一昨日、厚労省が発表した「毎月勤労統計調査(速報)」。
この調査報告で、実質賃金が26ヶ月連続マイナス、という状況になっていることが分かった。
確か先月の発表では、「春闘で賃金が上がっているので、その効果がそろそろ出てくるのでは?」という、期待の発言があったように記憶している。
実際、31年ぶりに企業が積極的に賃上げをしたことから、このような期待的発言となったのだが、どうやら現実は「賃上げ以上の物価高」の6月だったようだ。
Bloomberg:基本給31年ぶりの高い伸び、春闘反映ー実質賃金は26カ月連続マイナス
Bloombergの記事で注目すべきは、今年の春闘の賃上げは31年ぶりであった、という点だろう。
この31年間で、日本は先進諸国と言われる国々の中でも下位に落ちてしまった。
いくらGDP4位と言っても、5位以下がヒタヒタと迫っている状態かもしれない。
GDPだけが、経済指標ではないが、今の日本に来日する海外旅行者のインタビューなどを聞くと、「安い国になってしまった」という気がしてくる。
「安い国」の裏返しが、日本の多くの企業が追い求めてきた「安価で高品質・高サービス」だったのかもしれない。
結果、本来であれば支払わなくてはいけない価値価格を、無視してきたということでもある。
この染みついたような「安価で高品質・高サービス」を脱却する為にも、今年の春闘の賃上げは必要であった、ということなのだが、それ以上に物価高騰していたため、実質賃金がマイナスになってしまった、ということになる。
であれば、必要な政策は何だろう?ということになる。
まず考えられるのは、生活インフラに関わる消費税の削減だろう。
先週からの連日の猛暑を通り越した殺暑の中では、エアコンなどの使用を止めるわけにはいかない。
何故なら、いのちに関わるような問題だからだ。
とすれば、生活者が安心してエアコンなどが使えるに様する為に刄、電力会社への補助金よりも、消費税を軽減することだろう。
もう一つは、岸田政権が胸を張って実施した「定額減税」ではなく、食品などに対する消費税の撤廃なのでは?
物価が高騰すれば、高騰した分消費税として徴収される税額は増える。
特に食料品などの高騰は、生活に直接的にかかわる。
それが、実質賃金のマイナスとなる要素にもなっているのでは?
何となくだか、この30年以上政府は企業に目を向けるばかりで、生活者に目を向けてきたのだろうか?
生活者一人ひとりが大口のパーティー券を購入することなど無いが、そのパーティー券購入のお金の出どころは、どこなのだろう?
生活者一人ひとりが様々な商品やサービスを消費したことで、企業が得られた収益から出ているのでは?
パーティー券など政治資金を提供してくれる企業に甘い顔をして、生活者には厳しいという経済政策をやめない限り、実質賃金のマイナスは続くような気がしている。
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