昨日、エイベックスが日本著作権協会から脱退した、というニュースがあった。
朝日新聞:エイベックスがJASRAC一部離脱 10万曲移行へ
JASRACという、一般的に聞きなれない?と思われる団体だが、音楽業界ではガリバー的音楽の著作を取り扱う団体。
身近なところでは、カラオケなどを利用した時に1曲あたりに対して「著作料」を支払っている、支払い先がこのJASRACだ。
もちろん、利用する側が直接支払っているわけではないので、あまり意識をしたことはないはずだが、JASRACの大きな収入源となっている
CDなどを購入した時、CDジャケットの一番下あたりに小さく「JASRAC」の文字を、見つけるコトができるはずだ。
この文字がある、ということはJASRACがレコード会社や作詞・作曲・演奏家やアーティストに、適正な著作料を支払う管理をしている、ということを指している。もちろん管理をするだけではなく、管理料としての手数料ももらっている、ということになる。
そしてこの音楽の著作権管理という点においては、ほぼ独占状態であったのがJASRACだ。
そのJASRACからエイベックスが一部離脱する背景には、何があるのだろう?と考えてみると、一つはJASRAC側の手数料?が高額である、ということだと思う。
エイベックスと契約をしている人気アーティストが多いコトを考えれば、人気アーティストが多ければ多いほど、JASRCACに支払われる額が大きくなる。
だがそれよりも、むしろ「ネットなどでの音楽配信」の影響があるのでは?という、気がしている。
ご存じのとおり、音楽や動画のネット配信サービスを行う企業が、ここ1,2年で増えてきている。
動画配信のyoutubeやニコニコ動画だけではなく、AmazonやAppleもこのサービスへの参入を決めている。
今や「音楽を聞いたり・動画を見たりする」方法は、以前のようなCDやテレビ、DVDではなく「ネット配信→ダウンロード」になってきている。
とすれば、エイベックスのようなアーティストのマネージメントだけではなく、音楽管理をしている企業にとっては、自社で音楽や動画を配信し、管理したほうが様々な面でメリットがある。
そう考えれば、音楽業界でもそれなりの力を付けてきたエイベックス側が、JASRAC側に支払うお金が惜しいと思うのも当然かもしれない。
もう一つ、考える必要があるのがいわゆる「Youtber」と呼ばれる、アマチュアとプロの中間のような人たちの存在だ。
音楽配信の分野でも、メジャーではないがネット上で固定のファンがいる、というアマチュアとプロの中間のような人たちがいる。
彼らがオリジナルの楽曲を発表した場合、その著作権などの保護をかんがえると今のJASRACでは、対応しきれない。
そのような人たちの著作権などを保護する、という意味でもエイベックスは事業として取り込むコトを考えているのでは?という気がしている。
「ネット配信」そのものは、今や当たり前のサービスとなってきている。
だが、そこに関わる様々な問題と権利、権利に伴う利益管理などは、整備されているとは言い切れない。
だからこそ、エイベックスはJASRACに先手を打つ形で、一部離脱をしたのではないだろうか?