっても、大きかったのではないだろうか?

そう考えると今回の買収撤退の背景にあるのは、「新型コロナウイルス」の世界的感染拡大による経済的問題のような気がするのだ。
と同時に、グローバル企業だからこそダメージも大きかった、と考える必要があると思う。





次ぎの段階に入った「新型コロナウイルス対策」

2020-09-09 20:41:41 | アラカルト

今日の新聞各社のWEBサイトに、「新型コロナウイルスワクチン、治験中断」という記事があった。
朝日新聞:コロナワクチンの治験中断、日本に影響?危うい競争開発

「新型コロナワクチン」に関しては、日本をはじめ先進諸国が、先を争うようにして「ワクチン確保」を目指していた。
しかし今回の治験の中断は、近々の感染拡大防止には繋がらない、ということを示した結果といえる。
実際治験段階で中断となれば、その原因をつかみ新たなワクチンを作らなくてはならない、そしてまた数人~10人程度の小規模治験から始めなくてならず、インフルエンザの予防ワクチンのように、近所の開業医のところで接種できるようになるまでには、数年~10数年かかるかもしれない、という現実を見せつけたような気がしている。
それだけ新しいワクチンを開発する、ということは大変なことなのだ。

がんの免疫治療薬の開発でノーベル賞を受賞された本庶佑京大名誉教授は「東京五輪までには、ワクチンはできない」と、あるインタビューで話していた。
文藝春秋:ノーベル賞学者の警告 東京五輪までに「ワクチン」はできない 本庶佑

最初の「オブジーボ」に関する内容は、読み飛ばしていただくとして、「ワクチン」ができない理由について冷静に理解する必要があるのでは?という気がしている。
「ワクチン」開発に数年以上かかると考えた時、今のような医療体制で良いのか?考える必要があるのではないだろうか?

何故なら「新型コロナ感染後遺症」ともいえる症状が続く人たちが、出始めているからだ。
BBC News:COVID-19の症状がなくならない‥‥イギリス感染者の訴え

このような「新型コロナ感染後遺症」に苦しむ元患者さんは、日本にもいらっしゃるのではないだろうか?
日本国内での「新型コロナウイルス感染後遺症」と思われる元患者さんのニュースが、ほとんどない為に問題になっていないだけなのでは?という、気がしている。
今現在の感染状況は、7月8月に比べるとやや落ち着いてきているような感染者数ではあるが、元患者となる人達は累積人数となっているからだ。
隔離病棟での治療は必要ないものの、後遺症がなくならない限り「治癒した」という状況にはならず、当然のことながら治療費などがかさむ(=社会保障費がかさむ)だけではなく、経済活動にも大きな影響を及ぼすと考えられる。

今の状況は「感染拡大防止策」ではなく、「感染拡大の速度を落とさせながら、後遺症に苦しむ人たちへの医療体制準備」という、次ぎの段階に入っているのではないだろうか?
とすれば、本庶佑先生が文藝春秋のインタビューで答えているように、「治療薬の開発」を優先させる必要があるのではないだろうか?

初期症状の時に使える薬剤、重症化した時の薬剤、そして後遺症患者向けの薬剤など、患者の状態に合わせた薬の研究開発が必要だろうし、初期症状に投与される薬で後遺症のような症状が起きないと確認されれば、患者に対する心理的・肉体的負担は軽減されるはずだ。
現在候補となっている薬の他にも、症状別の新薬ができれば、それだけで生活者の気持ちは大きく変る。
「楽観」する訳ではないが、少なくとも今のような社会全体が苛立っているような雰囲気は、無くなるだろうし、「クラスター源」となった施設や学校、クラスターとなった人達への心無いSNSなどでの攻撃も、無くなるのではないだろうか?
むしろ治療薬の研究開発は、社会の安全・安心を生活者に与える、のではないだろうか?
それは「ワクチン開発」よりも、効果的なことかもしれない。






観光誘致とアイディア。重要なのは「アクセス」

2020-09-08 19:37:44 | マーケティング

朝日新聞のWEBサイトに、「問題が解決されれば、インバウンドにもつながるかもしれない」という記事があった。
朝日新聞:水木しげる、小泉八雲・・・中国3県もののけ怪道「開通」

この記事にある「水木しげる記念館」、「小泉八雲記念館」の二つは、今では山陰の観光ルートとなっている施設だ。
小泉八雲には「怪談」という名著があり、水木しげるはご存じの通り「ゲゲゲの鬼太郎」という代表作がある。
いずれも「この世にいない人や物体=もののけ」をテーマにした作品であることには、変わりないだろう。
それだけではなく、山陰そのものは「古事記」の舞台ともなっている。
「神様」という存在もまた、この地域の人たちにとっては「近しい存在」だと感じている。
その「古事記」の中にも登場する、「布怒豆怒神(「ふのづののかみ」と読む)」を祀る「粟鹿神社」が、「もののけミュージアム」がある三次市にある。

「古事記」の舞台となっている「神々のお話し」が、この地域には数多くあるのだ。
妖怪などをはじめとする「目に見えないもの」に対する恐れだけではなく、ある種の信仰や親しみがある地域といっても良いのかもしれない。
だからこそ、このような企画が立ち上がったのだと思う。

今は無理な海外からの観光客の誘致などを考えた時、「もののけ」という存在は日本独特の地方文化だと思う。
岩手の「遠野物語」等もそうだが、日本人の中にある「死者と生者との関係」は、海外の方々から見れば一種特有なモノかもしれない。
ただ、それらが土着的な文化となり、各地域の文化へと発展していったとすれば、それはとても魅力的な地域資産なのではないだろうか?
そしてそのような地域資産は、「過疎地」と呼ばれる地域に数多く残っている、ということもまた事実だろう。
とすれば、そのような文化を発信することもまた、これからの「インバウント策」としては、とても有効なのでは?と、考えている。
問題は「アクセス」だ。

上述したように「水木しげる記念館」と「小泉八雲記念館」の二つは、山陰の観光ルートとなり、この二つの施設に行く観光客も多いと思う。
観光ツアーでは無く、個人旅行で行ってもさほど距離が離れているわけではないので、事前に交通機関の乗り換えなどをチェックしておけば、1日で十分楽しめる。
問題は、三次市にある「三次もののけミュージアム」だ。
三次市そのものが、広島県北部の島根県の県境に近いこともあり、広島から行くにしても松江から行くにしても、アクセスが便利な場所とは言い難い。
自家用車利用であれば、アクセスの問題もほぼ無いと思うのだが、それでも1日で回るのは厳しい気がする。
とすれば、地元の旅館組合やJR西日本や地元のバス会社などと協力を得た、「観光プラン」を提示する必要があると思う。

施設の協同企画というのは、とても面白いし新しい試みとしても良いと思う。
できれば、周辺の「もののけスポット」等の紹介があれば、より魅力的な企画になるのではないだろうか?
そこに「アクセス」という問題を解決することで、地域全体の活性化につながるのでは?と思っている。









台風10号と地球温暖化

2020-09-07 15:44:44 | 徒然

先週末から沖縄、九州を襲った台風10号。
今日の午後、朝鮮半島へ上陸したようだ。
被災地の写真を見ると、凄まじいほどの威力の台風だったのだな~と、感じさせた。
被害にあわれた方々の、一日も早い復旧を願わずにはいられない。

今回の台風10号の進路図を見ながら、不思議に思った方はいらっしゃらないだろうか?
台風の発生から日本に来るまでの進路は、いわゆる「夏台風」と呼ばれる進路とほぼ同じだった。
ところが、その後の進路はこれまでの「夏台風」とは違っているような気がしている。
というのも、日本に接近・上陸する「夏台風」は、九州を抜けると偏西風によって、東へ進路を変えるのが一般的だったような気がするのだが、今回の台風10号は、そのまま北へ進み朝鮮半島に上陸をしたからだ。

中学校の理科の授業で、「偏西風」によって日本は季節が移り変わると、学習したような気がするのだが、今回の台風10号はその偏西風の影響を受けずに、発生から日本近海を進みそのまま北上した、ということになる。
とすれば日本上空に吹いているはずの偏西風は、一体どこへ行ってしまったのだろうか?
気象予報士ではないので、あくまでも素人考えなのだが、偏西風そのものが北へあがってしまい、南の高気圧が日本を覆っている為に、ほぼまっすぐ北へ進んでしまったのでは?と、考えてしまうのだ。

極端な見方かもしれないが、それが意味することは日本の気候が「温暖地帯」ではなく、「亜熱帯=温暖化」ではないか?という、気がしてしまうのだ。
今年の夏は、梅雨の長雨直後から殺暑ともいうべき、連日の暑さ。
今日は、台風10号によって起きたフェーン現象で、新潟県では38度超えの暑さだという。
「異常気象」と一言では済まないような、気象現象が起きている。
これが「地球温暖化」ということなのだろうか?



「コロナ禍」だからこその着眼点「使い捨てマスクケース」

2020-09-04 20:24:36 | マーケティング

先日、知人がFacebookに「使い捨てマスクケース」の写真をアップしていた。
その「使い捨てマスクケース」は、出かけた先でお茶をした資生堂パーラーで提供されたという。
ネットで検索をしてみると、飲食店向けの割りばしや紙おしぼりなどを製造している企業が作っているようだった(デジタルカタログや新商品をチェックしたが掲載されておらず、楽天やAmazonなどのECサイトで検索して、該当商品の製造メーカーが判明した)。
友人がこの写真をアップした時は「流石、資生堂パーラー。お客様の心配事を解決するサービスを提供している」と、感心したし、このサービスの提供によって「資生堂パーラー」のブランドイメージも大きくアップするだろう、と思ったのだった。

と同時に、もしこの「紙製の使い捨てマスクケース」に更なる「抗菌・抗ウイルス機能」が加わったらどうなのだろう?とも考えたのだった。
というのも、1週間ほど前だろうか?京扇子を作っている企業が共同で「漆喰を塗ったの扇子を芸舞妓に贈って、新型コロナ対策」という記事を見たからだ。
朝日新聞:舞妓さん、優雅に飛沫を防ぐ 口元にそっと漆喰の京扇子

この扇子そのものは、決して安価なモノではないので「使い捨てマスクケース」に転用できるとは思えないのだが、おそらく日本各地には、漆喰のように「抗ウイルス効果」が期待できる自然素材があるのでは?と思っている。
そして、もっと安価な素材でこのような「使い捨てマスクケース」ができる可能性もあるのでは?とも考えている。
布マスクユーザーにとっては、逆に「使い捨て」ではなく「繰り返し使えて、洗濯ができ、その効果が続くマスクケース」のほうが、便利かもしれない。
とすれば、若干高価であっても需要はあるのではないだろうか?

今回の「コロナ禍」で様々な業種が、これまでにない危機的状況に陥っている。
その危機的状況を解決するために、飲食店であればこのような「使い捨てマスクケース」のようなサービスの提供が、顧客に安心感を与えるだけではなく、信頼にもつながるだろう。
それだけではなく、上述したように「全国各地で伝統的に使われている抗菌・抗ウイルス効果のある自然素材」に目を向けることで、地域の活性化にもつながるはずだ。

「コロナ禍」の中であっても、発想を変えるだけで新しいビジネスが生まれ、時には地域の活性化へと繋がるアイディアとなるかもしれない。
「社会の問題を解決する」ことは、社会と生活者、そして企業のWIN-WIN-WINの関係を創り出すはずだ。





日本は「希望」のない国なのか?

2020-09-03 18:46:19 | アラカルト

ファッション誌「VOGUE」が、「HOPE」という特集を組んでいる。
VOGUE Japan:HOPE

この特集の目的は、世界に蔓延している「新型コロナウイルス」後の社会を考える、ということにある。
「新型コロナウイルス」の世界的感染拡大は、感染症の恐ろしさという点だけではなく、社会に潜んでいた様々な問題を浮き彫りにした、ともいえるかもしれない。
それは「経済格差」であったり、「人種問題」や「LGBTQ」、「性差」という問題などだ。
日本ではそれらの問題とは別に、「新型コロナウイルス」という感染した人達や、現場で感染症対策や治療に携わる医療者に対する、偏見なども露呈した。

頭では「偏見を持つこと」の問題はわかっていても、それが突如として身近な問題となった時、あるいはメディアなどで取り上げられた時、様々な手段で攻撃をしてしまうという事実を、まざまざと見せつけられた気がした。
攻撃してしまう理由については、先日拙ブログでも書かせていただいたのだが、「異質な存在」を受け入れるということに抵抗感があり、社会の不安定要素だと感じている部分があるからだろう。
もちろん、それだけが理由ではないし動機となるわけではないと、考えている。

そんな中、Huffpostや共同通信社などが、ユニセフが行った「子どもの幸福度」についての調査について報道していた。
Huffpost:日本の子ども、健康なのに「精神的な幸福度はワースト2位。高い自殺率の問題、改めて浮き彫りに

かつて「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」といわれてきた(現在一般的に認識されている意味は、誤用のようだが:Wikipedia)。
しかし現実は、体が健康であっても精神を病んでしまう人は多い。
それが子どもたちにも広がっている、という日本の現実がある、ということだろう。
その中でも「学校での問題」が、自殺原因のトップに上がるということが、今の子どもたちにとっての悲劇なのかもしれない。

時々感じることなのだが、私の子ども時代よりも今の子どもたちのほうが、学校生活に限らず、日常生活が息苦しそうに見える時がある。
それは様々な「ルール」という名の制約があり、その「ルール」から外れた途端に、「異質な存在」と認定されいじめの対象となってしまうからだ。
しかも「異質な存在」と認定するのは、子ども同士という関係だけではなく、時には教師や親が関わってくる。
こうなると、「異質な存在」となった子供たちは、居所を失ってしまうだろう。

何故これほどまでに「ルール」という名の制約を設ける社会になったのか?と、考えると「生産効率が上がる」という大人の「経済成長観」を押し付けてきたからではないだろうか?
これまでモデルとしてきた「経済成長」の基礎となるのは、いわゆる「物づくり(=製造業中心)」だった。
しかし今の日本では「製造業」よりも、「第3次産業」と呼ばれる「小売り、サービス業」が中心になってきている。
「第3次産業」の特徴は、「モノ・コトの価値」を決めるのは、提供者側ではなく購入者側であり、その「価値」そのものも一つではない、という点にある。
だからこそ「寛容性」が必要であり、「(広義の)ダイバーシティ」の組織が、重要になっているのだ。
にもかかわらず、固定された昭和の生産概念で、社会を形成し維持しようとしているのが、今の日本の社会の負の部分なのかもしれない。

VOGUEの「HOPE」の特集を見て感じられることは、若い世代、女性、LGBTQの人たちが積極的に提言をし、行動しようとしていることだ。
そして、日本が「HOPE」を感じられる社会に変えていくチャンスが、この「ポストコロナ」のタイミングのような気がしている。


自民党総裁選に思う

2020-09-02 11:10:37 | 徒然

安倍さんが辞任表明をしてから、「次期総裁」として何人かの自民党議員の名前が挙がった。
そして、自民党内の最大派閥といわれる細田派(最近、細田さんが表舞台で活躍する姿を、見ていないような気がするのだが・・・私だけだろうか?)、麻生派、二階派が、菅官房長官の支持を決めたことで、ほぼ菅さんが次期自民党総裁、ということが言われるようになった。
その理由が、衆参両院総会で総裁選びをする、ということが決まったからだ。
時事通信:自民党総裁選、党員投票見送り 異論続出、執行部押し切るー菅氏2日に出馬会見

この決定に、地方の党員は批判的なようだが、安倍さんの辞任が突然だったことを考えれば、早急に総裁=首相を選ぶ必要がある、という理屈は通るだろう。
そして現時点でほぼ「菅官房長官が、次期総裁」となってしまうのも、安倍さんの政策路線を引き継ぐという意味で、一番無難だからだろう。

ただ「アベノミクス」をはじめとする、安倍さんの政策路線が本当に日本にとって良かったものなのか?という、検証もされないまま引き継ぐ、というのはどうなのだろうか?という、疑問もある。
特に経済政策の中心であった「アベノミクス」は、失敗だったという指摘がされている。
DIAMOND on-line:アベノミクス失敗の原因は伸びない個人消費、迫られる選択肢は2つ

その失敗した政策を引き継ぐことが、日本経済にとってプラスなのか?という、問題があると考えている。
そもそもこの記事が掲載されたのは今年3月で、その後「新型コロナウイルス」感染拡大により、自粛要請が発令されたことで観光産業、飲食業界、エンターティメント業界などが、大打撃を受けている。
そして復活の兆しが全く見えていない、という状況になっている。
それどころか、前倒しで実施した「Go To Travel キャンペーン」は、多くの人から批難を浴び、その効果についても政府が期待したほどではなかった、という状況になっている。
それだけではなく、キャンペーンに参加していた宿泊施設で感染者が発生してしまった為、多くの人たちが前々から指摘していたキャンペーンの実施時期など、政府の判断に疑問を与える結果となっているような気がしている。

そして今回、総裁選でいち早く菅官房長官の支持を表明した二階幹事長が、これらの失策といっても過言ではないような政策に関わってきていることから、自民党内では菅総裁の誕生で納得するかもしれないが、国民はどう感じているのか?という「総裁選び」に対する温度差があるように感じるのだ。

菅官房長官の総裁というのは、あくまでもピンポイントのリリーフ起用で、本来安倍さんが全うする予定だった任期までという腹積もりが、二階さんにあるのかもしれない。
ただ、かつて「自民党のドン」といわれたような、岸信介氏や田中角栄氏のような、印象が二階さんには無い。
それは今の政治家全体の印象ということになるのかもしれないが、政治家としての求心力や覚悟のようなモノが感じられない。
高度成長期のように「日本経済の復活」のような国民が一丸となって、前に進むような時代ではない、ということもあるが、世界各国が内向き志向になっている時だからこそ、政党を問わずグローバルな視点で日本のリーダーシップがとれる人が、日本のトップとなってほしい、と思うのだ。