横浜の高層マンションに施工不良が見つかった、というニュースが新聞各紙で取り上げられてる。
産経新聞(Yahoo!トピックス):施工不良大型マンション 虚偽データ使い工事か 横浜市が建築法違反で調査
このマンションを建設したのが、三井不動産系の建築会社だったということもあり、問題になったマンションだけにとどまらないのでは?という、気がしている。
実際我が家の近くでも、三井不動産系のマンションが建築中だ。
このような問題が発覚する前は、相当好調な販売ができていたと思うのだが、今週末からは厳しくなるかもしれない。
このような報道が出ると、決まって今現在住んでいらっしゃる方の「声」というものが、報道される。
欠陥マンションだとは知らずに、30年ローンを組んで購入された方にとっては、それこそ「住む場所を失う」だけではなく「失っても残るローン」に苦しめられる、という不安と心配が起きるのは当然のコトだろう。
そのような「住民の声」というのはよくわかるのだが、そのような「声」だけではないことに、やや驚いている。
毎日新聞(Yahoo!トピックス):<施工不良マンション>「知っていたら買わなかった」住民怒り
見出しだけを見ると、分譲で購入した住民の怒りということがよくわかるのだが、記事を読み進めていると「住む」という目的以外に、マンションを購入したのだな~ということに気が付く。
それが「資産価値」という言葉や「風評被害」という言葉から、感じ取るコトができる。
確かに「住宅購入」というのは、「住宅」という「資産」を購入するコトなのだが、「自分の終の棲家」という感覚が強かった昔であれば「住むところが無くなる」という不安を口にするコトはあっても、「資産価値」という言葉はあまり出るコトはなかったと思う。
もちろん「相続」という場面では出るとは思うが、「相続」ということを考えるのはそれなりの年齢になってからだろう。
ということは、マンションなどは「不動産」でありながら、「流動的資産」という意識に社会が変わりつつあるのでは?という気がしたのだ。
その考えを強くしたのは「風評被害」という言だった。
ご存じのように「風評被害」という言葉が使われる場面というのは、「その対象となる商品が流通し・売買される」ということが前提になっている。
「売買される」コトが前提にあるので、「評判が落ちる噂=風評被害」に対して懸念が起きるのだ。
今回問題になったマンションに対して、三井不動産をはじめ施工を担当した三井建設などが、どのように対応するのか、注目していく必要があるが、同時にこのニュースは「マンション」という「不動産」が、今や「流動資産」になりつつある、ということを教えているような気がする。