日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業人も一人の生活者です。

2015-05-22 21:29:37 | アラカルト

今日の朝日新聞の朝刊に「個人情報を転用できる範囲が拡大」という内容の記事が、一面に掲載されていた。
THE HUFFINGTON POST:個人情報を転用できる範囲が拡大へ 改正法案成立の見通し
(朝日新聞の記事は会員登録の記事なので、同様の内容の記事が掲載されている、「THE HUFFINGTON POST」の記事をリンクしています。)

昨今、いたるところで「個人情報につき・・・」という文言を目にする。
にもかかわらず、一方ではこのような「個人情報ダダ漏れ法案」が成立する見通し、という報道が出てくる。
本当に「個人情報」ということを、考えられた社会なのだろうか?と、疑問に感じることはないだろうか?
なんとなくだが、ビジネス的に「個人情報」が勝手のよいように、使われているような気がしてならない。
「勝手よく使っている」のは、だれか?というと、それは企業だと考えるほうが自然だろう。
もちろん、行政なども「個人情報」を扱っているが、一応「守秘義務」というモノがあり、勝手に使えるわけではない。

何故、このような「個人情報を転用できる範囲が拡大」重大な法案が成立する見通しとなるのか?と考えると、やはり「アベノミクス」で経済の立て直し、ということとの関連を思い浮かべてしまう。
「個人情報」という、ビッグデータを活用することで、経済の活性化を狙うということだ。
確かに今や「個人情報」そのものは、相当注意をしていても部外に流出している可能性はある。
たとえば、クレジットカードなどを利用などは、その利用明細データがどこで保管されているのか?ということを把握している方はどれだけいらっしゃるのだろう?
以前拙ブログでも指摘をさせていただいた「楽天ポイントカード」とYahooなどの「Tポイント」、ローソンなどの「ポンタポイント」など、複数の企業が提携している「ポイントカード」などは、その利用内容と金額がポイントカード発行会社がすべてを把握している、と考えてもおかしくはないと思う。
とすれば、これらの発行会社だけでも、相当の「個人情報」となりえる「データを蓄積し、それをビジネスに活用している」と考えてもおかしくはないはずなのだ。

今でもそのような状況なのに、Yahooなどが時折宣伝をしている「遺伝子検査」などの情報とクレジットカード会社のデータが加われば、それこそ「個人情報丸裸」状態になってしまう。
そのような情報を、本人に確認することなく(おそらく「確認するための厖大な費用と労力を考えると、難しい」という判断では?と想像する)、勝手に使うというのはいかがなものだろう。

このような話が出る度に「経済の活性化」ということを言われるのだが、その「経済の活性化」を望む人の個人的情報もまた、他へ漏れてしまっているのだ。そんな意識をもって「経済の活性化のためなら、自分の様々な情報が自分の了解なしに、使われても問題ない」と考えているのだろうか?案外「自分の情報は漏らしたくないが、他人の情報は活用したい」と思っているのでは?

「企業でビッグデータを活用する」ということは、「企業にいる自分のデータも使われている生活者の一人である」と、考える必要があるのでは?
何より今年の10月から始まる「マイナンバー制度」で、相当の個人情報が行政や企業の間で、共有されることになる。
今いちど「個人情報」のあり方を、考える必要があると思う。



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