日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

経費節減と顧客サービス

2009-01-28 22:13:12 | ビジネス
Yahoo!のトピックスに、未曾有の不況ここまできた節約策 「お客にコーヒー、紅茶出さない」と言うニュースが、取り上げられている。
この「コーヒー、紅茶をお客様に出さない」と決めたのは、三菱自動車のようだが、このような経費節減が、本当に「経費節減」に結びつくのだろうか?

記事中にある、2ちゃんねるなどのカキコミの通り、「そこまで経費節減するようなトコロでクルマは買いたくない」と言うのは、購入を考えている人たちに「(表現が悪いのだが)しみったれたトコロだな~。こんなところでクルマを買っても、アフターサビスは大丈夫だろうか?」と言う不安感を与えかねないような気がするのだ。

最近、まったくと言ってよいほど見なくなったテレビCMのひとつに、「ダイハツ、カフェ計画」がある。
テレビCMは、見かけなくなったようだが現在も継続中らしいのだが、この「カフェ計画」の目的は、「女性が入りやすいディーラー」と言うコトだった。
実際、ダイハツの主流車種は軽自動車で、その軽自動車のユーザーは女性が多いと言うこともあるためだが、「暮らしの中のクルマ」と言う提案があったように思う。
それだけではなく、「クルマを買う」と言うコト自体が生活者にとって決して安い買い物ではないと言うこともあるだろう。

以前から言われているのだが、高級外車の代名詞と言われるベンツなどは「クルマを売るのではなく、クルマのある生活やステイタスを売る」と言われている。
だからこそ、テレビCMなどは車種によって高級感を出したり、親しみ感を出したりしているのだ。
お客様に実際の提案をする場所である、ショールームにはそれを具現化する場所でもあるはずである。
そこに、「コーヒー一杯のサービスもない」と言うコトは、「他のサービスも節減されるのでは?」と言う、一種の不安感というか疑心暗鬼を与えないとも限らない。

コーヒーに経費がかかるのなら、おいしい緑茶でもいいだろう(と言っても、どちらが経費削減になるのかは分らないが・・・)。
チョッとしたお干菓子などを添えられれば、とても充実した商談ができるかも知れない。
そのような、商談のチャンスすらなくしてしまっている可能性もあるのではないだろうか?

「未曾有の不況だから」といって、何でも経費節減では「モノを買いたい」と言う雰囲気を、萎ませるだけではないだろうか?

もうひとつ言うと、以前読んだビジネス雑誌に掲載されていた論文に「社員満足度の高い企業ほど、業績が良い」と言う内容があったことだ。
社員が満足し、高い意欲を持って仕事をすれば、それは様々な場面でお客様に伝わると言うコトなのだ。
今の日本企業は、従業員に高い満足を与えているのだろうか?
そんなコトも、考える必要があるように思うのだ。



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3 コメント

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Unknown (duck)
2009-01-30 11:35:47
経費削減をしたら最低限度必要な数量や品質やサービス等を落としてしまうケースもある。
そうなると悪循環になってしまう。

社員が満足して仕事をすることは大切です。
社員同士の連携ができるためより効率が良くなります。
そう書くと、「お金を貰って仕事をしているから黙って必要な仕事をしろ」と言う人もいますが何のために仕事をしているのかという動機付けができなくなります。
結果、退職したり不正に手を染めたりすることになります。
返信する
Unknown (はーふむーん)
2009-01-30 16:42:25
私のところのご訪問、いつもありがとうございます。
一社員として仕事をしているつもりだけれど、やっぱり会社の経費のこととなると遣り繰りも大変です。
それでも、他の会社と違って今はまだそんなに影響はないです。
しかし、この先は?と問い立たされると・・・ってことなんですよね。
先行き不安ってことを他の社員も分かってはいるけれど、実際にそうなったとき、会社としてどう対応すれば温和になるか。
それを考えるのが社長の仕事だと思っているんですが・・・
ホントに零細企業なので、全員で意見、案を出し合わないとって感じです。

あと数ヶ月後のことすら分からない状況で、自分が会社の経費等の管理をすることが
今では精神的につらいのです。

それでも、こうやって他の企業がいろんな案を出して顧客を維持していけるのも、努力だと思ってます。

ダイハツのカフェプロジェクトも成功の一貫ですよね。そのためスズキ、ホンダを抜いて軽№1になったくらいですから。
実際に私もダイハツの車に乗ってますが、店頭へ行ってカフェ等のサービスを受けるとちょっと得した気分になります。
そんな気持ちになるのならば、買おうかなぁって思いますもん。
実際に家の家計を守ってるのは奥様ですから、その奥様対象のカフェ計画はさすがだと思いました。

長くなってしまってスミマセン。
またお邪魔します。
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お返事遅くなりました (管理人です)
2009-02-01 22:54:30
duckさん
いつもコメントありがとうございます。
「経費節減」というのは、コトバでは簡単です。
ただ、「何を節減するのか?」と言うコトを真剣に考えないと、反社会的(と言っては大げさですが)な行動となってしまいます。
一連の「不祥事企業」などのように、場合によっては「強欲経営者」に、成り下がる可能性すらあるのです。
今、経営トップが求められているのは「バランス感覚」なのだと思いますね。

はーふむーんさん。
コチラのブログでは「はじめまして」ですね。
今の社会状況は、零細企業にとって大きな変革期だと思います。
例えば大阪の町工場が集まって、ロケットを打ち上げるなど、小さな個を集めて、大企業並のパワーを発揮するチャンスもあると言う発想です。
ただ、経理を担当する立場であれば、そのような冒険は考えられないでしょうし、考えるべきではないでしょうね。
「自社の強みは何か?」、「自社製品の(使われ方の)発想転換」など、経費を掛けずに利益を上げる知恵の集積期だと思います。
零細企業だからこそ、風通しの良い知恵を出し合えるチャンスだと思います。

時々、遊びに来てください。
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