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富田勲さんが切り開いた「電子音楽」という分野

2016-05-09 20:26:19 | アラカルト

昨日、音楽家の富田勲さんの訃報が伝えられた。
年齢が、80歳を超えられていたことには驚いたが、考えてみれば子供の頃家族で見ていたNHKの「新日本紀行」のテーマ音楽を担当されていたことを考えれば、当然だと気が付いた。
最もそれよりも驚いたのは、NHKの「きょうの料理」のテーマ曲も富田さんの作品であったコトだったが・・・。
余りにも曲調が違いすぎて、同じ作曲者だと気づかなかった。

富田さんと言えば、シンセサイザーという「電子楽器」を一般的にした音楽家としても、知られている。
むしろ富田さんという音楽家がいなければ「シンセサイザー」という楽器は、今のように普及していなかったのではないだろうか。

富田さんとともに紹介される「シンセサイザー」の写真というのは、楽器というよりも何かの機材のような印象を受ける。
しかも今のようなコンパクトな大きさではなく、一部屋まるますシンセサイザーが占める、というような桁外れの大きさだ。
イメージ的には、大昔のコンピューターという感じだろうか?
そのシンセサイザーという楽器は、富田さんと日本の楽器メーカーによって進化してきた、と言っても過言ではないと思う。

音楽的な部分で革新者となったのが富田さんであり、楽器として創り上げていったのが「ローランド」や「ヤマハ」だった。
事実ヤマハは2007年に、ローランドの創業者・梯さんは2015年に、アメリカ音楽業界最高の賞と言われる「グラミー賞」を、受賞している。
残念なのは、シンセサイザーを使った音楽家として富田さんが、グラミー賞を受賞されていないことだ。

しかし富田さんが音楽業界に与えた影響は、とても大きかったのでは、と今更ながら感じている。
特に1970年代、シンセサイザーという楽器そのものが珍しかった頃、積極的に使っていたのはスティービー・ワンダーだった。他にも英国の「プログレッシブ・ロック」と呼ばれた、ロックアーティストたちは新しい音楽を創るためにシンセサイザーを積極的に使っていた。
ピンクフロイドやエマーソン・レイク・アンド・パーマー(メンバーのキース・エマーソンは、今年3月に死去)など、音楽のカテゴリーを打ち破ろうとするアーティストたちがこぞってシンセサイザーを多用し、今ではなくてはならない楽器の一つになった。
その先駆者であったのが、富田さんであったと考えればその功績は、日本にいる私たちよりも海外での評価のほうが高いのかもしれない。

亡くなられる直前まで、新作に意欲的であったという話もあり、とても残念な気がする。



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