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ケロッグの業務提携解消とブランド力

2019-09-06 23:05:15 | ビジネス

今日の日経新聞WEBサイトに、味の素が日本ケロッグとの独占販売契約を解消する、という記事があった。
日経新聞:味の素、日本ケロッグと独占販売契約を解消 20年3月で

この記事を読んで、「ケロッグ」というブランドの行方が気になった。
確かに「ケロッグ」によって、日本のシリアル市場はできてきた、と言っても過言ではないと思う。
長い間、シリアル市場はケロッグの独占状態であった、ということも事実だ。
というのも、長い間シリアル市場に参入する企業が無かったからだ。
逆に言えば、シリアルという食品が日本の生活者に受け入れられるようになったのは、ここ20年経つか経たないかということなのだ。
受け入れられるようになったのは、いわゆる「グラノーラ」と呼ばれる、ドライフルーツやナッツが入ったコーンフレークスが登場し、「朝食を手軽に食べられる」という、生活者への新しいベネフィットを訴求させることに成功したからだろう。
「ケロッグ」の主力商品である、コーンフレークス(シュガー)という商品の位置づけは、大人の朝食ではなく子どもの朝食向けだったように思う。
少なくとも、コーヒーを飲みながらコーンフレークス(シュガー)に牛乳をがけを食べて出勤する、という方はあまり多くはなかったのではないだろうか?

確かに、米国でのシリアル市場におけるケロッグのブランド力は、とても力強いものがあると思う。
最近の米国でのシリアル市場そのものは不明だが、20代の頃に行った米国のスーパーでは「シリアル=ケロッグ」というほど、圧倒的な売り場面積を占めていた。
一度の買い物でも、複数の種類のケロッグ商品を購入する人も多かったように思う。
何故なら、子ども用、大人用と使い分けていたからだ。
しかし、日本の市場ではそこまでの種類を販売していなかった、という記憶がある。
日本人の健康志向の高まりによって登場した「小麦胚芽シリアル(商品名:オールブラン)」が、日本で発売されるようになったのは、随分後だったような記憶がある。

この健康志向を受けて登場した「小麦胚芽シリアル」だったが、当時の日本では「朝食=シリアル」という生活スタイルが定着していなかったことと、それまで子ども向けと思われていたコーンフレークスに新しい機能(=栄養価+食物繊維)というベネフィットを加えたものの、「どうしたら美味しく食べられるのか?」という、提案がCMなどではなかったような気がする。
日本スナック・シリアルフーズ協会によると、平成16年度では「コーンフレークス(シュガー)」の売り上げが圧倒的だった。
それが平成26年度になると、「コーンフレークス(シュガー)」そのものは、平成16年度とさほど変わらないのに対して、「グラノーラ」が飛躍的に伸びている。
日本スナック・シリアルフーズ協会:出荷実績の推移(会員合計)(注意:PDFファイル)

注目すべきは、平成25年度から平成26年度の「グラノーラ」の飛躍的な伸びだ。
前年度の倍とは言わないまでも、相当な伸びを示している。
うろ覚えで申しわけないのだが、この頃に登場したのが「フルグラ」という名称で登場した、カルビーのシリアルだったような気がする。
この「フルグラ」の登場によって、一気に「(朝食で(大人も)食べるシリアル」という一つのスタイルが、できたのではないだろうか?
そしてこの「フルグラ」にヒットにより、「グラノーラ=カルビー」というイメージも生まれたのではないだろうか?
もちろん、シリアルの老舗・ケロッグも同様の商品を発売しているのだが、「フルグラ」のブランド力には及ばないのでは?という印象すら持ってしまうほどの、大ヒットだったと思う。

今回の独占販売の業務提携解消は、ケロッグにとってプラスになるのだろうか?
今の「シリアル市場」を考えると、かつてのような「シリアル=ケロッグ」とは言い難いように思えるのだが・・・。





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