昨年放映されたテレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者である、芦原妃名子さんの訃報が報じられてから、数日経過した。
現在テレビが無いうえ、元々テレビドラマを見る習慣が無かったので、配信サイトTverでも視聴をしていなかった。
ただ、時折話題になっていたので、何となく「こんなドラマがあるんだ」という程度の認識はあったのだが、このドラマに原作漫画があるとは知らなかった。
そして、この芦原さんの訃報を受け、一つ思い出したことがある。
それは、随分前に「ビックコミックスピリッツ」で連載されていた「いいひと」が、テレビドラマ化された時の話だ。
テレビドラマ化された時は、原作者の高橋しんさんのお名前があったようだが、その後「原案者」となっていた、ということがあったからだ。
その理由については、Wikipediaに詳しく記載されているので、リンク先を確認していただきたい。
Wikipedia:いいひと
テレビドラマは見ないのだが、この「原作者」から「原案者」になった、という話は当時少し話題になった気がする。
当時は「ビックコミックスピリッツ」に連載されている作品が、次々とドラマ化されていて、ドラマ好きな友人たちから聞くドラマ展開と原作の違いに、「変だな~」と思いつつも「大人の事情」なのだろう、という程度にしか思っていなかった。
この「いいひと」については、原作者である高橋しんさんが単行本化された時に、「原作者から原案者になった理由」のようなモノをあとがきで書かれていたことで、判明したということなのだ。
確かにドラマ化するにあたっては、人気のあるタレントさん(俳優さんとは限らない)を起用するため、どうしても起用したタレントさんにスポットが浴びるように、原作とは違う脚本になってしまうのだろう。
しかし、その設定が大きく変わってしまえば、それは全く違う話になってしまう。
その点が「原作ドラマ」の難しさであり、脚本家の力量が試される部分なのではないだろうか?
何故なら、既に人気作品となっている漫画を基にドラマの脚本を書くのだ。
当然、作品のファンがそのドラマを視聴することは、想定できる。
その時ドラマと原作が違っている、と原作ファンが感じたら、そのドラマは失敗作となってしまう。
いくら視聴率が高く、評判が良くても、失敗作であるということには変わりないだろう。
だからこそ、「逃げ恥」等の大ヒットドラマの脚本を書かれた野木亜紀子さんは、その難しさを語れるのだと思う。
modelpress: 「逃げ恥」脚本家・野木亜紀子氏、芦原妃名子さんの死去に「他人事ではない」日テレコメントにも私見
これまでの経過を見ていると、何となくだがテレビ局側が視聴率や評判を気にして、原作を変えてしまったコトから始まっているのでは?という、気がするのだ。
その要因となったモノがあるとすれば、視聴率ということなのかもしれない。
とはいえ、現在の視聴率と実際の評価とは一致しないことの方が多い。
それは、テレビでリアルタイムで視聴するのではなく、配信サイトで何度も繰り返し視聴する、という人達が増えているからだ。
とすれば、テレビ番組の実際の視聴率として参考になるのは、配信サイト等での再生回数なのでは?
「視聴率」ばかりに囚われていると、テレビドラマそのものが「終わったコンテンツ」と、言われかねない時代になっている、ということかもしれない。
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